オワリとキクリンが付き合っていたことなんて
この場にいてるほとんどの人が知っている状況で
何とも恐ろしい発言をした部長…。
けど、相手が部長なだけに誰もキツく突っ込む事ができず…。
どうするんだよ、この空気…
「もう、部長!
本人目の前にいるのに、失礼ですよ!」
可愛い感じの声でその場のフォローをするように
そう言ったキクリンに、より一層その場の空気が凍りつく…。
帰りたい…
帰ろうよ…
帰れないの?
帰らせてよ…
「とりあえず、時間なんでこの店はそろそろ…」
ナイスだぞ、お前!
なんて、幹事をさせられてた営業の男の子がそう言った言葉で
その場の皆が安堵のため息を一斉にこぼした。
「とりあえず、二次会はカラオケなんでー!」
そう言ってるその言葉を聞きながら
ゆきちゃんといそいそと帰る準備をしていると
「ひーやんは、強制的に二次会参加してもらいます~!」
はい、キクリンからご指名頂きました。
私の命は今日まででしょうか…。
「ついでに、ゆきちゃんも強制でーす!」
ゆきちゃん、
一緒に心中しよう…。
そして、空気の読めない部長は
「俺、明日の朝会議やから先に帰るでー!」
いやいや、私たちもその会議に出るんですけど…。
自分の失態に気付きそそくさと帰って行った部長の背中を
呪うようにゆきちゃんと二人見つめ続けた。
『もっとハゲろ…。今以上にハゲろ…。
耳から上、全部ハゲてしまえ!!』
歌う気なんて失せるくらいのテンションで
カラオケへと強制的に参加させられた私たち。
もちろん、オワリくんも女の子達にヤマちゃんとご一緒に
引きずられて来ております。
特に会話することもなく、何故強制的に参加させられているのかも
不明なまま若者たちの歌を聞いてて…。
奥の方に座った私とゆきちゃん。
ちょっと離れた所にヤマちゃんとオワリくんが
女の子達に囲まれるように座ってて
それを挟むようにキクリンが私をじっと見つめてる視線だけが
ひしひしと伝わってきております。
そして…
「キクタさん、何か歌って下さいよ!」
営業の若い子が酔ってキクリンに絡みだし
「私、歌下手やで~」
「大丈夫っすよ!
それに、今日は主役なんすから!」
彼に乗せられつつも、完全に乗り気のキクリン。
そして、選曲中…。
「ふふっ…」
そんな感じの声がかすかに聞こえ、チラっと見られて
「これにする!」
めっちゃ、こっち見てるよ…。
なんか、背中がゾクっとした…。
そして、送信…。