【263】『やや内角にえぐり込むようにして打つべし!』 | 『心をふるわせろ!』

『心をふるわせろ!』

少年時代のような驚きと感動に満ちあふれた人生を取り戻せ!
㈱亀山保険事務所の代表である亀山が日々の省察を綴ります!

警察に囚われまいと頑なに抵抗する矢吹丈。

ジョーのためを思い、死闘に挑む丹下段平。

元プロボクサーの本気に打ちのめされたジョーは、

詐欺罪で逮捕され、鑑別所に送られることに。

たった一つの生き甲斐を奪われてしまった段平…

(第2回はこちら からどうぞ)

3回は『あしたのために』。

ジョーに一目会おうと鑑別所に通いつめる段平。

ですが、肉親以外の面会は禁じられているため、

いつも門前払いで取りつく島もない。

あきらめの悪い漢である段平は凄まじい執念を見せます。

「俺の夢があの鉄格子の中に閉じ込められちまった…」


「だがよジョー、俺はあきらめないぜ!」


「この丹下段平の執念の前には、

 あんな鉄格子くらい屁でもねえってところをみせてやる!」

ある日、ジョーのもとに一通のハガキが届けられます。

差出人は丹下段平…

ジョーにとっては、その名を思い出すだけで、

血が沸きたつ思いだったはず。

段平に叩きのめされたときの記憶が蘇ってきます。


心をふるわせろ! ~鮒谷道場18期生の軌跡~-【263】

激情にかられ、ハガキを破り捨てるジョー…


ここまでは誰もがたどるシナリオでしょうし、

二度とそのハガキは目にしないでしょう。


だが、ジョーは違いました。

ただ単に退屈しのぎだったのかもしれませんが、

もしかしたら、超越的な意思が働いていたのか…


粉々になったハガキをつなぎ合わせると、

後世まで語られる名言を目にします。


心をふるわせろ! ~鮒谷道場18期生の軌跡~-【263】

『あしたのために』


パンチに理屈は無用だと笑い飛ばすジョー。

段平の拳キチぶりにあきれたジョーでしたが、ものは試しと…


心をふるわせろ! ~鮒谷道場18期生の軌跡~-【263】

ジョーは聞いてしまった、パンチが風を切る音を!

いままでどんなに腕をぶん回しても聞こえなかった音を!


心をふるわせろ! ~鮒谷道場18期生の軌跡~-【263】

気がつけば、狂ったようにジャブを打ち続けるジョー。

何度も、何度も。


ものごとには『正しいやり方』があります。

ですが、ほとんどの人が『自分のやり方』にこだわります。


天賦の才に恵まれたジョーですが、その才能をもってしても、

自己流では本物のパンチが打てなかった。


ですが、こだわりを捨てて段平の教えに従ったがために、

パンチが風を切る音を聞いた。


その刹那、『上達を予感』したのです!


もしかしたら、『正しいやり方』を教えてくれるハガキは、

誰にでも届いているのかもしれない。


ですが、感情に囚われて破り捨てていないだろうか?

それとも、ただ気づかないだけなのか…


段平が恋しい今日この頃。


 

【心がふるえたこと】


銀行員時代に同期だった友人が、

ようやく子どもを授かりました。


私と同い年ですから、喜びもひとしおでしょう!


いやぁ、心がふるえましたよ!


早速、慰労会が開催されるようです。


でも、何を慰労するんだ…