おう。お疲れ。俺だ。出し惜しみなしだ。一気にいくぞ。【最強の食べ方】マクロ管理法完全解説 前編からチェックしてくれ。
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ダメとは言わない。
牛丼やラーメンの「現実」を見つめよう
まずはマクロ管理法の概念をおおまかに理解してもらうために、みなさんが普段慣れ親しんでいる食事のマクロ栄養素を見ていこう。
たとえば、日本人の大好きな白米。1膳(160g)あたり、「タンパク質:4g、脂質:0.48g、炭水化物:59.36g、269kcal」だ。
コンビニのツナマヨおにぎりは、平均的なもので、「タンパク質:6.06g、脂質:4.28g、炭水化物:41.96 g、235kcal」になる。
また、ダイエットする人から好まれているサラダチキン(100g)は、平均的なもので「タンパク質:23.8g、脂質:0.9g、炭水化物:0.3g、105kcal」となる。
一般的な焼き魚定食(焼きサバ)の場合、「タンパク質:26.71g、脂質:12.69g、炭水化物:67.21g、502kcal」が目安だ。ただし、サバは部位によって脂質の量にブレがあるので、この数字はあくまで目安だと思ってほしい。
図10に、各マクロ栄養素のおすすめ食品をリストアップした。どれも良質なものばかりなので、スーパーなどで何を買えばいいか迷ったときに役立ててほしい。
実は、ここに掲載していない良質な食材が他にもたくさんある。たとえば卵。1個60gあたりに含まれるタンパク質は7.38gと良質なタンパク質源であることは間違いないが、同時に6.18g程度の脂質も含まれている。
また、サーモンの刺身は75g(約5切れ)あたりタンパク質16.88g。全体のカロリー104kcalのうち6割以上の67.52kcalがタンパク質となる。サバの刺身は50g(約5切れ)のうち10.35gがタンパク質で6.05gが脂質となり、脂質を含んでいる点も見逃せない。このほか、タンパク質が多く含まれている肉や魚も、部位によっては脂質も同じくらい含まれることはある。
図10には、混乱を避けるために「タンパク質と脂質が同じくらい含まれる食材」をあえて除外している。リストにある食品以外にも良質なものは多いので、必要に応じて調べてみてほしい。
先ほどの「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め、減量目的」の場合、1日に摂取すべきマクロバランスは「タンパク質:120g、脂質:約57g、炭水化物:約266g」だ。1日3食だとして単純に3分割すると、1食あたり「タンパク質:40g、脂質:約19g、炭水化物:約88g」。1日3食をバランスよく食べるとするとこのような数字になる。
では、これらを踏まえ、日本のビジネスマンたちが好む食べ物のマクロバランスを見てみよう(図11参照)。
まずは「牛丼」。平均的な並盛りで、「タンパク質:18.03g 、脂質:23.87g 、炭水化物: 112.7g 、771kcal」になる。図11を見るとわかりやすいが、炭水化物と脂質がたくさん入っていることがわかる。
「170㎝、60㎏、35歳、男性、アクティブ度高め、減量目的」の平均的な男性がお昼に牛丼を1杯食べると、1日の脂質と炭水化物の約半分の量を占めてしまうことになる。そのため、もし昼食として食べたなら、他の食事で炭水化物や脂質の摂取を減らし、タンパク質中心のメニューにしなければならない。
次は、日本のビジネスマンたちが好きなラーメン。醬油ラーメンの1食あたりの目安は、「タンパク質:20.55g、脂質:3.13g、炭水化物:72.55g、416kcal」になる。ラーメンのみであれば、まだマシだが、もしガッツリ食べたいと思って「ラーメン+チャーハン+餃子」のセットを注文したとすると……結構悲惨だ。
チャーハンの1食あたりの目安は、「タンパク質:15.43g、脂質:20.97g、炭水化物:100.05g、673kcal」程度。餃子1食(5個)あたりの目安は「タンパク質:8.52g、脂質:9.72g、炭水化物:28.56g、236kcal」になる。
もし「ラーメン+チャーハン+餃子」を食べると、マクロ栄養素の合計が「タンパク質:44.5g、脂質:33.82g、炭水化物:201.16g、1325kcal」。ざっくりだが、炭水化物は1日の目安の約75%、脂質は約60%も摂取することになる。朝食の内容によっては、このセットを食べた時点で1日分の炭水化物と脂質がオーバーすることもあるだろう。また、いずれにしても夕ご飯で調整しないとマクロ管理法を守ることは難しい。
このように、普段何気なく食べている食事も、そのマクロ栄養素を詳しく見てみるとだいぶ偏っていることは多い。
また、飲み物にも注意が必要だ。
たとえば、コーラ500mlの場合、「タンパク質:0.5g、脂質:0g、炭水化物:57g、225kcal」となる。意外にも白米1膳分くらいの炭水化物が含まれているのだ。
その他、コーヒーに入っている砂糖やミルクにもマクロ栄養素は含まれている。ある大手メーカーの「牛乳・砂糖入り」缶コーヒーの場合、210ml缶は「タンパク質:1.26g、脂質:1.05g、炭水化物:14.49g、73.5kcal」だ。たかが飲み物と思ってたくさん飲んでいると、知らないうちに多くの炭水化物を摂取していることもある。
「スイーツ食べちゃった……」
焦るな、まだ間に合う!
先ほどのような例を見ると、マクロ管理法=「食べられるものに制限があってキツそう」と思った人もいるはずだ。だが、何度も言うように決められたマクロバランスの範囲内であれば、調整することは可能である。
たとえば、ダイエットの大敵である高カロリーな食べ物の誘惑に負けてしまったとき。ラーメンやハンバーガー、スイーツなど、ダイエット時には避けたい食べ物ほど、無性に食べたくなってしまう。ダイエット開始当初はこの誘惑に打ち勝つことができても、意志の力が弱くなってくるとつい魔が差して食べてしまったことは、ダイエット経験者のほぼ全員が経験しているであろう。
ここで最悪なのが、一度誘惑に負けてしまうとすべてがどうでもよくなってしまうことだ。自暴自棄になってしまい、欲望のままに食べ、せっかくのダイエットも水の泡になってしまう。はっきり言って、ダイエット時の誘惑を断つことはなかなか難しい。だが、マクロ管理法であれば、ついつい魔が差してしまっても対応できるのだ。
それはなぜか?
たとえば、誘惑に負けてショートケーキを食べてしまったとしよう。通常のダイエット時なら「ショートケーキ=ダイエットの大敵」となり、一度食べてしまったら「今までの努力が台無し」と思ってしまう人も少なくない。
しかし、マクロ管理法のもとでは、ショートケーキも単なる食品の一つにすぎないし、そのマクロ栄養素も数字にすぎない。ショートケーキなら、「タンパク質:4.59g、脂質:25.3g、炭水化物:29.05g、366kcal」だ。たしかに脂質が多すぎることは否めないが、夕ご飯を調整すれば帳尻は合わせられそうだ。
どうだろう、数字だけを見ることで、冷静に判断できるのではないだろうか? 少なくとも自暴自棄になり、暴飲暴食することはなくなるはずだ。
自暴自棄になる理由として考えられるのは、つい食べてしまった食べ物に「どれくらいの栄養素が入っているか」「摂取したカロリーが、自分の摂取すべきカロリーをどれぐらい上回ってしまったのか」ということをきちんと把握できていないからだろう。得体の知れない未知のものだから、不安にかられてしまう。
だが、マクロ管理法をマスターしていれば、図12のようにイメージして「脂質と炭水化物が多いから、夜はサラダチキンだけだな」などと対処できる。つい魔が差してしまい、栄養バランスが偏ったものを食べてしまっても、マクロ管理法があなたの拠り所になってくれる。むしろ、マクロ管理法なしで行うダイエットなど、暗闇の中を手探りで進んでいる状態に等しい。マクロ管理法という指針が光となりコンパスとなり、あなたをダイエットの成功に導いてくれるのだ。
アメリカで大人気のダイエットも、
マクロ管理法がベース
今、アメリカで流行っているダイエット法がある。それが「If It Fits Your Macros(IIFYM)」というもの。別名、Flexible Dieting(柔軟なダイエット)とも呼ばれている。大雑把に言えば、「決められたマクロバランスの範囲内なら、何を食べてもいい」というダイエット法だ。そう、このダイエットのベースになっているのがマクロ管理法である。
決められたマクロバランスを超えない限り、ドーナツでもハンバーガーでもピザでも、好きなものを食べられるというキャッチーさが受けてアメリカで人気になっている。
このIIFYMはもともと、型にはまったダイエットが合わない人向けに考案された。本来、1日の食事は6~8回程度に分けて摂ることが好ましいが、なかなか難しい。朝はどうしても食欲がなかったり、料理をいちいち用意するのが大変だったりする。そういった細かなルールに縛られることでダイエットが続かなかったり、怖気づくのであれば、細かいルールは取っ払って、よりストレスフリーで続けられるようにしようという狙いである。
もちろんベストな方法ではないが、やらないよりはマシ。しかも、少しでも痩せ始めたらダイエットへのモチベーションも上がりやすくなるためとっつきやすく、ダイエットのきっかけとしては悪くない。
ただし、最近は少し行きすぎ感も出てきている。マクロバランスさえ合っていれば、「ドーナツやケーキが主食になっても問題ない」と言い出す人が出てきたからだ。
たしかにマクロバランスは他の何を差し置いてでも守る価値があるぐらい大切だが、メインの栄養はやはり玄米やオートミールなどの良質な炭水化物源、鶏むね肉や牛肉などの良質なタンパク質源、ナッツやアボカド等の良質な脂質源から摂取すべきである。
ドーナツが主食になってもいいというのは論外だが、ここでマクロ管理法の強みが発揮される。マクロ管理法では、決められたマクロバランスの範囲内で食事を摂らないといけない。
ドーナツばかり食べていては、炭水化物と脂質はオーバーし、タンパク質が満たせなくなってしまう。ドーナツばかり食べることは、どの道不可能なのだ。これを明確に数字で制限してくれるのだから、本当に優秀なメソッドである。
本来は、ダイエット中にドーナツをはじめスイーツやラーメンなどの高カロリー食品は食べないほうが好ましい。だが、理想論ばかり語っていてもダメだ。マクロ管理法はある程度「遊び」の部分があって素人でも実践しやすいうえに、1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスが決まっているから、ぶっ飛んだ食事ができない点が優秀なのである。
そう、一般の人も気軽に真似でき、長期間続けることができるという最強のメソッドなのだ。
夜に食べすぎたら、
反省はしても後悔はするな!
マクロ管理法を行ううえで「魔が差しても、1日の中で帳尻を合わせればいい」と伝えた。
では、もし夜に魔が差してしまったり、食べすぎた場合はどうするか? 帳尻を合わせるための猶予がないこの状態では、絶望感を味わうかもしれない。だが、焦る必要はない。
このとき、あなたが取るべき行動、それは「気にしないこと」である。
「すべて台無しになってしまった」と後悔の気持ちに包まれるかもしれないが、いったん冷静になろう。あなたがマクロ管理法に失敗した1日は、1カ月のスパンで見ればたった30分の1である。1日3食食べるなら、1食分の失敗なんて90分の1である。もちろんマクロ管理法を守るに越したことはないが、普段からきちんと守っていれば1日、ましてや1食分の失敗など大したことはない。
ダイエットを開始した1食目でブロッコリーとササミというヘルシーメニューを食べた瞬間に「やったぁ! 痩せた!」と思うだろうか? 思わないよな。それと同じで、1食食べすぎてしまった程度で今までのダイエットが水の泡になるなんてことはあり得ない。
もし夜に食べすぎてしまったら「今日は失敗しちゃった、てへ」とか「心は満たされたし、まあいいや」と思ってあきらめろ。自分を責める必要はないし、反省はしても後悔はするな。次の日から淡々と続けていけばいい。
そして、ここからさらに大事なことを伝えたい。
食べすぎたからといって、絶対に翌日の食事で取り返そうとしないでほしい。たとえば、前日に脂質を30g摂りすぎたからといって、次の日に30g減らしてはダメだ。
導き出されたマクロバランスは、あなたの身体が必要としている値だ。次の日に摂取量を減らしてしまうと、栄養不足になってしまう。それに、調整を続けていくとどんどんダイエットが複雑になってきてしまう。だからこそ、調整はしないでほしいし、断食なんてもってのほかだ。
ちなみに、日付が変わった深夜に食べた食事は、前日か翌日のどちらにカウントするか。その答えは前日。マクロ管理法での「1日」は起きてから寝るまでの時間を指し、睡眠するたびにリセットされる。つまり、栄養素をカウントするのは目覚めてから寝るまでの間だ。
徹夜で長く起きている日も、昼間まで寝てしまい起きている時間が短い日も、その日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスはいつもと同じ。だからこそ、徹夜になりそうなときは、あらかじめ朝食の一部を深夜に回すなど、複数回に分けて食べることをおすすめする。本来は活動時間により変化をつけてもいいのだが、シンプルさが大切なので、このルールを徹底するように。何度も言っているが、複雑で実行の難しいプランに価値はない。
誘惑は、最初から計画に組み込め!
人間は誘惑に弱い生き物だ。だが、不測の事態が起きてもマクロ管理法なら臨機応変に対応できることは散々伝えている。しかし、いくら調整できるとはいえ、スイーツやラーメンなどカロリーが高く、脂質が多いものを食べるとどうしても罪悪感を覚えてしまうだろう。
罪悪感に苛さいなまれていては、健全にダイエットを続けていくことは困難だ。そこで、マクロ管理法を長く続けるコツを紹介したい。
この罪悪感、衝動で食べてしまったときに生まれる。だったら、逆転の発想で、計画の中に「どうしても食べたいもの」を組み込めばいいのだ。
たとえば、日曜日の夜にスイーツを食べるのであれば、日曜日の食事の内容を工夫すればいい。衝動で食べるのと計画に組み込んで食べるのとでは、自分自身の受け止め方に雲泥の差が生まれる。あくまで自分のコントロール下においておけば、ケーキを食べることは「事件」でもなんでもなく「計画」になる。
計画的に食べたいものを食べるこのノウハウは本当におすすめだ。というのも、私の友達にボディビルダーがいるのだが、彼は減量中にある高級ホテルに泊まっていた。朝食には豪華なビュッフェが用意されていたが、減量中の彼は必死に我慢を続けていた。宿泊していた4日間を無事耐えることができたが、帰りの空港で誘惑に負けてしまい、なんとマクドナルドのハンバーガーを食べてしまったそうだ(笑)。
そのときに彼が感じたのは「同じカロリーを摂るなら一流レストランの食事にしておけばよかった……」という後悔。ボディビルダーの彼でさえ誘惑に負けてしまうのだから、一般の人はもっと誘惑に負けやすい。そこで罪悪感を持ったり、後悔するくらいなら、計画的に食べてしまったほうがいい。
特に、高級なお店に行ったときやお土産をもらったときなど、そのタイミングを逃すと次のチャンスがなかなか訪れない場合がある。そこでグッと我慢し、あとからいつでも食べられるコンビニやファストフードで食べてしまうのは、精神衛生上もよくない。
何度も言うように、ダイエットは長続きしなければ意味がない。長続きの大敵は、ストレスだ。ストレスによってダイエットが続けられないくらいなら、いっそのこと食べたほうがいい。それが「計画的」であれば、罪悪感もストレスもなくダイエットが続けられる。
あなたが健康でキレイな歯がほしければ、毎日欠かさず歯を磨くだろう。ダイエットも同じ考え方を持ってほしい。理想の体を手に入れたいなら、ダイエットや正しい食生活を続けないといけない。決して数日や2~3カ月やって終わるわけではないのだ。
ダイエットは自分を追い込んで、厳しくすればするほどいいわけではない。キレイな歯がほしいからといって24時間歯を磨き続けないように、ダイエットや正しい食生活も短期間でやることではなく、長期間続けられることのほうが大事だ。
その点、マクロ管理法であれば、既存のダイエットと比べて効果もあり、ストレスを感じにくく、長続きしやすいのである。
ルールをきちんと守っているのに、
体重の変化がないときは?
マクロ管理法を実践していくうえで、注意すべき点もある。
まずは、マクロ管理法開始後の1週間は体重の増減を気にしなくていいこと。「増量・現状維持・減量」いずれの目標にも関係なく体重が増減することがある。これは体脂肪が減ったというより、食生活の変化によって体内の水分量などが変化して起きるもの。したがって、スタートから1週間で起きた体重の増減に一喜一憂する必要はない。体重の増減を気にし始めるのは、スタートしてから1週間後でいい。
そして、マクロ管理法をきちんと続けていても、目標に向かって順調に進めないこともあるだろう。そんなときは、「調整」を行ってみてほしい。
たとえば、「増量」の設定なのに体重が全く増えていないなら、全体のカロリーを10%増やして計算し直してみる。反対に、「減量」の設定なのに全く減量できていなかったり、「現状維持」なのに体重が増えていたら、全体のカロリーを10%減らしてみてほしい。
計算式によりおおまかな消費カロリーは割り出せるが、人によって代謝も違えば体質も違う。仮に割り出したマクロバランスがあなたに合っていないとしても、焦らず調整してみてほしい。それに、アクティブレベルが自分が思っていたものと違うという可能性も考えられる。その場合は、アクティブレベルを変えて再計算してみよう。
計算し直すタイミングは主に3つ。
まずは、体重が変わったとき。1㎏程度だと大して変わらないが、3~4㎏変わってくると1日の総カロリーや、摂取すべきマクロ栄養素も変化してくる。2つ目はアクティブレベルが大きく変わったとき。そして、3つ目は、体重の変化がなくなったとき。当初の目的が減量や増量であっても、体重の増減や身体の慣れによって、「現状維持」の値となってしまうこともある。だから、体重の変化がなくなったときには計算し直してみてくれ。
だが、もし体重の変化がなくても、そこから1週間は続けてみてほしい。「停滞期」である可能性もあるため、1週間続けてみて、それでも変化がなければ計算し直してほしい。
ここで、体重の増減に関して注意してほしいこともある。目安として1カ月での体重の増減は自分の体重の±5%以内に留めるべきということ。
たとえば、60㎏の人なら3㎏、70 ㎏の人なら3.5㎏以内に留めるべきだ。なぜなら、5%以上の体重の増減は身体への負担が大きく健康的とはいえない。
まあ、マクロ管理法は増量や減量の計算を1日の消費カロリーから±20%で調整しているため、身体に大きな負担がかかるような増減にはなりづらい。また、タンパク質の量も一定量キープされる仕組みなので、筋肉が激減することもない。もし1カ月の増減の範囲が10%程度であっても実はそこまで不健康とはいえない部分もある。このポイントもマクロ管理法が「最強」である理由の一つでもあるが、体重の増減は「±5%以内が理想」ということは覚えておいてほしい。
マクロ管理法で、
食べ物への感覚が研ぎ澄まされる
マクロ管理法を行ううえでは、食べ物のマクロ栄養素をきちんと把握し、その日に食べたものを記録していくことが必須である。これだけ聞くと「めんどくさそう」と思われるかもしれないが、人気のレコーディングダイエットと要領はさほど変わらない。
さらに、慣れてくるといちいち食品の裏に書いてある栄養成分表示を見なくても、マクロ栄養素の値がわかるようになる。たとえば、白米1膳(160g)は、「タンパク質:4g、脂質:0.48g、炭水化物:59.36g、269kcal」。鶏むね肉(皮なし・100g)なら「タンパク質:22.3g、脂質:1.5g、炭水化物:0g、108kcal」。よく食べる食品は自然と覚えていく。
たとえば、鶏むね肉や肉の赤身、マグロなどの脂肪の少ない肉や魚はだいたい同じようなタンパク質含有量であるため、慣れてくれば『ドラゴンボール』に出てくるスカウターのように食品のマクロ栄養素がわかるようになっていく。ただし、ジャガイモとサツマイモのように、似ているように思えるが、意外とグラムあたりの炭水化物量が違う食品も存在するので、注意が必要だ。
このように、マクロ管理法を実践していきながら感覚を研ぎ澄ませてみてほしい。
めんどくさいって?
いや、ここで得た知識や感覚は一生モノだ。しかも、あなただけでなく、パートナーやお子さんのために使うこともできる。
まあ、スカウターのようにわからなくても、最近ではファミレスのメニューにも栄養成分表示はあるし、ファミレスでなくても大手のチェーン店であれば、ホームページ上でチェックできる。
そして、マクロ管理法を実践していると、摂取するカロリーや各栄養素に対してかなり敏感になってくる。特に限られたカロリーとマクロ栄養素の中で「何を選択するか」をものすごく重視するようになる。
たとえば、1000kcalの食事を前にしたとき、今までは「うわ、高カロリーだな……」という漠然とした感覚だったかもしれないが「うわ、1日に摂取していいカロリーの半分じゃん。これを食べたら、あとはサラダチキンとプロテインで過ごさないとダメだな」という感覚に変わる。
同じような感覚で、菓子パンを進んで食べることも減るだろう。大手メーカーのボリューミーかつチョコチップ入りのメロンパンの場合、1個あたりの栄養価は「タンパク質:10g、脂質:15.8g、炭水化物: 70 g、462kcal」だ。この手の菓子パンは炭水化物や脂質が多い割に満足度が低く、食べてしまうとその後の食事の選択肢もかなり限られてしまう。「このタイミングでメロンパンを食べるなら、夕食をもうちょっと豪華にしよう」とか「それなら週に1回高級デパートのスイーツを食べたほうがいい」と思うようになる。限られたカロリー内でやりくりするので、カロリー摂取に対する意識が上がるのだ。
マクロ管理法を知れば、「ムダなカロリー」の摂取は減っていくはずだ。
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一通り読んでもらったが、どうだろうか。できそうだろうか?続けられそうか?
「毎日○○を食べるだけ!」といったキャッチャーなダイエットに慣れているととっつきにくいかもしれないし、普段の食事がいかに健康的な食事内容とかけ離れていたか驚く人もいると思う。確かにOOするだけとか超簡単!とか言えば本は売れるだろう。だが、俺はそんな無責任なマネは絶対にしない。真っ向勝負で、これだけは絶対にやれ!これ以上は簡単にならん!っていう最低ラインの知識をこの本に凝縮した。キャッチ―ではないだろう。楽とも言わない。だが、この本に書いてあるマクロ管理法を実践しマスターしたら、君たちは俺に感謝することになる。それ程にマクロ管理法は間違いない。絶対に後悔させない自信が俺にはある。
考えてみてほしい。健康的な身体とは一時的な努力で簡単に手に入るものではない。それは健康で白い歯を手に入れるには毎日の歯磨きが欠かせないのと同じだ。糖質制限や断食なんて続かない上に不健康なダイエットを試すよりも、一生続けられるマクロ管理法をマスターすることが健康と理想の身体への一番の近道となる。マクロ管理法は体重の増減や目的が変化すれば数字を変えて計算すればいいので、一度覚えてしまえば一生モノの知識となる。
何度も言うが、2章だけを読んで問題なくできそうなら、わざわざこの本を買う必要はない。
前編でもお伝えさせて頂いたが、他の章がどうでもいい内容というわけではない。他の章にはマクロ管理法を続けるためのテクニックや考え方(重要)、ダイエットの基礎概念、飲み会や外食の時はどうすれば良いのか、太り辛いスイーツの食べ方、マクロ管理法に役立つレシピなんかが掲載してある。他の章も絶対に役に立つ内容だ。読めばマクロ管理法の成功率はグッと上がるだろう。だが、俺がもっとも伝えたいのは紛れもなくこの第2章であることに間違いない。
このマクロ管理法を知ったが最後、あなたの食生活は最強レベルにアップデートされる。自分の体重をコントロールできるようになる。パフォーマンスも向上する。そして、これが人生最後のダイエットになる。
そして、最後に伝えたいのは、食事に関する知識は自分一人のものではないということだ。
おかげさまでこの本は多くのビジネスマンに手に取ってもらっているが、
最近体型が気になってきた奥さんがおかしなダイエットをしていないか?
愛する娘さんが断食同然の過激で不健康なダイエットをしていないか?
息子がすごい勢いで太ってきていて心配じゃないか?
子供にきちんと栄養バランスの良い食事が出せているかどうか心配しているご家庭はないだろうか?
ビジネスマンだけでなく、全人類に適応する内容なので、愛する人にもこのマクロ管理法を教えてあげてほしい。本を買ってくれたら嬉しいが、贅沢は言わん。このブログのリンクを教えてやってくれ!
今日はこの辺で!
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