先日の社員総会で、スリランカに海外研修に行っていた社員からカレーの話を聞いたときに、「経営ってカレーみたいなもんだな」と思いました。
スリランカのカレーは、肉と野菜だけでなく魚、豆も入っています。肉の種類も違うし、味も辛さも、店や家によって違います。白いライス、黄色いライス、食べ方もいろいろです。
きっと「スリランカの正しいカレーはどれだ?」と言われると、スリランカの人は困るでしょう。どれも正しいカレーなので。
経営をしているとどうしても、他社の事例や本の理論を仕入れて、「正しい解」「正しい理論」を求めてしまいますが、それは正しいカレーを求めるようなもの。どれも正しい解なのです。
一橋大学大学院の楠木 建さんは「経営には特殊解しかない。一般解はない。」と言っています。
カレーってまさに特殊解しかない。みんな同じカレーを作っているようで、全く同じカレーというのは存在しません。
店で食べたうまいカレーをまねても、自分のうちで作ったら味は変わります。そっくりそのまま同じカレーはできません。経営も、他社の事例をみていいなと思っても、それをそっくりそのまままねても、同じようにはなりません。
それより、「自分のカレーが一番うまい」と信じて、その味を磨くことに力をいれたほうがいいんじゃないかと思います。自分のカレーをもっとおいしくするには何を加えて、何を変えて、どんな味付けをするといいのか?
「自分のうちのカレーが一番おいしい」とどこの家も思うように、私もうちのカレーが一番おいしいと胸を張れるように経営を追求していきたいと思います。