ITニュースのページを開いて、目を疑いました。
ニュース一覧の8項目中、なんと6項目が不正アクセスや情報漏洩に関するニュースで埋め尽くされていたのです。
記事の見出しを並べるだけでも恐ろしくなります。
旭化成子会社 55万人分情報流出か
シチズン 約10万人分情報漏えいか
MrMax 最大173万人分情報流出
焼肉きんぐ 1078万人分情報流出
1000万人を超える規模の流出まで起きています。
さらに「国内不正アクセス 過去最多ペース」「なぜ不正アクセス急増」という見出しまで並んでいます。
もはや「たまに起きる事件」ではありません。日常茶飯事どころか、完全に尋常ではない異常事態です。
そんな中、古川デジタル相が会見で放った言葉を目にして、さらに頭を抱えてしまいました。
「自分の情報は自分で守るという意識を持って」
いやいや、今それを言う?
確かに、個人のセキュリティ意識を高めること(パスワードの使い回しをやめる、多要素認証を使うなど)自体は間違っていません。
ですが、今起きている問題の質はまったく異なります。
今回問題になっているのは、個人が騙されたりフィッシング詐欺に引っかかったりした話ではなく、「企業のサーバーやシステムへの不正アクセス」の問題です。
利用する側がどれだけ堅牢なパスワードを設定し、日頃から注意を払って自衛していたとしても、データを預けた先の企業側がサイバー攻撃を受け、データベースごと情報を丸ごと抜かれてしまっては、個人には防ぎようがありません。
焼肉を食べに行ったり、時計を買ったり、ネットショッピングをしただけで、1000万人単位のデータが外部に流出してしまう社会で、「自分の情報は自分で守れ」と言われても、国民からすれば「じゃあ、私たちはどうすればいいのですか?」となるのは当たり前です。
企業のセキュリティ不備や不正アクセスがこれだけ頻発し、社会問題化しているのですから、今政治や大臣が真っ先に言及すべきは「企業側のセキュリティ対策の強化」や「国としての厳格な罰則・指導体制の構築」ではないでしょうか。
かつて「常に従業員や秘書に指示してやっているので、自分でパソコンを打つことはない」と語って物議を醸したサイバーセキュリティ担当の大臣がいました。USBの存在すら知らなかった。
今回のデジタル相の発言を聞いていると、現場のセキュリティの仕組みや、国民が置かれている無力さをどれだけ理解されているのか、不安にならざるを得ません。
私たちが企業に個人情報を預けなければ、現代社会でサービスを受けることすらできません。
だからこそ、安心してデータを預けられる社会環境や法的枠組みを整えることこそが、政治の役割のはずです。
責任を国民個人に転嫁するような発言で片付けるのではなく、企業と国が一体となって根本的なセキュリティ対策に乗り出す姿勢を作ってほしいと、強く感じます。
