★Tips 1 : 今日の帆足さん、ストライク率は約57.8%、2/3を大きく下回るものでした。
31度の打者との勝負のうち2ボールまでいったのがのべ15度、
3ボールまでいったのがのべ5度、そして四球2で1ボール以内での勝負が約51.6%。
このようにボール球がかなり多かったにもかかわらず
8イニングを投げて109球、失点・自責点ともに2という素晴らしい結果を残したのは
一昨日(12日)の西口さんの好投と同じように
マリーンズ攻撃陣が早いカウントから“打ち返せる”と打ちに行き
多くの凡打(特にグラウンドアウト)を重ねたことに原因があると言えますね。
今日は右打者の勝負球として効果的に利用したチェンジアップ、
そして球速の異なる2つのパーム(遅い方はカーヴと同じような球速)を駆使し
ストライク・ゾーンを広く深く使えたことで
右打者が打ち返せると振りにいって狙いとまったく違う右方向に
弱いグラウンドボールが飛んでいきアウトを重ねるなど
マリーンズ攻撃陣が戸惑いをみせており、
グラウンドアウトが14という帆足さんの特長がじゅうぶんに発揮できたゲームでした。
それにしても、マリーンズ攻撃陣もかなり様変わりしましたね。
マリーンズ攻撃陣といえば三振も多いけれども四球も多く奪うという
打席での素晴らしい忍耐強さを発揮していくのが大きな特長でしたが
Valentine監督時代からの選手たちが移籍等で減少していくと共に
やはり西村監督の目指すものは基本的に異なるものなのでしょうね。
対戦相手としては、以前の忍耐強いマリーンズ攻撃陣のほうが
非常に脅威だったのですが・・・。
(今でも井口選手はほんとうに素晴らしいと思います)
★Tips 2 : 今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計4度、
その内訳は 0-4 で得点圏に残塁2。
今日は4安打・2四球と出塁は6、失策2を加えた8人のランナーの行方は
6残塁、併殺打1で1得点という結果でした。
今日は相手先発の小林投手がルーキーだったことに加え
ライオンズ先発の帆足さんが素晴らしい投球を展開していたことで
ゲームが終盤になっていけばいくほど攻撃陣があきらかに力み、焦って
素晴らしい投球を展開している小林投手をじっくりと腰を落ち着けて攻略することを忘れていましたね。
相手の失策2などもありながら焦って目の前の結果を求めにいきすぎ慣れない小手先の小技に走り
恐れずに真っ向勝負を挑んできた小林投手の投球の前にバタバタと凡打を繰り返す。
帆足さんの好投もありましたが、試合時間2時間19分という非常に短時間で勝負が終わったことは
勝ちたい、得点を挙げたい、帆足さんの好投に報いたいという
ライオンズ攻撃陣の強い思いがオーヴァーヒートし
それがリラックスしてじっくりと、自分たちの特長を発揮しながら
相手を攻略していくことを妨げたことも大きな要因の一つでしょう。
★Tips 3 : おそらく今後も自分たちの思うように勝利を積み重ねていくことができない時期が続くでしょうが
それは近い将来に向けての“学び”と“生存競争”の場でもあります。
2008年、優勝を目前にして大きな連敗を喫し結局2位チームの敗戦で優勝決定したこと。
2009年、CS出場に手の届くところまでいきながらホームでHR3連発を浴び
その後連敗を喫しCS出場を逃したこと。
2010年、交流戦の優勝を、またシーズンの優勝を狙える位置にありながら
最後の最後で連敗を喫していずれをも逃したこと。
この3年越しとなってしまった
“いつもどおりのパフォーマンスを発揮してゴール達成への最終局面を自力で登りきる”という宿題、
未解決のままなのです。
勝利への執念とは何か。勝負強さとは何か。
それは具体的に選手たちが勝負の一瞬一瞬で何を考え、具体的に何を遂行することなのか。
お題目のようにこれでもかと“執念、執念”とか“勝負強さ、勝負強さ”とかと
連呼したからといってそれで何が変わるわけでもない。
そのコトバの意味するところが選手個々人の具体的な行動目標レヴェルにまで
噛み砕かれ、ストンと染みいるように理解されてこそ
ようやく組織は少しずつ、しかし着実に変化していく。
ここまでライオンズが取り組んできたことは
①投手陣について、ストライク・ゾーンで勝負すること
②攻撃陣について、数多くの出塁をもぎ取ることで
相手投手陣をゾーンで勝負せざるをえない状況を創り出し
その最大の特長である長打を数多く、成功率高く放つこと
もちろんこの方針よりも効果的な方針はいろいろとあるかもしれませんが
今シーズンまだまだゲームが数多く残っていて、更にこの首脳陣である限りは
この方針のもと様々に考え悩み、じっくりと挑んで
数多くの失敗と成功とを経験することは選手個々人にとって
必ず貴重な、素晴らしい財産として活きてくるはず。
どんな厳しい状況でも自分を見失い浮足立つことなく地に足をつけて
ライオンの誇りだけは決して失うことなく
じっくりと自分の課題に対面し続けてほしいですね。