これは扶抑ではなく調候の話である。
よく似た二つの命式を比較してみる。
どちらも実在の人物で既に亡くなっている。
1.
戊庚丙甲
寅辰子申
この命は寒い。
幸い天干に木火が透り、ともに時支に通根する。
この時支が年支と冲になっているのも絶妙である。
これを「得気之寒、遇暖而発」という。
木火を喜び金水を忌む。
寒いから暖が必要、普通の調候の考え方である。
2.
甲庚丙己
申辰子酉
この命も寒い。
上の例と同様に天干に木火が透る。
しかし通根すべき支がない。
より正確には木は辰中に余気乙があるが火は虚浮である。
これを「寒甚而暖無気、反以無暖為美」といい、木火を忌み金水を喜ぶ。
実際の人生も壬申、癸酉運は好調で、庚午運の甲寅歳に亡くなっている。
夏だから、暑いから、火が強いから水
冬だから、寒いから、水が強いから火
という調候もどきのおとぎ話から早く脱却されることを切望する。
「寒極暖之機、暖極寒之兆」
四柱推命必須原典のこの言葉、見覚えはありますか?