今シーズンここまで先発登板２試合、
西口さんはいずれも多くの失点を喫し
残念ながら早期降板となっていました。
その特徴として
素晴らしいイニングはキッチリ３人でスグ終えるものの
一旦失点してしまうとそのイニングでは
あっさりと“もう１点”の追加点を献上していき
結果大量失点を短いイニングで喫し
早いイニングでマウンドを降りてしまうというもの。
先発ローテーションを任される投手のしごと、
それも“素人の部”である大ベテランのしごととしては
勝ち星をどんどん稼ぎチームの貯金に貢献していくとか、
このゲームの勝利につながる素晴らしい投球をするとか、
もちろんそんな投球は理想ではありますが
それよりもまずはなんとか“もう１点”の追加点を防ぎ
最少失点にまとめながらできるだけ長くマウンドにいて
イニングをどんどん消化し続けること。
今日の先発登板のマウンドでは
果たして西口さんがうまく最少失点で乗り切りながら
どれだけ長いイニングを消化していけるかが
最大の注目点でした。
さて、今日の西口さんの投球内容を見てみると
６回を投げ切って打者２７人に対し投球数１０５、
被安打３、与四死球６、奪三振３で自責点・失点ともに１。
みごとＱＳをクリアする素晴らしいピッチングでした。
与四死球６が示すように
今日の投球はかなり苦労したものとなりましたが
ランナーを得点圏に背負った場面で４四球で
失点は満塁の場面での四球による１だけにまとめたのですから
キッチリと集中を切らさずに、四球を恐れずに
慎重に投球したというプロセスが見て取れますね。
対照的な投球となったのが
これまでは西口さんと同じように早期降板という
失敗を繰り返していたイーグルス先発ラズナー投手。
４回、高山さんの二塁打で２点を失った後
続く上本さんのシングルで“もう１点”を２つ奪われ
あっさりと、一気に１イニングで４失点と
今日も先発投手のしごとをこなせず
同じ失敗を繰り返す結果となってしまいました。
今日のゲームでは西口さんを中心とした
ライオンズのディフェンス陣が
１回は２アウト１・２塁の場面で
中村紀洋選手のライトへの鋭い飛球、
前で弾んでシングルになろうかというあたりを
高山さんがダイビングしながらみごと捕球し
そのボールを離さず ( hang on to baseball ) アウトにし
３回には２アウトから四球３つを絡めて１失点するものの
その次の打者をキッチリとアウトにして
“もう１点”を許さず最少失点で切り抜けるなどして
西口さんが早期降板することなく
マウンドに居続けることができ
( hang on to baseball game )
また西口さんがきっちり今日の登板では
その求められるしごとをこなすことができたことで
その先発ローテーション投手の枠を
何とか手放すことなく持ちこたえました
( hang on to starting rotation )。
こうやってなんとか“持ちこたえる”ことこそ
今の西口さんの大きな役割ですし
更に言うならば
西口さんが先発登板するゲームで
守っている野手たちが最も留意することだと言えそうですね。
これからも西口さんの登板するゲームでは
数多く得点圏にランナーを背負い、失点を喫しながら
我慢し苦労する投球が続くと思いますが
そんな四球を含め苦労の投球が続く時こそ
ディフェンス陣は“いつも通り”に集中して
エラーなどすることなくキッチリ
その力を発揮してほしいと思います。
さて今日はマウンドでも、そして先発ローテーション枠も
なんとか“持ちこたえる”ことに成功した西口さんですが
もちろんこういった投球をこれからも続けていき
“何とか持ちこたえる”状態 ( hang on ) から
“安定して持ちこたえ続ける”状態 ( hold on ) へと
シフトしていくことが言うまでもなく重要です。
今後も“素人の部”らしい投球を続けて
攻撃陣と守備陣と、そしてリリーフ陣の援護のもと
何とかうまく勝ち星を積み重ねていけるよう
心から祈っております。
