さて、実は今日のテーマは
攻撃陣のスターティング・ラインアップについてなのですが
まずはどうしても今日の帆足さんの投球について
触れなければならないでしょう。
いつものように今日の帆足さん、
9回を投げ切って打者34人に対し投球数117、
被安打7、与四球1、奪三振8で自責点・失点ともに0で
みごと完封勝利を飾りました。
グラウンドボール・エアボール比率をみていきますと
アウト27のうち三振8をのぞくと
フライアウト10(うち外野へのフライ7・内野へのフライ3)と
グラウンドアウト8・併殺打によるランナーアウト1で
いっぽう浴びた7安打のうち
グラウンドボールによるものは3つ(いずれもシングル)。
今日は意外にもグラウンドアウト比率がいつもより少ないのですね。
もちろん今日はゲームを通して
調子がよかったこともあるのでしょうが
要所を三振や併殺打で締めるあたりが
今日の完封を可能にした、といえそうですね。
そして今シーズン初の勝ち星がついたことも
とてもうれしかったことと思います。
今後とも左のエースとしてシーズン通して
更なる活躍を、すばらしい投球を魅せ続けてほしいですね。
さて、本題に入ります。
2008年の渡辺監督就任以降
ライオンズは上位打線を中心に
ほとんど打順をいじることなくこの2年間を戦ってきました。
もちろん昨年のシーズンも後半の8月、剛也さん故障に加え
27イニング無得点という記録的な危機の時のように
大胆に組み替えてくる時もありましたが
それも何らかの切羽詰まった事情があっての一時的な措置で
そんな事情が去ればライオンズの打順というものは
ほんとうにがっちりと固定のままでした。
記憶に新しいのは
昨年の開幕から大スランプに陥ったクリさんを
それでもずっと2番で使い続けたということですね。
さて、今日は
1番に友亮さん、9番にヤスさんがはいるという打順でした。
これはチーム首脳陣が
今どこか攻撃陣にかなり致命的な欠陥があると捉え
それを補うために一時的に打順を変えたという可能性は
外野からはもちろん否定できるはずもないのですが
わたしはそろそろこの打順、これからもっと柔軟に
変更しながらシーズンを戦っていくのも
いいかもしれないと思っています。
そもそも頑ななまでの打順の固定は
実質2008年から目覚ましく活躍し始めた
そんな選手の多いライオンズの打撃陣に対し
ライオンズの首脳陣の言う
“3年続けて結果を残し続けてこそ一流、
それでやっと4年目からも安定して成績を残せる
長年にわたってチームの軸として活躍できる選手となる”
という見方のもと、多少波の上下があったとしても
攻撃陣がうまく機能しないことがあっても
将来のチームの顔を育てるべく
辛抱して同じ打順で使い続ける、という要素が
とても大きいものだといえるでしょう。
2008年新たに誕生した若獅子たちの攻撃陣も
2008年の若さいっぱいでしゃにむに突き進み
そのまま日本一・アジア1へと上りつめた素晴らしい時期も
2009年のクローザー離脱という
チームとしての大きな痛手の影響で
なかなか思うようにチーム成績が上がらず
4位という悔しさを味わった苦しい時期も乗り越え
そろそろ“成熟”へと脱皮をしていく、
そんな挑戦をしてもいい頃ではないかと思います。
それは今まで結果がなかなか伴わなくとも
我慢して首脳陣に使ってもらって成長してきた時期から
ベテランといわれる時代を見据え
もっと自分で状況状況、瞬間瞬間に応じた打撃のできる選手へと
自ら成長していくことが求められる時期へと
徐々に移行していこう、ということです。
ふと気づけば自分たちより若い選手たちがどんどん入団し
首脳陣としては先を見据えそんな選手たちに
ゲームという貴重な“場”での経験をつませていき
うまく世代交代をしていきたいという頃かもしれません。
もちろん今日の打順の入れ替えの真意は外からはわかりませんが
今日の試合後渡辺監督がインタヴューでわざわざ
-ヤスも2本のヒットは粘り強くつないでくれたね。-
と言及していることからも
今シーズンも盗塁王を目指し少しでも多くの打席に立ちたい
ヤスさんの9番はかなり大きな意図があることは間違いないでしょう。
それが去年の年俸更改の時問題となった
打率・出塁率の問題なのか、それともまた違った理由なのか。
いずれにせよ2008年に実質“デビュー”となる
素晴らしい成績を残した若獅子たちも
そろそろ次世代の若獅子の成長を促すため
徐々に“打順固定”という育成“枠”から外れ
そこは徐々に彼らに譲っていきながら
今後は成績によっては打順も保障されない中で
自らの今のちからでそのスポットを勝ち取っていく、
そんな成熟期へと脱皮を開始するのもいいですね。
さて、1日空いて明後日のライオンズ攻撃陣は
どんなオーダーで臨むのか。
そんな変化を見ながら
変化を与えられた選手たちが勝負の瞬間瞬間に
果たしてどのような意図を持ちながら結果を積み重ねていくのか。
これもほんとうにおもしろい
野球の楽しみ方のひとつですよね。