こんにちは。
岡田です。

 
今回は、椎間関節性の腰痛についてお伝えします。
簡単にいえば、背骨の痛みのことです。


背骨は頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個で、
背骨をつないでいるのが椎間板と椎間関節です。

背骨のつながりは、
この2つの関節で成り立っています。
(椎間関節は左右に分かれているので3つかも)


背骨をつなぐ、大きな関節が椎間板、
上下の椎体の間にあります。

これはクッションの役目をして
直接、体重を受けている関節です。


椎間板が破れて中の髄核が飛び出す、
椎間板ヘルニアは有名ですね。


もう一つの小さいほうの関節が、
椎間関節で上下の背骨を連結し、
コントロールするための関節です。




では、なぜ痛みが出るのでしょうか?


この椎間関節が潤滑不全といって、
つながりが悪い状態におちいると、

潤滑が悪くなっている椎間関節の周りの筋肉が、
関節を守るために防御反応として硬くなり、
無理やり安静にさせているわけです。

こんな感じで背骨まわりに痛みが出ます。


この痛みは、
椎間関節のコントロール機能が、
うまくいかないという信号でもあります。


筋・筋膜性腰痛といわれる痛みの大半は、

じつは、筋肉を傷めているのではなく、

椎間関節のつながりが悪くなって起こります。
 
 
もちろん、
筋肉や靭帯を痛めて起こることもありますが、
ケガですから筋肉の腫れや圧痛がハッキリしています。

いつ、何をして、痛みが出たのかは、
転んだことも覚えていない泥酔者は別として、

ふつうは本人が覚えていますね。


もうひとつ似たような痛みとして、

内臓からの関連痛というのがありますが、
また、別の機会に説明します。



このように、
たいていの身に覚えのない背中の痛みは、
この椎間関節性の痛みというのが実態です。
 


では、なぜ椎間関節性の腰痛は、
筋肉や筋膜のケガと間違われるのでしょうか?


この椎間関節は、
筋肉とともに背骨を最適にコントロールする
という点が重要なポイント。


それは、椎間板に比べ小さな関節で、
直接体重を支えているわけでもないので、
軽く見られているのです。

また、
X線やMRIなどでも読み取りにくく、
無視されているといってもよいでしょう。
 

これらの理由が盲点となり、

直感的に理解しやすい
筋肉や筋膜のせいにされてしまっています。


痛む場所にこだわるあまり、
痛みの原因を勘違いしてしまうと、
治療法は的はずれなものとなります。

たとえば、
湿布を貼り安静にするだけであったり、
マッサージや温熱を加えるという具合です。


実際の臨床で観察していると、
筋肉や筋膜の炎症が原因の腰痛は、
意外に少ないです。

ぎっくり腰でいえば、
一割もないのではないでしょうか。
ほとんどは骨盤か椎間関節のトラブルです。


確かに筋肉が張って腰痛になることは多いですし、
筋肉疲労でパンパンになり痛むこともあります。

しかし「筋肉を痛めて腰痛を起こす」ことは少なく、
「筋肉疲労で張っている」という、
肩こりと同じような筋肉のこりにすぎません。

これなら、マッサージでよくなります。


しかし、椎間関節性の場合は、
マッサージでは全く効果が出ないのです。


つづく。

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