先日、「日中関係悪化で日中唯一の国際フェリー『鑑真号』が中断」というニュースを見ました。
「鑑真号」は大阪・神戸と上海を往復する国際フェリーで、一番安くて2泊3日片道2万5000円で上海に行けます。「鑑真号」は奈良に唐招提寺を建立した唐の高僧、鑑真からとったもの。運賃が安く、かつては出稼ぎから帰る中国人やバックパッカーの大学生などの間で人気の船でした。
ニュースを読んで久しぶりにこの船の名前を見て、大学時代にこの船で中国に渡ったことを思い出しました。
青春18きっぷを使って東京から神戸まで行き、神戸港まで歩いて乗船しました。乗船後パスポートが回収され戻ってくると「KOBE」の出国スタンプがついていました。
フェリーには食堂や大浴場、談話室のようなものがあったと思います。売店もあるのですが、そのときはたしか人民元しか使えなかった気がします。そこではじめて中国のカップラーメンを食べました。人民元は乗船していた中国人客と交渉して両替したと思います。
夕方出発で、しばらくすると瀬戸大橋を越え、そのあとは真っ暗になってしまい、遠くに町の明かりが見えるだけの世界になります。もうやることがなく、飯食ってビール飲んだらあとは早々に寝ていました。
翌朝起きると、大海原。1日中海しか見えない日を過ごします。
3日目の朝、海の色が茶色に変化してきました。茶色はどんどん濃くなっていき、泥のような色になったときに、上海港の入り口に着きました。この茶色は、おそらく長江から流れてくる泥で、まだ上海の町が見えてないところまで泥を吐き出す長江の雄大さに「中国すげえな」と驚いたのを覚えています。
この旅は、帰りは羽田に飛行機で帰ってきたので、KOBE出国、HANEDA入国というスタンプがつきました。港から歩いて町に向かうときの高揚感は、空港からバスで町へ向かうのとはまた違ったドキドキがあって、そのドキドキをこのニュースを見て思い出しました。
今は一時的に中断しているようですが、いつかまたこの船で、今度は雑魚寝ではなくデラックスな部屋で、上海に行きたいと思います。
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