こんにちは。
ARTの保険適用の続きです
前回の記載で一部わかりにくい部分(顕微授精と体外受精の併用の点数について)がありましたので文章を追加して編集しました。
もし、となっていた方…すみませんがもう一度読んでみてください
前回は ①卵巣刺激 ②採卵・授精 ③受精卵・胚培養 までの保険点数について書いてきました。
その後は
④胚凍結保存 ⑤胚移植と続きます。
④胚凍結保存については必要な方と、不要で新鮮胚移植へ進む方がいらっしゃいます。
となった場合は…
ブログの『記事一覧』から
『よく受ける質問シリーズ③ 移植について…その①凍結胚と新鮮胚』
を読み返していただくと詳しく説明していますので、ご理解していただけると思います
④胚凍結保存(胚を一旦凍結します)
胚凍結1個 5000点、2~5個 7000点、6~9個 10200点、10個以上 13000点
と決まっています。(あくまで2022年4月現在です。これについては今後変更される可能性高いです。)
ここで注意が必要です
それぞれの施設により胚凍結保存のルールがあります。
当院では、移植4回分(クライオトップ4本最大8個)までと決めています。
クライオトップというデバイスに胚を1個か2個載せて凍結します。
というのは…
今回の保険適用では胚移植回数に制限があります。
40歳未満は6回まで、40~42歳までは3回まで…
良好な胚を移植することで保険適用範囲内で妊娠していただきたい…
当院では、凍結融解に適した胚かどうかをグレードやスピードなどで判断して凍結保存しています。
グレードが低く、凍結・融解に弱そうな胚を凍結するより、
もう一度採卵してグレードの良好な胚を凍結・移植した方が、保険適用の6回(3回)以内に妊娠に繋がると考えるからです。
幸い、採卵回数に保険適用の制限はありません。
凍結胚をすべて移植してしまい移植可能胚がない場合にはもう一度採卵が可能です
しかし、凍結保存胚があるのに採卵をすることは原則出来ません
(※原則でない場合とは…子宮筋腫の手術をしたので半年間は妊娠出来ない。それまでに胚を移植6回分まで凍結する必要があるなど…医師の判断で採卵は可能です。)
ARTの保険適用の大原則は、『子供を望む夫婦が妊娠するために保険適用で採卵して保険適用で胚を移植する』なのです。
唯一認められているのが、2022年3月以前に凍結保存した凍結胚を融解して移植する場合は保険適用可能ということとなります。
凍結保存胚があるのにもう一度採卵し直したい…は原則できません。
あともう一つ…
凍結保存維持管理料というのが年に1回、3年を限度に保険適用可能となっています。
ただ『妊娠等により治療を中断されている場合は患家の負担とする』
という一文があります。
1年以上凍結保存されている方のほとんどは妊娠・出産により治療を中断されている場合なので、凍結保存維持管理料はほとんどの方が保険算定不可…ということになります
今回は少し複雑でわかりにくかったと思います。
文章で説明ってむずかしい…
わからない場合はこのブログで質問してみてくださいね。
次回は胚移植について書く予定です。