少し気まずくなってしまった雰囲気。
「ヒナタ、俺の家来る?」
「行けへん。帰る…」
ってか、ここ何処?
なんて思っていたけど難波だったらしくて
彼氏の家に行ってもまた帰るの大変やし明日仕事やし…
なんて思いながら帰る準備をして部屋を出て
エレベーターに乗ろうとした時
チーン!
って軽快な音が鳴ったと同時に乗り込もうとして
うぅ…(゚Ω゚;)
開いた扉の向こうにいたのは…
ヒロシくんと楓さんです…。
どうよ、この偶然…。
超、気まずい…
ラブホで友達に会うって…
最悪やし…
微妙な空気感
「おはよ…」
なんて、引きつった顔で言った楓に半笑いで
「おはよ。」
そう答えると、この二人のいきさつまで思い出したのか
トモくんとヒロシくんは二人でヒソヒソと話し出し…
「ひーやん、家帰る?」
耳元で小声で聞いてきた楓に頷くと
「一緒に帰ろ…」
えーーーーー!
ラブホ出て友達と一緒に帰るなんて経験ないですけど…
「ヒナタ、タクシーで帰る?」
ラブホ出て聞いてきたトモくんに
「うん…。電車乗って帰るん面倒やし楓もいてるから
タクシーで帰る…」
そう言った私にタクシー代をくれて
「家着いたら電話する」
そう言ったトモくんとヒロシくんと別れタクシーに乗り込んだ瞬間
「ないわ~」
ため息交じりにそう呟いた楓に顔を向けると
「ラブホのエレベーターで友達と遭遇するなんて…
ないわ…」
確かに…
「っていうか、ヒロシくんと一緒にいてた方がないわ…」
半笑いでそう言った私に
「うぅ…っ」
ってうめき声が聞こえた(笑)
BARで意気投合し、そのまま流れるようにラブホに向かって
今に至ったらしく…。
それなりにいい感じになったらしいけど…
どうでもいいわ!
そんな事を少し恥じらいながら話す楓に
「そんなんどうでもいいねん!」
そう叫ぶと、楓よりタクシーのおっちゃんの方がビックリしてた(笑)
地元に戻りお互いの家の近くにあるファミレスの前でタクシーを降り
「あんた…。
トモくんにいらん事言ったやろ!」
「何?」
「男の話とか!」
「あ~ぁ。
ロッシーとセイくんの話しかしてないで!」
その二人の話してんじゃねぇよ!
セイくんというのは私が一番長く付き合っていた相手というか
10代半ばから20代半ばまでを費やし
結婚まで考えていた相手ですが…。
また、その話はいつか…。
「ひーやんがちゃんと真剣に付き合って
ハマってたのってその二人やし
一応、教えておこうかな~って」
一応、教えておかなくて結構です…。
っていうか、真剣に付き合ってハマってたって
人聞き悪くない?
人をチャラいみたいに…。
呆れて反論もせずにいると
「何で?トモくんに何か言われた?」
「興味出たって…」
「ハハハ!」
ハハハじゃねぇよ!
「で?教えたん?」
「教えてないよ!
全部聞く覚悟あるなら教えるけどって言ったら
ちょっと考えるって」
「ふ~ん…。上手く逃げたな…。
どうせ全部言う気ないくせに…。
全部話したらトモくんショックで別れようっていうかもよ!」
何に対してショックやねん…
って、睨むように見ていると
「だって…
セイくんと付き合ってた時と今じゃ
キャラ違うし、あんな風に男の人と付き合ってたんやって
知ったら驚くやろ?」
確かに、、、
従順で控えめだったような気もしますが…
「軽く話したら、俺の知ってるヒナタじゃない!って驚いてたし」
軽く話してんじゃねぇよ!
そんな、おバカな楓とは適当に話を済ませ家へと戻りました。