2017年 上半期映画総評その1:アンチ映画評洋画編 |  書店員バツ丸の気ままにエンタメ

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今回から各賞の「候補作」の発表を行っていきます。今回は洋画編。




☆最低劣作品賞候補作

・ノックアウト
・ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命
・パトリオット デイ

一応3作ノミネートであるが、実質10点を献上した「ノックアウト」が今年の大賞だと言ってよい。というか、語る時間すら惜しい駄作中の駄作たる今作以上にダメな作品など観たくない。

如何にも良さそうなジャケ写と売り文句に完全に騙された。ここまで酷いアクション映画は殆ど例がない。アクション映画の本質を理解していない、どころの騒ぎではなく、映画作りに関わってはいけないレベル。レンタルでの鑑賞であるが返金を要求したいくらい。これ、スクリーンで観たとしたら、配給会社にクレーム入れたいという衝動を抑えられなかったことだろう。


残り2作は共に「実在の人物・事象」を取り扱った「ノンフィクション」的作品。

昨年の映画総評にも書いたけれど、ハリウッドにおけるこの手の作品の質が著しく低い。題材そのものは決してあかん、と言うわけではないのだが、結局の所をそれを通して「どうしたいのか」「何を訴えたいのか」という部分での魅力や面白さに全く欠ける。

だったら、日本の各局でやっている再現バラエティーの方が遥かに面白いし、出来も良い。

とにかく観ていて退屈。

特に、何でこういう事件が起きてしまうかに対する理解や反省なしに、「愛」だの「正義」だのと「アメリカ万歳」「アメリカ市民は悪に屈しない」を大仰に押し付ける「パトリオットデイ」は文字通りのオナニー作品。「ジャッキー」もナタリー・ポートマンの美貌と演技以外に観るべき点はなし。

率直に言ってこういう作品を大手シネコンで配給する関係者の考えが理解不能。ミニシアターで好き者対象にひっそりと上映していればいいだけ。日本人相手に見せるには、内容も出来もお粗末すぎる。いや、出来うんぬんではなく、作品に通底する思想的なものに気持ち悪さや違和感がある。悪いがこの作品を観て喜ぶ日本人が全く想像つかない。

年末の総評で大いに語ることになろうが、アメリカの「ノンフィクション」的作品の質の低さは本当に救いがたく、嘆かわしい。



「最低劣主演女優賞」「最低劣主演男優賞」「最低劣助演女優賞」「最低劣助演男優賞」各候補

該当なし

上半期に関しては、「ワイルドスピード」と「イップマン」以外に「いい意味」で取り立てて評価や論評に値する作品がなかった。


☆期待はずれでしたで賞候補作

・La La Land

巷では高い評価も多々見受けられるが、私的がっかり作品はこれ。「セッション」の出来が良かった&個人的にミュージカルが苦手、という点を差し引いてもその点は拭えない。

やはり、いちいち何かをするたびに「歌う」「踊る」という点での不自然さにどうしても気持ち悪さしか感じないし、散々紆余曲折を経た挙句のあのオチもどうかと思う。

音楽やミュージカルそのものの出来は確かに良かった。が、あれだけ「アカデミー賞」で各賞候補作として多くノミネートされたことは、甚だ理解しがたい。


次回は邦画編。