今日、某所ホテルの決済をした。
今回の売買は、所有者である会社が破綻していたので、
不良債権を処理したい債権者(金融機関)との折衝となった。
そもそもこの物件は、所有者が経営できなくなり、
金融機関に対しての期限の利益を失った状態で、弊社がホテルの経営を引き継ぎ、
第三債務者として結構な金額を支払ってきた。
「そんな案件だと、さぞかし安いだろう」と思う人もいるだろうが
そうは問屋が卸さない。
最近のホテル価格は高騰しているし、相手もプロである。
当然競争原理が働くなかでの交渉となるわけで、それなりの価格に落ち着く。
交渉の中で問題になったのが、滞納している固定資産税だ。
滞納額は、約850万円。
金融機関が「手残り◯◯億円」という条件を出してきた以上、
その他の経費は全てこちらの支払いとなる。
購入を決める以上、滞納額850万円はこちらが支払うことになる。
仕方がない。
この条件を飲むことにした。
交渉というのは、お互いに「仕方ないか」というラインで折り合うものなのだ。
売買価格が決まれば、話はトントン拍子に進む。
決済日をセッティングし、債権者の一人である横浜市役所に伝える。
役所の差し押さえを解除しないといけないからだ。
差し押さえを解除してもらうには、固定資産税の本税の他に延滞金も支払わねばならない。
延滞金は日割り計算のため、決済日がハッキリしないと延滞金額が出ないし、
決済の現場に役所の担当者に来てもらい、延滞金の支払いと同時に差し押さえを解除させるわけだ。
さて、着々と決済の準備が進む中で、司法書士から電話があった。
「登記簿を取ろうとしたんですが、登記中でそれが完了するまで取れないんですよ」
このタイミングで登記??
誰だぁ?
この期に及んで、所有者がゴチャゴチャやるとは思えないし、
他に何かやる輩でもいるのか?
まさか、、役所?
でも、役所が紳士協定を破るとも思えないし。
その「まさか」だった。
横浜市は、こちらの決済日を知り、大急ぎで追加分の差し押さえを打ってきたのだ。
甘かった。
ギリギリというのもどうかと思い、多少の余裕をみてという親切心がアダとなった。
追加の差し押さえ金額は、286万円とさらなる延滞金。
支払期限が数日しか過ぎていない平成28年度の4期分まで入れてきた。
滞納金850万円が、1145万円になったのだ。
マジかよ、こいつら。
こんな手を使うか?
税金を滞納したのは弊社ではない。
仮に、競売にしていたら役所は1円も取れなかった滞納税だ。
お互いに合意して話を進めていたのに、、ここに来ての差押さえ追加。
さすがに、一瞬萎えた。
でも、まあ、今さら文句を言っても始まらない。
よい勉強になった。
役所には決済の直前に知らせればよかったのだ。
でも、こんな案件はそうそうないんだけど。。
しかし、、毎日、なにか起きるんだよな。。
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