Q34)「頻出英文法語法1000」からです。4択問題です。
The question ( ) at today's meeting is whether we should postpone the plan till next month.
① discussing ② is discussed ③ to be discussed ④ to be discussing(センター試験)
もちろん答えは③ to be discussedであり、解説には不定詞の形容詞用法で主格関係と説明があります。ただ、解説は次のように続きます。
また、目的格関係の不定詞を、受動態にしても、ほぼ文意は変わらない場合が多い。
There are some books to read[to be read].
本問はその形。したがって、選択肢にto discussがあれば、それも正答となる。
はたして、次の二文は同じ意味なのでしょうか?
(a) The question to be discussed at today's meeting is whether we should postpone the plan till next month.
(b)The question to discuss at today's meeting is whether we should postpone the plan till next month.
A34)まず、不定詞の形容詞用法の整理をしましょう。「現代英文法講義」(安藤貞夫著)(開拓社)の208ページにこうあります。
to不定詞は、名詞のあとに置かれて、その名詞句を修飾する。生成文法では、不定詞関係詞節(infinitival relative clause)と呼ばれる。次の五つのタイプが認められる。
14.2.1 先行詞がto不定詞の主語の場合
The man to help you (= who can help you) is John.
(あなたを助けてくれる人は、ジョンです)
名詞句は、しばしば最上級、および、その類語first, last, nextに修飾されている。
She's the youngest person ever to swim(= who has ever swum) the Channel.
彼女は、イギリス海峡を泳ぎ渡った一番若い人だ。
14.2.2 先行詞がto不定詞の目的語の場合
遡及的不定詞(retroactive infinitive)と呼ばれる用法で、常に「…するべき」という法的(modal)な意味を表す。
There are many difficulties to overcome(=which we must overcome).
乗り越えなければならない障害がたくさんある。
14.2.3 名詞句がto不定詞に含まれる前置詞の目的語である場合
Mary needs a friend to play with.
メアリーには遊び友達が必要だ。
14.2.4 to不定詞が関係副詞節の働きをしている場合
The time to go/ at which to go (=when/ at which you should go) is 9:30.
出発時刻は9時半だ。
14.2.5 to不定詞が先行詞と同格的に働く場合
I have orders to go(= that I should go).
私は、行けという命令をうけている。
次に、「英語の語法研究・十章」(渡辺登士著)(大修館)の180ページに、こうあります。
名詞類に不定詞が直接的に続行するとき、「不定詞の形容詞用法」と呼ばれるものに次の3種が認められる。
(a)関係詞で表現すれば主格の関係代名詞となる場合
(b) 関係詞で表現すれば目的格の関係代名詞となる場合
(c) 関係詞で表現すれば「前置詞+関係代名詞」または関係副詞となる場合
そして、181ページには、上記の(a)(b)のタイプに対してこう書いてあります。
したがって、われわれ英語に対する外国人がこの種の形容詞的不定詞を模倣し使用することに大きな障害はない。ただし、
in days to come(= that are to come)/ have no children to succeed(= who can succeed)/anything to drink (= that you should drink)
などのように、「…するはずの、することのできる、すべき」などと未然の動作・状態を表すのが通例である。ただ、(a)の文の中には、文脈によって主動詞と同時またはそれ以前の過去を示し、「…した」の意となる不定詞がある。
I was told that the last person to see the mirror was the Emperor Meiji in 1869. He was the first emperor to worship the Ise.
その鏡をご覧になった最後の方は明治天皇であると教えられた。天皇として最初に伊勢を参拝されたのも明治天皇であった
私の経験を踏まえて、この二冊をまとめると、以下のようになります。
<仮説1>to不定詞の形容詞用法で先行詞がto不定詞の主語の場合は、「名詞句が、最上級、および、その類語first, last, nextに修飾されている」ことが圧倒的に多い。この場合は、「…するはず、することのできる、すべき」の意味は通例ない。また、主動詞と同時またはそれ以前の過去を示す。
She's the youngest person ever to swim(= who has ever swum) the Channel.
He was the first emperor to worship the Ise(= who worshiped the Ise).
<仮説2>それ以外のto不定詞の形容詞用法で先行詞がto不定詞の主語の場合は、「…するはず、することのできる、すべき」の意味を伴う。つまり、関係代名詞+will/can/ should /mustの意味を表す。その理由は、to不定詞の前に関係代名詞+be動詞を補ってみるとよい。そのときbe+to不定詞が文脈で予定や可能や義務を表すと考えるとつじつまが合う。
The man to help you(= who is to[can] help you) is John.
He had no friends to help him(= who was to[would ] help him).
I am looking for an American to teach(= who is to[will] teach) me English.
<仮説3>to不定詞の形容詞用法で、名詞句がto不定詞の目的語の場合や名詞句がto不定詞に含まれる前置詞の目的語である場合は、必ず「…するはず、することのできる、すべき」の意味を伴う。つまり、関係代名詞+文の主語[一般の人]+will/can/ should /mustの意味を表す。その理由は、to不定詞の前に関係代名詞+文の主語[一般の人]+be動詞を補ってみるとよい。そのときbe+to不定詞が文脈で予定や可能や義務を表すと考えるとつじつまが合う。
He had no friends to help (= whom he was to[had to] help).
She is not a person to rely on (= on whom one is to [can] rely).
さて、ここで質問文に戻ります。
(a) The question to be discussed at today's meeting is whether we should postpone the plan till next month.
(b)The question to discuss at today's meeting is whether we should postpone the plan till next month.
ps. なお、「再びto不定詞の形容詞用法」も読んでください。
- 現代英文法講義/安藤 貞雄
- ¥6,930
- Amazon.co.jp
- 英語の語法研究・十章―実例に基づく英語語法の実証的観察/渡辺 登士
- ¥2,518
- Amazon.co.jp