G1もいよいよ大詰め!
優勝決定戦も気になるが、モット気になるのが…
棚橋×柴田
である。
棚橋×柴田と言えば、思い出されるのは2006年1月4日の東京ドーム。
崔領二×山本尚史の因縁対決があったり、金本×大谷、バーナード初来日の半泣き試合、永田×村上の鉄板試合、メインにはブロック・レスナーの初防衛戦相手に中邑が挑戦するという、その他も含め、なんだかんだ豪華なカードが揃っていた。
そんな中で組まれた棚橋×柴田。
棚橋は打倒レスナーを掲げ、賛否両論ある中で、新日本で「プロレス」をしていた。
対する柴田は新日本を退団して一年、ノアに参戦して間もない時期だった。
~話は少し飛ぶが、この試合の1年前、柴田退団の報を聞いた棚橋はまず最初にこう答えた。
「敵対構造抜きにして、生の感情が沸いてきた。それは寂しさなのかもしれない」(うろ覚え)
それ以前の二人は、敵対関係にありながらも、中々うまくいかない新日本を内側から盛り上げようとしていた。
今思えば、オモチャのナイフで棚橋をおちょくったりしていたのも、信頼あってのものかも知れないし、「ネタにしちゃえよ」という柴田のメッセージだったのかも知れない…というのは考えすぎだろうか~
そんなこんなで急に決まった当時の試合。
誰もが時期尚早と思っていたし、これといったテーマも無かった。
本人たちもそう思っていたと思う。
ちゃんとドームを盛り上げようとしていた棚橋に対し、柴田は終始ノーコメントを貫いた。
試合では棚橋がただただ蹴られ、一方的に負けた。
深くは語らないが、「負けさせられた」のだなと。
名勝負を期待していたファンはスカされたのだ(賛否両論ですが)。
様々な不満を胸に、感情を押し殺して非情な蹴りを放つ柴田。
それを「来いよ!来いよ!」と全て受ける棚橋。
柴田のやるせない感情、うまくいかない新日本、ファンの不満、その全てに対して、棚橋が「来いよ!」と受け止めているように見えて、たまらなくグッときた。
そして、勝ち負け関係なく、なんだか悔しかった。
試合後は共にノーコメント。
地方でリベンジマッチが組まれるも、柴田(というよりBML)はドタキャン。
その後、二人が交わることはなかった。
先日の「G1夏祭り」でのこと。
棚橋選手にサインをもらう際、このことについてふれた。
寸前までは「久々に金華山ジャーマン見たいっす」くらいしか思い浮かばなかったのに、いざ棚橋選手を目の前にし、この言葉が出た。
~以下、棚橋選手とのやりとり~
K「以前の柴田戦、非常に悔しい思いをしました」
棚「いつの試合?ドーム?」
K「はい、2006年のドームです」
棚「あぁ、俺が一方的にやられちゃったやつかー」
棚橋選手…しばし考え込む。
棚「ヨシ!大丈夫!まかしといて!」
ガシッ!と握手
K「期待してます!」
棚「おう!見ててね!長く見てくれてありがとう!」
たったこれだけのやりとりでしたが、胸に閊えていた何かが少しだけ取れたような気がしました。
棚橋選手が「一方的にやられちゃったやつかー」と言った際、「それは違いますよ!」と、思いのたけが爆発しそうになりましたが、それを「まかしといて」という言葉で打ち消してくれました。
悔しかったのは勝ち負けというより、その背景と内容。
それはきっとわかってくれていたのではないかと思います。
後藤が欠場してしまい、次に目を向ける先が定まってきているであろう柴田。
ベルトの無い、フラットな状態の棚橋。
そして棚橋の辛辣なコメントは名勝負の前振り!
時は来た!
それだけだ!
※殴り書きですみませんです。