ナースコール | 明日への轍

明日への轍

齢五十を過ぎて、ある日大腸がんが見つかる。
手術から回復したと思った一年後、肝臓と肺へがんが転移。
更に続くがんとの付き合いを記録します。

病院のベッドにあるナースコール
これを押せば看護師へ連絡できる。
押せば音楽が流れて、看護師が出る。勿論24時間である。
私のベッドにもあるわけだが、ナースコールは緊急用と言う認識があった。
押せば看護ステーションの緊急ランプが点いて看護婦が血相変えて駆けつけるイメージ。


体が思うようにならない人は勿論、緊急の場合に押すものと思っていた。
でも、私は検査入院。体は何ともないしほとんどなんでも自分でできる。
そんな患者はナースコールを押すべき時は緊急時以外はないと考えていた。
なにせ初めての入院である。


当日の検査で看護師に確認したいことがあった。でも、担当の看護師はなかなか病室にこない。
痺れを切らして看護ステーションへ行った。そして、そこに居る一人の看護師に言った。
「・・・・・。あの~。」
その看護師は、怪訝そうな顔をして私を見ながら言った。
「何か 看護師の至らない点がありましたか。」
「いや別にそうじゃないけど。 検査のことで聞きたい事があって。」
そう言うと、その看護師はおかしな人とでも言いたげな様子で答えた。
「担当者に伝えますのでお待ちください。」
どうも、看護ステーションで聞くのは通常ではないらしい。


タリーズでコーヒーを飲んで病室に帰ったところ看護師からメモがあった。
「体温を測りますので、戻りましたらナースコールしてください。」
なんだ、そんなことでも呼んでいいんだ。直ぐに押してみた。
「連絡ありがとうございます。直ぐに伺います。」
看護師はそれぞれPHSを持って直ぐにナースコールに答えるようになっているようであった。
これも知らなかった。


一方で、看護ステーションにわざわざ申し出ることは苦情等と判断されかねないことも初めて知った。
ナースコールに対する認識の違いなのかもしれない。
あの看護師からすれば、通常ナースコールで処理するものをわざわざ看護ステーションへ申し出るのは・・・。
どうもそう思われたような気がする。

勿論、必要以上に押すべきではないことは承知している。
看護師は、忙しい。

どうでも良い話であった。