信頼の醸成 | Peanuts & Crackerjack

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Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!

$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100414

チームには軸となる選手が必要です。

QSを目安にある程度長いイニングを
最少失点でまとめていく先発投手。

最終回、リードしたセーヴ機会の場面に登板し
そのリードを保ったまま最後のアウトをとり
ゲームの勝利を確定させるクローザー。

高い確率で出塁し、どんどんと次の塁へ次の塁へ
進塁することのできるリードオフマン。

そしてその塁上を賑わすランナーたちを
高い確率で一振りで還すことのできる
クリーンアップ・バッター。

こういった軸となる選手が必要なのは

こういった選手たちの働きだけで
多くのゲームを勝利に導くことができるから、
という理由“だけ”ではもちろんなく

(もちろんそんなゲームが一番の理想で
長いシーズン中数多くみられることが必要ですが)

そういった選手たちがシーズン通して出場し続け
もちろん多かれ少なかれ失敗はありながらも
その力を概ねきっちりと発揮し続けることで

他の選手たちがムリすることなく
自分のしごとにじっくり専念することができる、

そんな信頼感がチームの中に醸成されていき

チームの軸たる選手たちが
その求められるしごとを残念ながらこなせない時でも

他のいわゆる“脇役”選手たちが
じぶんたちのしごとに最大限集中しきっちり専念して

最終的にゲームの勝利をもぎとることが
数多くのゲームで経験できるから、

こういった理由もとても大きなものです。

脇役と目される選手たちがゲームの中で輝き
チームのメンバー全員で勝利をもぎとるという現象は

じつはその前提として、チームの基礎となる
軸となる中心選手たちが安定してそのしごとを
キッチリとこなしていることが必要不可欠なのです。

2009年、ライオンズはクローザーという
チームの軸となる選手を欠いたままシーズンを戦い

選手たちはそれをカバーすべく様々なムリを強いられ
チームの中に強い“信頼感”を置けず
それぞれの個人がどうしてもばらばらに分断されて

チームの軸となる選手たちはそれでも概ね
その高い能力と努力と工夫で
なんとかその試練を受け止めることができ
高いレベルで結果を残すことができましたが

残念ながら“中継ぎ”陣などの脇役選手たちは
その力以上の場面で不安と恐怖を抱えたまま孤立し
その結果は惨憺たるものとなってしまいました。

もう一年さかのぼって2008年はその真逆で
軸となる選手たちがしっかりとしごとをし
チームの中で強い信頼感があり
大きなビハインドからの逆転勝利をあげることも
意外な脇役が大活躍を見せることも
決して珍しいことではありませんでした。

さて、2010年シーズンのライオンズ。

クローザーの座に座っているシコースキーさんが
これまでセーヴ機会の失敗なしとじゅうぶん安定し

先発陣も、そして攻撃陣も
その軸となる選手たちは多少の波があっても
“概ね”ここまで安定してしごとをこなしています。

そんな中、それでも1から作り上げる必要があり
試行錯誤の過程が必要なため多少の例外はありますが

去年とは比べ物にならないほどリリーフ陣が安定し、
また新しくスターティング・ラインアップに名を連ねる
脇役選手たちがいきいきと活躍できつつあるように思います。

今日のゲームでは、2004年以来勝ち星のなかった
長田投手に久々の勝ち星がついたわけですが

こういった現象こそ
チームの中にどんどんと“信頼感”という
一種のグル―ヴ感が醸成されつつあることの
ひとつのあらわれではないかと思います。

まずは一久さんが

何度も得点圏にランナーを背負い、また
再三その苦しい中で守備陣のエラーもあり
とても苦しい投球ながらも

4回まで自責点は1回の山崎武選手の3ランHRによる
3点だけで自滅することなく凌ぎ切り

多少イニングをその求められるほどは消化できずに
残念ながら4回終了時点で降板となりましたが

なんとかうまく最少失点でゲームを作りました。

また、クリさん・剛也さん・ブラウンさんといった
クリーンアップ・ヒッターが

1ゲームの中で何度かあるチャンスのなかで
失敗も多くありながらもきっちり打点を稼いでくる。

そして最後には今シーズンここまで安定している
クローザーのシコースキー投手がいる。

こんな状況の中だからこそ

高山さんの素晴らしい2ランHRや

長田さんの5・6回を1失点でまとめる投球、
そしてその後の野上さん、太陽さんの
1回ずつをきっちり無失点の素晴らしい投球を

わたしたちは観ることができたのだと思います。

今日も振り返ってみれば
数多くの四球を奪い塁上を何度も賑わせながらも
2ケタの残塁を喫した、我慢の連続で
とても苦労したゲームでした。

しかし、こういった我慢の連続のゲームこそ

チームの軸となる選手たちを中心とし
チームの中に醸成された“信頼感”をベースに

脇役選手も含めたチーム全員で
なんとか勝利へとつなげ、勝利をもぎとっていくと

チームにとっては
多くの勝利を積み重ねていくことができるという
素晴らしい結果を残すことにつながると共に

何より重要なのは
そのゲームの“場”に参加する選手たちにとって
更なる成長につながる最高に貴重な経験であり
何よりも素晴らしい財産になるということ。

こんな中でこそ
今は脇役でしかない若獅子たちが
素晴らしい経験を積み結果を残し
将来のチームを背負う中心選手へと成長するのでしょう。

2009年、誰もが渇望していた
このチームとしての相互信頼、
そしてそこから生まれるチームのグル―ヴ感、成長の実感。

今年はそんな姿をたくさん魅せてほしいですね。



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