チーム・コンセプト | Peanuts & Crackerjack

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$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100410

ライオンズ攻撃陣の特徴と言えば
よほど特異な状況でない限り
自分が打てると判断した球は初球から
積極的にきっちり振り抜いていくスタイルが

ファンの間でも、もちろん相手投手にも
すでにかなり浸透し定着していますが

今日は一味違うライオンズ攻撃陣の姿を
見ることができました。

昨日のゲーム終了後、渡辺監督が

-初回の攻撃だろうね。
うちはボール球を振ってしまい、相手は振らなかった。-

(ソースの記事はこちら

と反省されてらっしゃいましたが
その反省を踏まえて今日のチーム・コンセプト、

“初球は(できればファースト・ストライクまで)見送る-”

これがあったのではないかと思います。

今日は打席に立ったライオンズの打者はのべ44人でしたが
うち初球を見送ることなくスウィングしていったのは
1回のGGさん、5回の剛也さん、6回のずんどこさんの
わずかに3度のみ。

それ以外の41回の打席ではすべて初球を見送っています。

また、ファースト・ストライクを見逃さず
スウィングしていったのべ打席数も
上述の3度を含め13度と3割にも満たず

これは明らかにこれまでのライオンズ攻撃陣のスタイルとは
大きく異なるスタイルですよね。

このチーム・コンセプトが果たして
渡辺俊介投手対策としてのものなのか、
昨日の反省を活かしての今日だけの指示なのか、
それとも今後徐々にチームとして攻撃陣の各選手に
待球の意識を浸透させていくための一歩としての戦術なのか、

そのあたりはもちろんライオンズ首脳陣と選手でなければ
わかりようもないものですが

結果的にかなり功を奏し、
マリーンズの軸たる渡辺俊介投手をかなり苦しめ
早いイニングで大量得点を奪うことに成功し
早期降板へと追い込むことができました。

これまでほとんど制約というものがないといっていいほど
各バッターは自分のタイミングで自由に
打てると判断した球を初球から積極的に振り切ってきた
ライオンズの各バッターですから

急にマリーンズの各バッター並みの待球戦術とまでは
かなり難しいのではないかとは思っていましたが

初球は必ず見送る、できればファースト・ストライクまで
我慢して見送り続けるというコンセプトは

その間をうまくつなぐ素晴らしい戦術ですね。

そして、そのコンセプトは
ほんとうに小さな違いでしかないものの
実はほんとうに効果的で

初球のスウィングを誘うボール球を振ることなく
カウントをボール先行のバッター有利なものにして
甘く入らざるを得なくなったボールを痛打できたり
四球を選ぶことにつながったり、

そして何より相手投手の球数を増やすことに
うまく成功しましたね。

これまでは若い選手たちがチームの軸として
成長していくことにかなりの重点を置き
積極的に自分のスウィングをして振り切るという
コンセプトを一貫して貫いてきましたが

そろそろそんな若獅子たちも
すっかりライオンズを代表する“顔”として
相手にもじゅうぶん認識され、研究され、
敬意を払われる対象となってきました。

先日、そろそろ成熟期への階段を、と述べましたが

もちろん選手個人個人それぞれによって差はあるものの
自分たちの打撃の“幅”として少しずつ、
ボールを見ていきながらカウントを有利なものにし
甘く入ってきた球をこれまで培い確立してきたスウィングで
一振りでミスなくとらえる、という戦術も
身につけていくのもアリ、という段階かもしれませんね。

今日のゲームでも見て取れた通り
ライオンズの各バッターは既にそれなりに
相手投手に敬意を払われ、恐怖を抱かれていて
なんとかボール球を駆使しながらかわしていこう、
という攻め方をされることもかなり多いのです。

ところが、それにもかかわらず
まだまだ一貫して初球から振り切るスウィングだけでは
その相手投手の意図通りとなりうまくかわされ続け
相手投手が比較的楽にピンチを切り抜けられる。

もちろんそんなことは最初から
首脳陣も選手も重々承知の上だったと思います。

そもそもそんな待球作戦は
前提として甘く入ってきた球をミスすることなく
自分のタイミングでキッチリ一振りでしとめる、
そんな高い技術が求められるもので

自分のスウィングが確立してない選手がすると
結局虻蜂取らずで何も自分の血肉として残らず

まずは前提として、基礎として
きっちり自分のスウィングを確立することが最優先。

結果が出ないからといってムリに急に
スタイルを変えるということは一番に避けるべきですが

きっちり自分のスウィングが安定してできている時には
そろそろ自分のスウィングに一定の自信を持ち
応用段階として次の段階へと一歩一歩と歩みを進めても
良い時期に差し掛かりつつあるのかもしれません。

既に高山さんや上本さんなど



次の若獅子がそろそろ“指定強化選手”として
育成のテーブルにのってくるかという頃。

もちろん初球から積極的にきっちりフルスウィングをし
自分のスウィングを崩さず保つことが
いつどんな時でも決して忘れてはならない
基本中の基本ですが

これからは少しずつ待球の要素を取り入れ
いろいろと試してみながら

自分の打撃スタイルの幅を広げると共に
これからは更に状況に応じて自ら
そのスタイルを使い分けてくことができれば

どんな場面でも結果を出し続けることのできる
それこそ素晴らしいベテランへの一歩を
踏み出すことができるでしょう。

これまで確立してきた基礎を崩すことなく
徐々に状況に応じて最適なスタイルを選択し
よりよい結果を安定して残すことができるよう

これからもまた新たなステージへの
成長の一歩一歩を魅せてほしいと思います。



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