この写真のチワワくんを一週間預かった。
飼い主さんが旅行のため、と言っても息子の結婚式のため海外に行くのであり、決して自分の楽しみのための旅行に置いていくんじゃありません。
ウチはバディを昨年夏になくして以来、もうわんこは飼いませんし預かりもしません、と言ってたけど、このコだけは別。
なぜかというと、このコは多頭飼いの家からレスキューされた保護犬で、ウチで里親さんが見つかるまで、一時預かりをしていたコだから。
多頭飼いのその家では、このチワワくんがいちばんの小型犬で、他にもいろんな犬種の犬たちがいた。
で、ほったらかしで躾も何もあったもんじゃなく、犬たちは座卓の上をも平気で歩き回る状態だったそう。
そんな家だから、もちろんご飯も大皿に適当に盛るだけで、みんなで一斉に群がって食べていたと推測される。
一番不利だったよね、きっと。
そんなコを預かることになり、里親先を探して友だちに声をかけたところ、家族にしたい、と無事友人宅に貰われていった。
仮にこのコの名をCくんとしよう。
Cくんを預かるにあたり、トリセツがついてきた。排泄、散歩、食事、アレルギー、寝床などなど。
そしてトリセツにはこう書いてあった。
Cも今年5月に14歳になります。
シニア犬を一週間も預かってくださって本当に感謝しています。見た目は王子様ですが、だんだん頑固ジジの面もでてきました。が、Cにとっても安心できるお家なので、私も安心です。何か粗相があっても、可愛いから許してね。
全く親バカである(笑)
私もバディがいた頃はそうだったな、と懐かしく思い出す。久しぶりにCくんと散歩をして、見知らぬ人から「可愛い犬ですね」と話しかけられた。
寝っ転がってると、お腹の上に乗ろうとする。
なかなか食事を食べない。で食い意地が張ってないようだったが、ウチの人が牛肉をミディアムレアで焼いて細かく切って与えると、即完食だった。(ほんとは友人から預かったフード以外食べさせないで、と言われていたが、即座にダイエーで牛肉を買ってきたウチのヒトである)
そんな様子に目を細めた一週間だった。
Cくんが帰ってしまい、また二人だけの、人間だけの生活になった。
そうだ、こんな暮らしが普通になってたんだ、これが今の私たちの日常だった、バディがいなくなってから。
Cくんはずっと友人のそばにいた。二人の息子が結婚や就職で家を離れ、ご主人はシニアながら単身赴任が決まり、彼女は一人暮らし。
みんなが家から出て行ったあとも、このコがそばにいてくれた、と彼女は言った。
Cくん、いつでもうちに遊びにきていいよ。
それからお願いだから、長生きして。
友だちに少しでも長く寄り添ってあげて。
そんなことを思いながら、旅先から戻った友人にCくんを手渡した。