達人 | 香椎攻防記

香椎攻防記

轟丸英士、アラフォー。
底辺窓際サラリーマン。
主に通勤時間中の時間潰しの駄文、ならびにダイエット記録です。

 精巣停留、というらしいが、幼児には約1%程度の確率で起こる障害だという。精巣が体内に停留してしまっている、という文字通りの状態だが、要は金玉が、あるべき袋のほうに無いということである。放っておくと精巣癌や不妊のリスクが高くなるため、一歳になる頃には手術をしなければいけないらしい。

 数ヶ月前の検診で、ちょっと心配ですね…と病院で言われて以来、妻はとても心配して事あるごとに息子の金玉の有無を気にしていた。袋の中にある時もあれば、どこに収納してるのか、ない時もある。私と風呂に入っている時は、袋に降りてきていることが多い気がした。まぁいつも無いわけじゃ無いし、大丈夫だろ、と私は軽く考えていた。


 骨掛け、という秘技がある。

 武術の達人は、敵と立ち会う時、精巣を腹部に上げて、急所を打たれても大丈夫な様にするらしい。骨掛けは達人だけができる奥義である。(本当に実在する技なのかどうかはわからないが…)

  こいつは達人なんだよ!緊張してるときはキンタマを隠して戦闘態勢に入ってるんだよ!と私は笑い飛ばしていたが、妻はそんな私を一瞥、つまらん、と一喝した。

 この歳で入院なんて可哀想すぎる。全身麻酔して何かあったらどうするの、とやたらと心配していた。…どうも母親と父親では心配の感度やレベルが違いすぎるようだ…。


 先程、妻から、病院に行ったけど、大丈夫だった!という連絡があった。ようやくホッと出来たと。まぁ、良かった。息子が心配だったというより、妻が安心できて良かった。

 子供って色々あるなぁ。とりあえず、息子は達人である、ということにしておこう。