ちくま文芸文庫版「言海」について


先日図書館で借りた本。

「図書館で借りて、内容が良ければ購入する」のが最近のスタンス。

可能な限り無駄遣いをしないようにするための手段である。

今回は計7冊借りたうち、ちくま文芸文庫版「言海」の巻末解説が優秀すぎたので購入することにしました。


新品で買えば税込み2,530円。

フリマアプリや各中古販売店を見ると1,500円前後。

解説だけをコピーすると80ページなのでコピー代最低400円。


悩むね~🤔


フリマアプリで良さげなものがないか丹念に調べると、写真には「言海」が載っているのに「言海」の検索ワードだけではヒットしなかったものが出てきた😳


説明文にはきちんとその単語がでているのに何故❓と詮索する時間を惜しんで内容を検討。


高田宏「言葉の海へ」と2冊売り。

2冊なのに他の人が「言海」だけを販売している価格とあまり変わらない。


明らかにお得🉐

しかも「未使用に近い」。


普通なら割とすぐに「買う」となるんだけど、今回はなかなか踏ん切れない。


が、結果的に購入した。


しかし、だ。


写真は残していないが、届いた箱を開けるときに唖然とする😱


普通は梱包の封が開かないようにテープを貼るんだけどそれをしていない。山折り谷折りをして差し込んでいるだけ。

ちなみに雨天の時に到着しました😱😱

さらに箱を開けて更に唖然😱😱😱

箱に「入れただけ」。

水濡れ対策もされておらず緩衝材も入れてないから、輸送中に動きまくって「言葉の海へ」がクシャッとなってる😱😱😱😱


幸い破れもなくクシャッも修正できたけど、普通に考えてあり得ない😤


メインの「言海」は問題なし。

まぁ、雨の中到着したので若干湿っぽいかもと感じましたが、大事には至らず。



すぐに購入に至らなかったのは、どこか不安なところがあったんたけど、こういう事だったみたい。

二度と同じ人から買わないようにするため、出品者を即刻ブロックした😡



図書館本もまだ手元にあったので記念撮影📸

右列が今回購入した2冊。

「未使用に近い」というのは本当だったみたい。


ちなみに、購入した右上のちくま「言海」は、2015年発行の第9刷でした。

定価2,200円(税込み2,420円)。

本日現在の新品価格は税込み2,530円なので、第10刷になっている可能性が高い。



それにしても、ちくま文芸文庫版の裁断面は圧巻です❗解説を含めて1349ページでこの綺麗さ❣️ 気になった方は実物をご確認ください(笑)





せっかくなので本家とも記念撮影📸
左から・・・
・図書館で借りた「言海」
・本家の「言海」
・中古で購入した「言海」


尚、ちくま版の「言海」は昭和6年3月15日発行のものですが、これは注意が必要です(一番下の※注意書き参照)。

著作者は昭和3年に亡くなっているので(故)とありますね。


大正時代発行の奥付と比較してみましょう。

上のものと比べると内容が増えたり減ったりしていて、ここを見ているだけでも楽しくなります。

ちなみに「大正十三年十一月一日 復興改版第五百卅三版印刷發行」の“復興改版”とは前年(大正12年=1923年)の関東大震災からのことだそうです。


大正13年(1924年)で533刷。
大槻文彦『言海』:辞書と日本の近代 (世界を読み解く一冊の本)によると、
大槻が没して二年半後の一九三○年九月二七日、『東京朝日新聞』に「売れた書物」という記事が掲載された。『言海』増訂版である『大言海』の刊行開始の二年前のことである。「売れた書物」とし て徳富蘆花『不如帰』とともにとりあげられたのが、『言海』であった。古書店でも定価のせいぜい 一割五分引き程度でしか入手できず、それだけ需要がある辞書である、ということが示され、「小売店といはず古本屋といはず、何処の店でも何冊かをたなに常備してゐたもので、文芸物のやうに人目に立つほど一時的には売れなくとも、絶えず買い手はあつたのである」。この時点で、一九〇四年二 月初版の縮刷版(小型本)が六一三版、四六判本が五五一版、そして「[関東]大震災後の復興版」に

なので、わずか6年で80刷増えた計算。
これはすごいでしょ😊



なんかモヤモヤした出だしの記事になったので、後半はマニアックにまとめてみました😅



※注意書き
今野真二「「言海」を読む ことばの海と明治の日本語」によると、ちくま学芸文庫は合作であるとのこと。

また、二〇〇四年には、ちくま学芸文庫として覆刻出版されている。ただし、この本は、ある本を底本にして、覆刻されているが、その底本の印刷不鮮明の箇所については、別の本を使っている。一般的にはそれでいいが、このちくま学芸文庫とまったく同じ版面をもった『言海』はこの世にはないことになる。 そのことには留意してほしいと思う。つまり厳密な意味合いでの「覆刻」ではない。印刷不鮮明は、小型版にはよくみられる。