オーバーヒート | Peanuts & Crackerjack

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Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!

ピーナッツとクラッカージャック-20090804

想いや願いは時としてひとを蝕み
その正反対の結果をもたらすことがあります。

今日のライオンズはまさにそんな状態にみうけられました。

願いが、想いが空回りするとき。
緊張がからだを支配し思ったものと程遠い結果になってしまうとき。

それは余計なものを背負い込みすぎて
願いが過熱して恐怖へと変化し、集中力を著しくそがれ
自分の能力がまったく発揮できない状態。

今日は“よけいな”刺激や期待が多すぎたのかもしれません。

・後半戦はじめての首位ファイターズとの直接対決。
・しかもその初戦。
・ホーム・ゲーム。
・首位ファイターズ、2位ホークスとの
ホーム・ゲーム6連戦の頭のゲームでもある。
・7月、ライオンズは13勝6敗とようやく盛り返しつつある。
・地域密着として去年からはじまった大宮球場でのゲーム。
・7月絶好調だったエース涌井さんの先発。
・しかもわざわざローテーションを変更している。


もう何が何でも勝たなくてはならない、こんな願いが
とてつもないプレッシャーへと変化しそしてだんだんと
なぜうまくいかないのだろう、負けてしまったらどうしよう、
やっぱり首位のチームには勝てないのかもしれない、
こんな恐怖となりそれが大きく考えを支配し
肝心の瞬間、相手との勝負に集中できずに力を発揮できない。

これこそまさにオーバーヒート。

攻撃での焦りや自滅に近い失点がその結果としてあらわれましたね。
もちろん、八木投手はじめファイターズ投手陣の
要所をきちんと締めるクラッチ・ピッチャーぶりや
6回をはじめとしたファイターズ攻撃陣の集中力は
ほんとうに素晴らしかったと思いますが

冷静にこのゲームだけを振り返ってみれば
一方的に絶対に歯が立たないゲームではなかったと思います。
涌井さん、八木投手ともにランナーは出すものの
5回まで1-2とそれぞれの守備陣の活躍もあり

結果として振り返れば素晴らしいピッチングでした。

それが6回、あれよあれよと1ヒットだけで3失点すると
その後は4点差がさらにプレッシャーとなり
どうもさらに集中力がそがれてしまって
まさに“悪い流れ”に支配されてしまったかのように
点を奪えないままずるずる敗戦。

ファイターズはもともとライオンズより
心理的に有利な状態にあったのは間違いないでしょう。

貯金20、2位とのゲーム差4。
8月1日に惜しくも負けたものの最近11試合で
9連勝を含む10勝1敗。
チーム打率は抜群の1位、そしてチーム防御率も1位。
かなり心理的に余裕のある状態であったことでしょう。

対してライオンズは上にも記したとおり
様々な大きな期待がこの1試合にかかっていました。

でも、そんな状態だからといって
“ガンバったけれどやっぱりしょうがないね~”では
いつまでたっても上位チームには敵いません。

むしろそんな状態だからこそ
なんとかいい結果を紡ぎだすことがここ一番での勝負強さ、
つまり期待され求められるまさにその時に
期待にこたえ期待を上回る結果を出せるということ。

期待を一身に背負う状態でも緊張でがんじがらめの
オーバーヒート状態を緩和しコントロールし
いい集中力を維持して自分の力を発揮するには

自分の中でメンタルをコントロールし
よけいな刺激を減らす必要があります。

それは大胆にいえば“期待”を追い出すことかなと思います。
選手たちはいつでも勝ちたいし、打ちたいし、抑えたい。
すでに意欲は満々なわけですから
それ以上に余計なものを背負うと
うまくいかないのではないかと怖くなったり
うまくいかないことにイライラしたりして
オーバーヒート、逆に自分の能力を発揮できない。

自分のできることは日ごろの自分のトレーニングを信じ
その結晶をゲームという本番でも最大限発揮することだけ。

勝ち負けは時の運なのだからそれに左右されることなく
自分の最大限の力を持って相手に向かっていこう。

明日のゲームもそう。
エース涌井さんで初戦を落としたとか、
首位とのゲーム差がさらに広がってしまったとか、
そんなよけいなものをひきずらずに

この1試合に、いやその中での勝負の一瞬一瞬に集中し
結果を恐れずに立ち向かっていってほしいと思います。



Never Mind !