デビュー前の吉田聡先生③ | STATIONS OF THE 暮らす。

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しがない新中年の何も起こらない日々

デビュー前の吉田聡先生を知るうえで一級の資料としても必読の『七月の骨』。湘南に暮らす時田サトシ青年が漫画家を志し、デビューするまでを描いた“自伝風味漫画”である。

そこに登場する同じく青春の岐路に立つ友人たち。

「登場人物の大半は創作です」と最終巻のあとがきにあるが「実在の人物にも登場願いました」ともある。

この作品を読んでから『湘南爆走族』を初めから読んでみると色々と気づくコマがある。



“マルヒロ”“MARUHIRO”とはモリヒロのモデルとなった友人。手伝いに来た際に描いたコマだろうか。

“SHINJI”とはシンタローのモデルとなった友人のことだろう。沖縄に渡ったベーシストのシンジ氏については少年KINGの目次コメントでエールを送っていたり、86年の少年KING増刊号のエッセイでも触れられている。

(余談:湘南爆走族 桜井信二の名前の元ネタと推測…)

 

『七月の骨』を読むとやはり自分の青春時代と地元の仲間を思い出す。もっとも作中の彼らの様にみんな何かに向かっていたかといえばそんなことはなかったが…今思えばただただもがいてたような…あがくでもないもがき。その息詰まるような苦しげな感覚は『七月の骨』にも共通して流れている。懐かしき青春のもがきだ。