トロイ・シヴァン(「ビルボード」誌インタビュー) | トロイ・シヴァンと、思わずはまった動画や音楽と

トロイ・シヴァンと、思わずはまった動画や音楽と

大好きなホモセクシュアルのシンガーソングライター「トロイ・シヴァン」について、動画や歌詞の対訳などを中心にご紹介します

今回は、全米トップチャートで有名な「ビルボード」誌によるトロイ・シヴァンのインタビューをご紹介したい。

原文へのリンクはこちらである。

【リンク】トロイ・シヴァン(「ビルボード」誌インタビュー)

例によって誤訳があるかもしれないので、ご指摘等もお待ちしている。

■トロイ・シヴァン(「ビルボード誌」2018年6月15日号)

※ Mickey Rapkinによる記事(2018年6月14日編)

「いかにしてトロイ・シヴァンは、ストレートのファンに迎合することなくしてスターダムに登り得たのか」

私たちはたったいま会ったばかりであるが、トロイ・シヴァンは既にズボンを脱ぎ捨て、黒いボクサーブリーフ(男性用下着)と白いTシャツに着替えて、彼の自宅の大理石のキッチンカウンターによりかかっている。

23歳のオーストラリア人のトロイ・シヴァンは、90年代のカルヴァン・クラインのモデルのように見えるーーすらりと痩せて、ブロンドに染めた髪と、印象的な青い目と、女優のシアーシャ・ローナンに似た骨格をしている。私は彼に、なぜ髪をプラチナに染めたのかと聞いた。「プラチナに見える?」彼はとっさに手を伸ばして髪に触りながら、上機嫌に言った。「最初に染めたときは、もっと白かったんだよ。今は少し黄色くなってるんだ。」

「RuPaul’s Drag Race」(アメリカの次世代のドラッグクイーンのコンペティション番組)の昔話に花を咲かせてからーーシヴァンは次のシーズンからこの番組のゲストジャッジをつとめるのだーーシヴァンはまだ眠たげだった。

彼がこの家を買ったのは、たった6カ月前のことだ。Hollywood Hillsの峡谷の奥にある、4つの寝室付きのコンテンポラリーな邸宅である。6か月しか経っていないが、住み慣れた感じだ。アーティストの隠れ家には、コンクリートで固められた暖炉が備え付けられている。アート系の本がきちんと積み重ねられ、スライドガラスのドアからは、小さなインゲンマメ形のプールも見える。隅に置かれたアプライトピアノはCraigslist(サンフランシスコのCraigslist Inc.により運営されるクラシファイドコミュニティサイト)で買ったものだ。蚤の市で彼に救われた(素描用の)木炭の絵が、赤い薔薇のアレンジメントの上に掛けられているーーヴァレンティーノのデザイナーの Pierpaolo Piccioliから贈られた薔薇だ。Piccioliは5月のメットガラ(世界最大規模のファッションの祭典)で、シヴァンのために服をデザインしている。(シヴァンは、ヴァレンティーノのオートクチュールの2018年スプリングコレクションにおける顔でもある。)「親愛なるトロイ」とカードには書かれている。「僕の世界に参加してくれてありがとう!」

しかし、彼はなぜズボンを履いていないのだろうかと、不思議に思われることだろう。シヴァンは衣装合わせの最中だったのだ。彼は、スタイリストが送ってきた今後の衣装一式を試着していた。その中には、テイラー・スウィフトのReputation TourにおけるRose Bowlスタジアムでのサブライズデュエットに着るであろう衣装も含まれている。彼は明らかに、ありのままの姿で快適に過ごしているように見える。彼の名声は高まり、8月31日にはセカンドアルバムの「Bloom」発売も近づいている。

シヴァンは一時期、ユーチューブのスターとして知られていた。彼は2013年に投稿したブイログ(vlog)でカミングアウトした。シヴァンのこれまでの一番のヒットは、2016年のBillboard Hot 100において23位に輝いた「Youth」である。

(注:Youthの字幕付き動画とミュージックビデオはこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。


※Youtubeよりお借りしています。

2015年のシヴァンのデビューアルバム、Billboard 200のトップ10に入った「Blue Neighbourhood」に先駆けて発売されたEP「Wild」は、テイラー・スウィフトからこんなツイートを受けている。「トロイ・シヴァンの『WILD』って、ぼうっとするほどすばらしくて、ほんとにすごいわよ(キャプスロックをかけて大文字で言わないとね)」彼がラジオでヒット曲を飛ばすようになる前から、ストレートの観客に迎合しようとすることなしに、彼はメジャーなプロフィールを築きあげていた。

(注:「WILD」の字幕付き動画とミュージックビデオはこちらだ。)


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彼の最新のシングルは、弁解のしようもないほどセクシュアルだ。シヴァンは、ゲイのポルノスターであるBrody Blomqvistを、「My My My!」のミュージックビデオにキャスティングした。「My My My!」は新たな愛のスリルを歌ったバップ(1940年代のモダンジャズの一形式)で、「興奮させるような、快楽主義的な曲」と「The Guardian」誌は評している。

(注:My My Myの字幕付き動画と、ゲイポルノスターを起用したミュージックビデオの動画はこちらだ。この記事を読むまで、ゲイポルノスターを起用していることは知らなかったので興味深い。)


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次のシングル「Bloom」の歌詞はーー「僕の庭に来てよ・・・君にお願いするかもしれないよ、ちょっと待ってよ、ベイビー、もうちょっとゆっくりやってと」ーー歌手のアダム・ランバートらによって、(ホモセクシュアルの「トップ」《「腐女子」風にいえば攻》「ボトム」《「腐女子」風には受》の)「ボトム」を讃える初めての讃美歌として喜び迎えられた。

(注:一番好きなビデオなので何度も掲載しているが、「ボトム」《「腐女子」風には受》の讃美歌である「Bloom」の和訳版動画と、ミュージックビデオはこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。


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(注:アダム・ランバートも、2009年にゲイであることをカミングアウトしている。ゲイのロールモデルであることについて語るランバートの動画がこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。

(注:この「Bloom」は、私が最初ミュージックビデオを見たときから信じられないほどボーイズラブ的な、「腐女子」的にはたまらない曲であった。ゲイでイケメン歌手のアダム・ランバートがトロイ・シヴァンの「Bloom」についてどういうコメントを言ったのかについても面白いのでぜひご紹介したいが、長くなるので次回のブログであらためてご紹介を予定している。)

最新アルバム「Bloom」において、トロイ・シヴァンは以前からコラボレートしている Lelandらと共に、Max Martinの「Wolf Cousins」グループや、Solange,やHAIMといったアーティストを輩出したAriel Rechtshaidといったライターやプロデューサーと初めてコラボレートしている。

そして、トロイ・シヴァンは、デヴィッド・ボウイやプリンス、ジョージ・マイケルといった、タブーを打ち破るポップシンガーの系列に連なるアーティストとして自らを位置づけた。しかし、それらのアーティストとは違って、彼は、社会に浸透している考え方といい加減に戯れたりはしないーー彼は、台頭しつつあるメインストリーム・カルチャーの化身そのものなのだ。

それでも、彼の得たポジションは容易なものではない。「僕はときどき、自分がちょっとモルモットになったような気がすることもあるよ」と彼は認める。「『世界にこれまでになかったようなことを教える』教育的な視点をアピールするために、世界だかプレスだかに、僕やたくさんの若い人たちが利用されてるような気がすることもあるんだ。」

ゲイを治療する施設に送られた若い男性について描いた新作映画「ボーイ・イレーズド」の助演男優としてトロイ・シヴァンを起用した、オーストラリアの俳優兼監督のジョエル・エドガートンは、シヴァンのオーディションテープの虜になった。「トロイには生まれつき、面白くて、すごく神秘的で、誘惑的な何かが備わっている。」とエドガートンは言う。「彼の最初の眼差しを一目みただけで、彼についてもっと多くのことを知りたくなるんだ。」

「トロイ自身が好むか好まざるかは別として」とエドガートンは付け加える。「トロイは若い世代にとっての代弁者になっているんだ。」

(注:2018年11月3日に投稿されたばかりの、「ボーイ・イレーズド」についてトロイ・シヴァンが語るインタビュー動画がこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。

今晩、シヴァンはスイスの時計のブランドのために、カリフォルニア州のマリブにおいて、短いプライベートなライブを予定している。それが終わると、目の隅便(深夜出発して翌朝早くに目的地に到着する旅客機)でニューヨークに行き、「Bloom」のミュージックビデオを撮影する。そして、36時間後にはロサンジェルスに戻って、Rose Bowlスタジアムでパフォーマンスを行い、その後アメリカNBCの朝の情報・ニュース番組「the today show」に出演する。

オーストラリアのメルボルンからの14時間のフライトを終えて、トロイ・シヴァンの両親は隣の部屋で眠っている。そして、シヴァンのボーイフレンドでモデルのジェイコブ・ビクセンマン(Jacob Bixenman)は、二階のどこかでぶらぶらしている。そしてシヴァンは、革の椅子に深く腰を下ろしている。澄んだ目をして、礼儀正しくてーーときどき恥かしがりやでさえありーートロイ・シヴァンは、人を楽しませるのに夢中の若いスターにありがちな、浮ついたエネルギーを超越した存在に見える。

彼のデビューアルバムと「BLoom」との違いを尋ねると、シヴァンは言う。「以前は、僕が望むものを表現するのに、もっともっとたくさんの言葉を書き連ねる必要があった。でも今回は、もっとずっと自然に、すべてが腑に落ちる感じだった。僕には前よりずっと豊富なビジョンが湧いていた。僕は、ラブレターそのものになりたかったんだ。」

ラブレターって何に向けての?と私は尋ねた。

彼はためらった。明らかに、プライベートなことについてどこまで話すべきか迷っている。彼は過去には、恋人のビクセンマンとのプライベートな関係を維持するために、全力を尽くしていることについて語ったこともある。しかし結局、彼は不親切にも、こういっただけだった。「いろんな物事に対するラブレターさ。」

続けて彼の話を聞くと、アルバム「Bloom」は、ジェイコブとの関係について語っているだけでなく、それ以上のものを含んでいることがわかってくる。ーーそれは、彼の日々の経験の中の真実を物語るものなのだ。

「僕は、2018年という今の時代に生きていてとてもラッキーだ。レコードのレーベルは僕に、『書きたいものは何でも書いていいよ』と言ってくれる。僕は何も隠したりする必要はないんだ。」と彼は言う。「僕は、僕の恋人との関係についてアルバムを出す機会を与えられて光栄に思うよ。でも、アルバムを作る過程において、僕はそれ以上のものを表現したかったんだ。だって僕は、これほど成長した状態でアルバムを出したことはなかった。僕らしく自然体であり、オープンな心で歌を書き、ストレートの観客に迎合することを考えて自分を偽ったりはしない・・・僕自身の人生について僕が正直でありさえすれば、わかるでしょう? 僕は『My My My!』とか『Bloom』で歌っているような夜について書けるんだ。」

私が後に、シヴァンのアメリカにおけるレーベルであるCapitol Music GroupのCOOであるMichelle Jubelirerに、「Bloom」という歌の解釈について尋ねてみたところ、彼女は笑った。「私があの歌を聞いたとき、すぐにあの歌の意味がわかったわよ。たぶん、うちの会社の全員が、一度聴いただけでわかっていたわけではないとは思うわ。でも、わかるでしょう?私たちは彼と契約したのよ。もちろん、彼が何者であるかはわかっていたわ。彼をサポートしていくのは私たちの責任なのよ。」そして、勇気づけられることには、境界に挑戦するゲイのアーティストと契約するリスクをとろうとしているレーベルは、Capitol Music Groupの他にも数多い。シヴァンと契約するための競り合いは、Jubelirerによると、「たいへん激しい競争なのよ。」

2017年にトロイ・シヴァンと一緒にツアーをしたデュア・リパは、シヴァンが信頼できる人柄であることが、聴衆を惹きこむ要因のひとつだという。「彼は賢いクリエイターであるけれど、それと同時にとても正直なの。だから人々は、彼の音楽を愛するのよ。彼は、人々が声に出して言いたいけれど、言葉を見つけることができないようなことを、代わりに言ってくれるの。」

以前より大きな会場で、より大きなプロダクションのもと、シヴァンはこの秋に再びツアーを行う。シヴァンはトランス女性のKim Petrasとの共演を発表した。Kim Petrasは、アーティストのKeshaから性的虐待で訴えられているプロデューサーのDr. Lukeを続けて起用していることが話題になっている。シヴァンは不注意にも、この論争に巻き込まれることになってしまった。(Dr. Lukeは性的虐待の事実を否定している。)

「みんなの言いたいことはわかったよ。」シヴァンはこう始まる長いコメントを出した。シヴァンは彼を「当惑させた」Kim Petrasの過去のコメントに気づいてはいなかった。しかしそれでも、彼女自身および彼女の音楽をサポートし続けるつもりである。シヴァンはまた、ツアーの収益の一部を、性的暴力と戦うための非営利団体「RAINN」に寄付すると発表した。

「Bloom」に収録された歌には、もっと論争を呼ぶ内容の歌もある。「Seventeen」は、シヴァンがオンラインで出会った年上の男との関係を歌った曲だ。未成年のときに、シヴァンが年齢を偽って会った男との関係はタブーであり、違法ですらある。(この歌では、映画「君の名前で僕を呼んで」で描かれたような未成年のゲイの男の子による初体験の情景が歌われているのだ。)「僕は頭の中で何百万回も、反発や反響をくらうことは予測して備えていた。」シヴァンは思いを込めて言う。「そういうことを大目に見ていいかどうかとか、そういう点にはなるべく触れたくなかった。でも、そういったことはどうでもいいんだ。僕は、真実の物語を語ることに責任を感じてる。--好奇心旺盛なゲイの子供が、誰だって切望するように、ある種いかがわしい状況の中に自ら入っていってしまうという物語さ。」

(注:このトロイ・シヴァンの初体験を歌ったセンセーショナルな歌「Seventeen」に関しては、歌詞の対訳を含め過去ブロ(【リンク】トロイ・シヴァンの初めてとは(「Seventeen」で歌われる時代))で詳しくご紹介しているので、あわせて見ていただければと思う。)

(注:また、過去ブロ(【リンク】トロイ・シヴァン(「Attitude」誌インタビュー))には、このあたりの詳細な経緯についてのトロイの発言が見られるのであわせてご参照いただければと思う。)

シヴァンが初めてカミングアウトしたのは、14歳のときだった。何時間もかけてティーンエイジャーの友人たちが昔からよくやるように、「深い、暗い秘密」について話し合っているときだった。「僕は自分自身に対しても、ゲイであることを認めたことはなかった」と彼は思い起こす。「僕の頭のあまりにも深いところに押しやられていた考えだった。僕と友人は、僕がゲイであることについて二度と話をしないことを約束した。でも、僕自身の頭の中では、これまでせき止めていた水門が開かれてしまった。それで僕は、オンラインを検索して、カミングアウトの動画をユーチューブで見たり、『プライド・パレード』の映像を見たりした。」

シヴァンの両親は、ユダヤ人の南アフリカ人であるが、ヨハネスブルクの治安が悪化しために、トロイが2歳のときにオーストラリアのPerthに移住した。両親はトロイを正当派ユダヤ教の学校に入学させ、トロイはしばしばユダヤ教会で歌った。(トロイのミドルネームの「シヴァン」とは、ユダヤ暦の三つめの月を指すヘブライ語の言葉である。)

彼が15歳でカミングアウトしたとき、「両親はすぐにこう言ってくれたよ。『大丈夫?何か助けになってあげられることはある?』」彼はすぐに、初めての「プライド・パレード」に参加したいと言ってみる勇気が湧いた。

「僕の両親は、『ええ、私たちは100%あなたといっしょに行くわよ』と言ってくれた。」シヴァンは微笑みながら思い起こす。「ちょっと恥ずかしさもあったけどーー僕は僕の両親と、僕の二人の兄弟と、僕の妹といっしょにパレードに参加したーーとてもすてきなことだったよ。だって、僕の両親は息子がゲイであることについて寛大な心で許してくれただけでなく、プライドに満ちて、僕といっしょになって燃えてくれていたんだ。」

シヴァンの両親は今でもそうであるーー両親がシヴァンを可愛がる様子や、シヴァンのボーイフレンドのジェイコブをヘブライ語で「ヤコブ」という愛称で呼んだりしているところを見れば明らかだろう。

シヴァンは、ユーチューブにおけるキャリアを12歳のときに開始した。彼の動画はどこか滑稽であり、また「人生における回答しにくい質問に回答する」シリーズもそうであるが、それでいて常に誠実である。

そして18歳になる頃、アイデンティティを確立したシヴァンは、彼の人生における次のステージにつながる二つの動画を投稿した。

2013年5月には、トロイはヤングアダルトのベストセラー「The Fault in Our Stars」に触発されたオリジナルソングの動画を投稿する。

(注:2013年5月5日にトロイ・シヴァンが投稿したオリジナルソング「The Fault In Our Stars - Troye Sivan (Official Music Video)」の動画がこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。

そして8月には、彼はユーチューブの動画で視聴者に向けてカミングアウトした。

(注:トロイ・シヴァンのカミングアウト動画の字幕版がこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。

どちらの動画も瞬く間に話題を独占した。それと同時に、シヴァン自身もまた、一躍、時の人となる。「タイム」誌は彼を、2014年における最も影響を与えるティーンエイジャー25人のひとりに選出した。

彼はデザイナーのエディ・スリマンによる2015年のイブサンローランのメンズウェアショーに、ファッションモデルとして参加した。

(注:トロイがジェイコブと初めて会ったのは、その翌年のイブサンローランのショーにゲストとして招かれたときだ。)

2016年までに、トロイは4,000,000人ものユーチューブの視聴者を獲得していた。彼との契約を申し出ているレーベルは6つ以上もあったようだ。「その時点では、」と彼は言う。「僕はただ波に乗るだけでよかった。」

シヴァンの8分17秒のカミングアウト動画はまれにみる傑出した内容だった。スターとしてのパワーと、感じやすい人間性にあふれていた。彼は、レコードレーベルと契約する前にカミングアウトしておくことを決意していた。彼が完全に正直な音楽づくりをするためには、それしかないことがわかっていたのだ。カミングアウト後、彼は若くてのぼせあがりやすい女性のファンの何人かを失ったかもしれないと少しだけ心配になったが、「ほかに方法はなかった。『僕は最初の一歩を踏み出す人間にならなければならなかったんだ』」

彼がオーストラリアのPerthに住む子供で、ゲイのテレビドラマ「クィア・アズ・フォーク」をオンラインで見る方法を探していた頃には想像もできなかったことだが、突如として、ティーンエイジャーが夢見てやまないような成人期が、彼にとっては現実のものとなろうとしていた。アリアナ・グランデが彼とコンタクトをとるようになり、70-80年代のポルノ男優のような髭をしたモデルのボーイフレンドがいるのである。

23歳のビクセンマンがシヴァンの衣装合わせ中に1階に降りてきたとき、Andy Cohen のインタビュー番組「Bravo Clubhouse」にお笑い番組の「Ozzie and Harriet」が訪れたかのような空気がその場に流れた。シヴァンはテイラー・スウィフトのショーに着ようかと考えながら、フリンジデニムパンツの衣装を抱えていた。しかし彼は、ビクセンマンがその衣装を気に入らないことを瞬時に理解した。

「君はこれがあんまり気に入ってないね」と彼は言った。ボーイフレンドは首を横に振った。

ビクセンマンは、ラフシモンズのカーゴパンツを気に入ったので、シヴァンはスウィフトとのステージにそれを着ることに決めた。

最近ではますます、家庭的な雰囲気こそ、シヴァンが最も至福を感じるものになってきているようである。

彼はアリアナ・グランデとデュエットした「Dance to This」という歌を書いているが、この歌はVIPとしての人生について書いたものではない。それは、シヴァンに言わせると、「しばらくすると、パーティーとかバカ騒ぎの夜とかがぼやけて思えてきて、家にいて食事を作ってキッチンで過ごすのが理想の夜の過ごし方に思えてくる。そういうことを歌った曲なんだ。」

(注:「Dance to This」の字幕付き動画とミュージックビデオがこちらだ。)


※Youtubeよりお借りしています。


※Youtubeよりお借りしています。

午後3時。シヴァンはサウンドチェックのためにマリブに行かなければならない。私たちはシヴァンのテスラのモデルXの車に乗り、彼の両親は跳ね上げ式の後部ドアから乗り込んだ。そして、ラッシュアワーの道路を走りだす。いつも通り良心に満ちたシヴァンは、バックミラーに目を走らせて言う。「ママ、シートベルトしてないよ。」

ビクセンマンも私たちに同行する予定だったが、急に入った撮影の仕事のためその夜、ナミビアに飛ばなければならない。「香水会社のための撮影さ」とビクセンマンは肩をすくめて言った。--そして次の瞬間、ビクセンマンは荷物のパッキングを忘れていることに気づいた。私はこの機会を捕らえて、シヴァンに、ビクセンマンの口髭をどう思うか聞いてみた。彼は笑う、「うーん、んんん。彼がした選択なんだけど。僕は数日ごとに、彼に口髭を剃るように言ってるんだ。そうしたら彼はまた口髭をはやしてしまって、僕も気に入ってきてしまって、最後にはもう『もういいや』ていう感じになってしまっているんだ。」

パーティーは、海に面した家で行われた。2400万ドルで売りに出ている、イルカが波間に戯れるのをバルコニーから観察できる家である。シヴァンと彼のバンドがステージに出たとき、「My My My!」を簡略バージョンで演奏し、シンガーは、ミュージックビデオで見られるのと同じように我を忘れたトランス状態に入り、官能的に身もだえしながら歌った。

(注:このときのトランス状態に入ったトロイの様子を思わせる「My My My!」のライブの動画がこちらだ)


※Youtubeよりお借りしています。

その日のもっと早い時間に、シヴァンは「My My My!」のミュージックビデオの撮影についてこう語っていた。「あのビデオを作るとき、僕は完全に自由な気分だった。僕の身体を一定の方法で動かすことを意識するというよりも、僕の身体の重みをただ自由にフィットする方向にもっていくだけでよかったんだ。ただ単にカミングアウトするだけでなく、完全に自由になるためにね。」

「僕がもっと若かったころ、人の目の前で、僕は僕の尻を振ってみたり、女っぽい手つきをしたりは絶対したくなかった。」と彼は続ける。「そういったことを自分に禁じるなんてばかばかしいことだけどね。僕は踊れないといつも言っていた。だって僕のしたい踊り方は、十分男らしいとは言えなかったからね。」

トロイ・シヴァンについて、魔法にかかったかのように感じられることを、ひとつだけ挙げるとすれば何だろうか。シヴァンは、プライベートなパーティーを、見る者の胸に訴えかけるような、特別なものに変えてしまうのだ。ただ単純に彼の身体を動かし、サポートしてくれる家族やソーシャルメディアの熱心なフォロワーの存在にも関わらず、子供の頃に決して自分自身に許すことのできなかった、そういったすべてのものを表現するだけで。

彼は若く、彼のキャリアを完成するためにはまだまだしなければならないことがたくさんある。だが、シヴァンは今、こう言うことができる。「大勢の人々の前に立ち、カメラの前に立ち、僕自身のこの身体の中にしっかりと存在し、この瞬間を生きる。僕は、いつも感じたかったように感じているーーすべてを出し切ることのできる、真のポップスターのように。」

ここまで、「ビルボード」誌によるトロイ・シヴァンのインタビューを和訳でご紹介してきた。

インタビュアーのMickey Rapkinは、トロイ・シヴァンの自宅に取材に訪れ、暫くトロイと行動を共にしたうえでこの記事を書いているため、現在のトロイの日常生活のヒトコマが伝わってくる、すごく面白いインタビューだと思う。

なお、この取材の当時、ジェイコブがひと昔前のポルノスターのような口髭を生やしていたことがこの記事からわかるが、最新(6時間前)のツイートの写真では、ジェイコブはこの通りちゃんと口髭を剃っているのでご心配はいらないようだ。


※画像はお借りしています。

なお、コナー・フランタと別れたときのコナー・フランタの裏ツイッターや、トロイと付き合い始めた頃のジェイコブの裏ツイッターなどをこれまでご紹介してきたが、トロイがジェイコブをボーイフレンドと認めて、公けにカップルとして行動するようになってからの情報は、Tracobのファンサイトのツイッターを見ると最新情報がキャッチできる。

【リンク】Tracobのツイッター

トロイとジェイコブの最新情報を知るためには、この「Tracob」のツイッターは要チェックだ。

■トロイファンのみなさんで、トロイ・シヴァン来日の際、ミュージックステーションに出演してほしい
と思う方はぜひ、トロイファンのみみさんといっしょにリクエストの書き込みをどうぞ!

 みみさんより:
 「前にミュージックステーションに、出演を要望しますって書いてましたが
  やりましたよv(^-^)v 簡単でした。
  ニックネームと性別と年代だけで、書き込みできますので、ぜひ。」
 「>> 「ある少年の告白(Boy Erased)」
  >>  TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショーで4月に日本公開される。
  これ、凄い嬉しいですよね。 しかも4月。
  4月に来日するし、映画のプロモーションも兼ねてるなら、
  ミュージックステーション出演も
  夢じゃないかもですね。 引き続きリクエストしておきますφ(.. ) 」

【リンク】「ミュージックステーション」ご意見リクエスト

■今最も輝くポップ・アイコン、トロイ・シヴァンの来日公演!
(Troye Sivan : live performance in Japan)


<公演情報>
2019年4月24日(水) 豊洲Pit
April 24, 2019, Toyosu PIT (Tokyo)
OPEN18:30 / START: 19:30
オールスタンディング(All Standing) \7,500 (税込・別途1Drink代)
Troye Sivan THE BLOOM TOUR in Japan

【リンク】チケット情報(Ticket information : Troye Sivan THE BLOOM TOUR in Japan)

■トロイ・シヴァン 最新アルバム「ブルーム」
(Troye Sivan : latest album 'Bloom')
Capitol/ユニバーサル(2018)


(収録曲:Song Contents)
1.SEVENTEEN / セヴンティーン
2.MY MY MY! / マイ・マイ・マイ!
3.THE GOOD SIDE / ザ・グッド・サイド
4.BLOOM / ブルーム
5.POSTCARD (FEAT. GORDI) / ポストカード feat. ゴーディ
6.DANCE TO THIS (FEAT. ARIANA GRANDE) / ダンス・トゥ・ディス feat. アリアナ・グランデ
7.PLUM / プラム
8.WHAT A HEAVENLY WAY TO DIE / ホワット・ア・ヘヴンリー・ウェイ・トゥ・ダイ
9.LUCKY STRIKE / ラッキー・ストライク
10.ANIMAL / アニマル
11.THIS THIS / ディス・ディス(日本盤ボーナス・トラック)
12.RUNNING SHOES / ランニング・シューズ(日本盤ボーナス・トラック)

※「ブルーム(Bloom)」は世界各誌で2018年のベストアルバムに選出された大絶賛セカンドアルバム!
「Clash」誌:The 40 Best Albums of 2018・・・「29位」
「The Guardian」誌: The 50 Best Albums of 2018・・・「37位」
「The Independent」誌:The 40 Best Albums of 2018・・・「12位」
「NME」誌:Albums of the Year 2018 ・・・「29位」
「Paper」誌:Top 20 Albums of 2018・・・「14位」
「Rolling Stone」誌:The 20 Best Pop Albums of 2018・・・「7位」
「Slant」誌:The 25 Best Albums of 2018・・・「4位」
「Time」誌:The 10 Best Albums of 2018・・・「7位」

【リンク】TOWER RECORDS ONLINE | iTunes:Bloom
※ボーナストラック(This Thisなど)欲しい方は日本盤がお薦め!

■トロイ・シヴァン ファーストアルバム「ブルー・ネイバーフッド」
(Troye Sivan : first album 'Blue Neighbourhood')
Capitol Records(4 December 2015)


(収録曲:Song Contents)
1.Wild
2.Fools
3.Ease(featuring Broods)
4.Talk Me Down
5.Cool
6.Heaven (featuring Betty Who)
7.Youth
8.Lost Boy
9.For Him (featuring Allday)
10.Suburbia

※「ブルー・ネイバーフッド(Blue Neighbourhood)」は66の国と地域のiTunesで1位、全米ゴールド・セールス(50万枚以上)を記録した大絶賛デビューアルバム!

【リンク】TOWER RECORDS ONLINE:Blue Neighbourhood
※Deluxe Editionの方が少し高いですがボーナストラック(Swimming Poolなど)入ってます

■トロイ・シヴァンのライブ映像からいくつかご紹介を!

〇最新アルバム「Bloom」から代表曲のひとつ「My My My!」

※Youtubeよりお借りしています。


※Youtubeよりお借りしています。

〇トロイ・シヴァンのサンディエゴのフルライブ!

※Youtubeよりお借りしています。

■私の一番好きなミュージックビデオのご紹介!

〇「Bloom」(最新アルバムのタイトルトラックです)

※Youtubeよりお借りしています。

■少々マイナーなのも含め私が大好きな曲を数曲ご紹介!

〇最新アルバム「Bloom」の日本版ボーナストラック「This This」

※Youtubeよりお借りしています。

〇映画「Love, サイモン 17歳の告白」のサントラから、「Strawberries & Cigarettes」

※Youtubeよりお借りしています。
※オリジナルサウンドトラック収録曲(【リンク】Tower Record Online:Love, Simon Original Soundtrack)

〇最新アルバム「Bloom」より前恋人コナー・フランタとの別れを歌う「Plum」(ライブ映像からどうぞ!)

※Youtubeよりお借りしています。

〇ファーストアルバム「ブルー・ネイバーフッド」から名曲「lost boy」

※Youtubeよりお借りしています。

〇ファーストアルバム「ブルー・ネイバーフッド」から前恋人コナー・フランタとのよかったとき「for him.」(ライブ映像からどうぞ!)

※Youtubeよりお借りしています。

〇2014年7月25日にリリースされたアーティストのデビューシングル「Happy Little Pill」

※Youtubeよりお借りしています。
※アーティストのメジャーレーベル最初のEPとしてリリースされた「Tryxye」(輸入版CDあり)に収録されています(【リンク】Tower Record Online:Tryxye

■ディーヴァとのデュエット曲からご紹介!

〇最新アルバム「Bloom」から歌姫アリアナ・グランデとのデュエット「Dance to This」

※Youtubeよりお借りしています。

〇チャーリーXCXとのデュエット曲「1999」

※Youtubeよりお借りしています。
※ワーナーミュージックより配信中(【リンク】WARNER MUSIC:1999

■人気ユーチューバー出身のアーティストのブイログ(vlog)より大好きなショットをご紹介!


※Youtubeよりお借りしています。


※Youtubeよりお借りしています。


※Youtubeよりお借りしています。


※Youtubeよりお借りしています。

■最近一番大好きな動画をご紹介!


※Youtubeよりお借りしています。
※アーティストが「Revelation」について話をした後、2分12秒あたりから歌い始めます。途中泣きそうな顔で歌うアーティストに惚れちゃいます~

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