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$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100413

松沼さん曰く、

-今日は新しいライオンズの姿を魅せていただきましたね。-

もちろん、その工夫と挑戦の跡は
最近いくつかの試合で見ることができていましたが

今日はその試みが
もっとも狙ったとおりの結果へと
うまく実を結んだゲームでしたね。

ここまで2年間のライオンズ攻撃陣は
自らのスウィングを確立させるため
初球からどんどんと積極的に振り切ることが基本でした。

その方針での攻撃の特徴は
長打を連発し一気に大量得点を奪うことができる半面
まったくランナーも出すことなく
あっさりとイニングを終わるということも多いということ。

これまでよくみられた

序盤1イニングのうちに一気に
大量得点を奪うものの、その後
ほとんどランナーを塁上に置くことなく
あっさりとどんどんアウトを重ねていき、

その間に相手攻撃陣がコツコツと反撃していき
点差を詰めていく、という展開は

初球から積極的に狙い振り切るという戦略では
覚悟しなくてはならないリスクでした。

そんなライオンズ攻撃陣が少しずつ、
打席でボールをきっちり見ていきながら
カウントを打者有利なものへと整えていき

甘く入ってきた1球を確実にとらえる、もしくは
粘っていきながら四球を奪い取るという戦略をも

今シーズンはどんどんと取り入れながら
打撃陣も更なるステップ・アップを図ろうという
そんな意図が様々なシーンで見て取れます。

先日のマリーンズ戦もそうでしたが
今日も四球を粘って奪い取り、得点圏を含め
塁上をランナーが賑わすシーンが
1ゲームの中で何度も見られるようになりました。

しかし、結局は初球から積極的にいこうが
ボールを見てカウントを有利なように整えようが

ランナーをホームに迎え入れ得点を挙げるためには
その状況で打席に入った選手が
きっちりとボールをとらえ、叩く必要があります。

つまり、チャンスは何度も作れども結局得点には至らず
残塁の山、という展開が待球作戦のリスクといえるのです。

特に相手先発投手がある程度実績のある投手であれば
得点圏にランナーを背負った状況でもそう簡単に自滅せず
むしろそういった場面でこそ最少失点にまとめてくるもの。

先日のマリーンズ小野投手もそうでしたが
今日のイーグルス永井投手も
何度もランナーを得点圏に背負いながら

結局6回を投げ切って打者30人に対し
投球数127、被安打7(うち被本塁打2)、与四球5と苦労しながら
奪三振7を奪い失点、自責点ともに3でまとめ

みごとQSをクリアしてきました。

失点3はいずれも
ランナーは得点圏にはいない状況でのHRによるもので
ランナーを得点圏に置いた状況では得点を許さずという
素晴らしい投球でした。

つまりこういった待球作戦は
相手先発投手が自滅していかない限り
なかなか1イニング大量得点とはならず

数多くのチャンスを作りながら
その中でその何度かを得点に結びつけながら
コツコツと得点を積み重ねていくものですから

数多くの残塁を喫しながらも
こちらの先発投手が相手の攻撃を最少失点に抑え
我慢をしながら何とか終盤までにリードし

クローザーを中心としたリリーフ陣が
キッチリ最後のドアを閉めることができれば

この作戦の一番の理想の展開だと言えるでしょう。

今日はライオンズ先発の岸さん、

8回を投げて打者31人に対し投球数131、
被安打10(うち被本塁打1)ながらも与四球1、奪三振9で
失点・自責点ともに3できっちりまとめ


こちらもみごとQSをクリアする素晴らしい投球でした。

そしてライオンズ攻撃陣ですが

結局残塁も11を数えながらもなんとか8回裏、
クリさんが2度目のランナーを得点圏に置いた場面で
みごと二塁打でランナー2人を還しました。

最後はクローザーのシコースキーさんが
きっちり9回を0点に抑え6セーヴ目。

攻撃陣も、そして岸さんも
この1ゲームの中で様々な工夫を凝らし
何度も失敗をして苦労をしながらも

最終的にその試みが実り
終盤にクリーンアップに入ったクリさんの一振りで
リードを奪うことができ

きっちりそのリードを保ったまま
このゲームを勝利で終えたのですから

この1勝の味は格別なものでしょうし

何よりこれからライオンズが成熟への階段を上っていく
大きな自信となる一歩となったのではないかと思います。

これから、ライオンズ攻撃陣は
これまでと同様の初球から積極的に振り抜く作戦も
もちろんありながらも
こういった“待球作戦”をもどんどんと織り交ぜていき

あっさりアウトを繰り返し続けることなく
どんな時でもチャンスを作りながら
それをなんとかコツコツと得点につなげることができるよう
苦労し多くの失敗を繰り返しながらも
様々な工夫を凝らしていくことでしょう。

重要なのは投手陣を始めとした守備陣も、そして攻撃陣も
決してその残塁の多さに意気消沈したり、自滅したりせずに

なんとか相手の攻撃を最少失点に抑えながら
攻撃陣はそのチャンスのうちの1つでいいからモノにして
ゲームを勝利で終えることですね。

もちろん、先日のマリーンズ戦の対小野投手の時のように
最後までチャンスを得点に結びつけることができず
結局残塁の山だけが結果として残る、ということは

残念ながらそんなに珍しいことではないと言えるでしょう。

しかし、それもいわばこれからライオンズ攻撃陣が
その戦術に幅を持たせ成熟していくために

欠かすことのできない“失敗”という名の
得難い経験であり、試練なのだと思います。

そして逆に今日のようにその挑戦がうまく成功した時も
これも得難い経験となり、大きな自信となって
選手たちの糧となるでしょう。

常にもう一歩先を求めて、限界はまだまだはるか向こう。

若獅子たちが貫録ある成熟した獅子王へと
更なる成長を重ねていく姿を
今後もどんどん魅せてほしいと思います。



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