バリ島の不動産で大切なのは、後でトラブルになり、裁判になっても
絶対に勝てるような完璧なカタチの契約をすることである。
そうしておけば、外国人に不利なバリ島の裁判でも負けることはない。
売買契約の段階で、曖昧さがある契約をし、トラブルになった場合、
解決するために大切なのは、法的に争わず、バリ人の考え方を理解し、
「どうにか折り合いをつける」ということである。
日本人は不動産のトラブルがあると、理屈で考え、法的な解決を図ろうとするが、
バリ島では、失敗することが多い。
トラブルになっている時点で、契約の仕方にどこか不完全な部分がある。
不完全な契約でバリ人と裁判をすれば、外国人は100%勝てない。
契約内容が9割方こちらに分がある状態でも、裁判をすると負ける。
それがインドネシアという国なのだ。
そもそも、我々のような専門業者が立ち会って契約をしていれば、
完全な形で契約しているからトラブルにならない。
仮に裁判で勝てたとしても、すでにバリ人が他の誰かに不動産を売却し
お金を受け取った後だと、取り返すことは不可能だ。
それだけに、契約の段階でトラブルにならないよう行うことが大切になるわけだ。
とはいえ、現実にトラブルになってしまった場合、どうにか解決しないといけない。
そこでキモになるのは「いかに、裁判にしないか」なのだ。
日本人とバリ人では、考え方が違う。
そこを踏まえて、折り合いをつけていることが肝要だ。
彼らを攻略する上で大切なのは、その考え方を理解することだが、そのポイントは3つ。
・金銭感覚と覚悟
・国家法と慣習法と宗教法
・村社会と神様
それぞれについて、考えてみよう。
・金銭感覚と覚悟
知っての通り、バリ島でのインドネシア人の月給は3万円程度である。
日本人の月給のおよそ1/10だ。
日本人にとっての100万は、彼らからすれば1000万の感覚なのだ。
そこに、それだけの覚悟の違いが出る。
頭では分かっていても、この金銭感覚の違いを、肌感覚で分かる必要がある。
人によって金銭の感覚は違うものだが「1000万くらいで、そこまでやらないだろ」
という気持ちが、心の何処かにあると負ける。
彼らにとっては、1億の感覚であり、その覚悟なのだ。
単純なことで、誰でもアタマでは理解できることだが、ほとんどの人がここを修正できない。
小学生の時、お年玉でもらう1万円は大金だったし、高校生の時、麻雀で負けた千円は痛かった。
そういう感覚で、コトに望むということを忘れないでほしい。
・国家法と慣習法(アダット)と宗教法
インドネシアの法律は、分かりにくい。
その理由は、国家法と慣習法、宗教法が走っていて、折り合いをつけているからである。
日本は戦争によって、戦前の仕組みがなくなり、ゼロから新しくしたから、
法律といえば、国家法だけでスッキリしている。
しかし、インドネシアは違う。
法律と慣習が入り混じっていて分かりにくいし、スッキリいかないのだ。
特に土地の問題は、入り交じる。
まず、国家法がカバーしているのだが、裁判となると、
判事がその土地の慣習法が何であるかを認定した上で判断するのだ。
我々は、法律というと国家法しか頭にないから、それだけで判断しがちだが、
インドネシアの裁判は、そう簡単ではない。
現地にいる外国人の弁護士も慣習法的な考え方は、得意としていない。
トラブルになり、論理的に解決しようにも、バリ人が慣習法で考えているのに、
こちらが国家法で考えているという状況では折り合わないのである。
・村社会と神様
バリ島は、村社会が色濃く残っていて、彼らは基本的に争いごとを嫌う。
だから同じ村出身の人間で話すとまとまることが多い。
また、ヒンズー教における階級が残っていて、位が高いイダ・バグスの話には耳を傾ける。
そうした人間関係を大切にする彼らならではの解決が有効に働くことも多い。
さらに、彼らは信仰心が厚い。
その感覚は日本人には理解し難いが、悪いことをしたことで振りかかる災をひどく恐れる。
どんな災いかは内容によって違うから分からないが、そうしたことも折り合いを付ける上で大切だ。
バリ島の不動産トラブル②「解決のポイント」
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