以前から興味のあった「ワラーチ」。
例のごとく、アレコレ考え、悩み、調べ……
を繰り返した末、ついにワラーチデビューしました。
今回は、なぜワラーチを履いてみようと思ったのか、購入までにアレコレ悩んだこと、そして実際に数回走ってみた感想を綴ってみたいと思います。
そもそも、ワラーチとは?
ワラーチをご存じの方も多いと思いますし、検索すれば詳しい情報がいくらでも出てくるので、ここでは簡単に。
一言でいえば、
「薄いゴムのソールと紐だけでできたサンダル」
これでランニングをすると何がいいのかというと、
- フォームがきれいになる
- フォアフットや真下着地が身につく
- 普段使っていない筋肉に刺激が入る
- 足本来の機能を取り戻せる
- ケガをしにくい身体になる
…などなど、いろいろなメリットが語られています。
シューズのクッションやガイド機能に頼らず、足本来の機能を使って走ることで、眠っていた能力を呼び覚ます。
要するに、
「大昔に裸足で走っていた原始人はタフだった。シューズに守られている現代人は弱っちい。だったら原始人に戻ろう!」
ということなのだと思います。
……たぶん。
なぜワラーチを履いてみようと思ったのか
そもそも私は、ランニングシューズをかなり長く使うタイプです。
ミッドソールが見えてくるまで一つのシューズを履き続けることも珍しくありません。
つまり私にとっては、
「クッションの死んだシューズで走る」
こと自体は、わりと日常。
むしろ、
「普段からシューズのクッションの恩恵はあまり受けていないほうだ」
という、よく分からない自負すらあります。
実際、そんなヘタったシューズで距離を踏み続けながら、少しずつタイムも伸ばしてきました。
そのため以前から、
「どんなに優れた最新シューズを履いても、結局タイムを生み出すのは自分の足だ」
という、格言めいた想いを持っています。
そんな私がワラーチを意識するようになった、ある出来事がありました。
フルマラソンでサンダルランナーに抜かれた
あるフルマラソンで、サンダルで走っている女性を見かけました。
しかも、ただサンダルを履いているだけではありません。
頭には被り物までしている強者ランナー。
「いろんな人がいるなぁ」
くらいに思っていたのですが、レースも30kmが近づき、こちらがどんどん苦しくなってきたころ、その女性に抜かれました。
しかも、颯爽と。
こちらがヘロヘロになっている横を、手を広げながらスーッと抜いていくサンダルランナー。
「サンダルで負けた……」
という衝撃。
後日、ALLSPORTSでレース写真を見ていると、ちょうどその場面が撮影されていました。
死にそうな顔で走る私の横を、手を広げて颯爽と抜いていくワラーチの女性。
それが、あのときのランナーでした。
それまでも、ハーフマラソンなどでサンダルで走っている人を見かけたことはあります。
でも正直、
「世の中には変わった人もいるものだ」
くらいにしか思っていませんでした。
ところが、自分がフルマラソンの後半でサンダルランナーに抜かれたことで、俄然気になってきました。
「そもそも、あのサンダルは何なんだ?」
そこから調べ始めたのが、ワラーチとの出会いです。
調べてみると、先ほど書いたように、ワラーチで走ることのメリットがいろいろ出てきます。
一方で、気になることもありました。
トップランナーがワラーチでレースを走る姿は、ほとんど見かけません。
練習に取り入れているという話も、それほど多くありません。
「脚が強くなってケガをしにくくなる」
という話がある一方で、
「そもそも、ワラーチで走ることで逆にケガをする可能性はないのか?」
とも思えてきます。
良いのか悪いのか。
効くのか危険なのか。
これは実際に自分で試してみるしかない。
ということで、ついに購入しました。
いよいよワラーチで走ってみた
そして、ワラーチを履いて初めて走ったときの感想。
まず一番に思ったのが、
「地面がダイレクトって聞いていたけど、こういうことかー」
でした。
本当にダイレクト。
特に母指球あたりに「ズキン」とくる感覚があります。
固いアスファルトの衝撃が、ほとんどそのまま足に伝わってくる。
れは……
「相当集中して着地しないと、普通にケガするぞ」
と思わせるものでした。
シューズを履いているときのように、多少雑に着地してもクッションが受け止めてくれる感じはありません。
一歩一歩、
「ここに着地して…」
「土踏まずあたりまで使って受け流して…」
「そこからフォア側を使って前へ…」
というように、足の動きを意識しながら走る必要があります。
まさに、足そのものを使って走る感覚です。
そして走り終わってみると、案の定、母指球あたりがズキズキ。
「これは、いきなり長距離を走るものではないな」
と思いました。
翌日には、ハムストリングあたりにも張りがあるような感覚。
これはこれで、
「確かに普段とは違うところを使っているな」
という実感がありました。
ところが、2回目は意外と…
そんな感じで、かなり慎重になったファーストラン。
ところが、2回目に走ってみると、意外にもそれほどズキズキする感じはありません。
一歩一歩、着地を慎重に考えながら走る感覚も、どんどん薄れていきます。
「あれ? 思ったより早く慣れるんじゃない?」
そう思い始めたところで、事件発生。
走っているときに、ワラーチのソールの先端をアスファルトに引っ掛けてしまいました。
危うく転倒。
いや、転倒しなかったとしても、ワラーチが破損していたかもしれません。
シューズなら何ともないような小さなミスでも、ワラーチではそのまま転倒につながる。
このあたりも、ワラーチならではなのかもしれません。
少しずつ距離を伸ばしてみる
3回目以降は、
3km → 4km → 5km
と、少しずつ距離を伸ばしていきました。
走るたびに少しずつ慣れてきて、着地を意識することも、それほど苦ではなくなってきました。
「これは意外といけるな」
そう思い始め、
「10kmを目指して、行けるところまで行ってみよう」
と走ってみることに。
ところが、ここでまたワラーチの洗礼を受けます。
着地そのものにはかなり慣れてきたのですが、今度は別の問題。
足裏にマメができました。
ワラーチは、ソールと紐だけ。
当たり前ですが、普通のランニングシューズのように足全体を包んでくれるわけではありません。
8kmほど走ったところで、足裏の数か所にできたマメが痛み始め、そこで終了。
「10kmいけるかな?」
と思っていたところで、あえなくストップとなりました。
やはり、いきなり距離を伸ばすのは難しい。
それを身をもって思い知らされました。
ワラーチ、思っていた以上に奥が深い
数回走っただけですが、すでに感じることはいろいろあります。
「裸足感覚で走る」と聞いていましたが、実際に履いてみると、それ以上に自分の足で走ることを強制される道具という印象です。
「これを履いて長距離を走れば走るほど脚が強くなる!」
と思える一方で、単純に考えるのも危険そう。
着地の仕方も、足の使い方も、普段のシューズとはかなり違う。
ちょっとした油断がそのまま足へのダメージになって返ってきます。
まずは短い距離から。
足裏やふくらはぎ、ハムなどの状態を確認しながら、少しずつ距離を伸ばしていく。
今のところは、そんな付き合い方が良さそうです。
さて、このワラーチ。
果たして「強い脚」を手に入れることはできるのか・・・
私の脚は本当に「原始人」に近づいていくのか。
もう少し走り込んでみたいと思います。

