おもしろい満州ものが読みたい | Carlos Danger Is Here

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ヘイナーウ!

浅田次郎の「天子蒙塵」をこの前読んだ。「蒼穹の昴」シリーズを最初から読んでみたのよ。「天子」の出来はイマイチと感じたけど、「中原の虹」今回読み返してみておもしろかったので、そのうち読み返すときは別の感想を持つのかもしれない。

 

「天子」の白眉は、川島芳子が出てくる列車のシークエンスか。これに触発されて、安彦良和の「虹色のトロツキー」を読み返し、映画「ラストエンペラー」を見た。「ラストエンペラー」は公開直後に劇場で見たけど、それ以来だったのかな。

 

そしたら個人的に満州ブームになってしまい、去年出版された「地図と拳」という小説を読んだ。終わりまで読んだけど、なんだかピンとこなかったな。船戸与一の遺作「満州国演義」はつまらなくて、二巻まで読んでギブアップした。

 

エンターテイメントとゆーのは、舞台がよければそれだけである程度面白くなるもんじゃと思う。で、「虹色のトロツキー」の妖しいフンイキ、俺のストライクゾーンど真ん中なのじゃ。夢野久作の「氷の涯」も、俺が大好きな小説の一つ。んで、中国のこの時代を描いたものをもっと読みたいのだが、不幸な戦争の歴史が背景にあるので、エンタメものの舞台としてあまり取り上げられないみたいですね。

 

「満州アヘンスクワッド」というマンガは、前に一巻だけ読んだ。絵が俺の好みじゃなかったんだけど、題材的にはおもしろそうだから、今度これを読むかな。

 

そういえば昨日、細野不二彦の「恋とゲバルト」第一部の終わりまで読んだ。日本の1960年代の学生運動って、あまりエンタメでは題材にされることがなかったと思う。内ゲバとか悲惨な話に終わるので、満州ものみたいに題材として避けられていたのかな。学生運動は笠井潔の推理小説では重要な位置をしめているんだけど、題材として重すぎて正面からのアプローチはされていないし(「煉獄の時」、大みそかに読了したけど、この感想はまた別の機会にね)。

 

で、「恋とゲバルト」なんだけど、これまでのところ超面白いゾ。時代背景をうまく料理して、盛り上げるドラマに仕上げている。まーここからどう着地するのか、まだわからないけど。学生運動を題材とした優れたエンタメ作品の嚆矢になるのか?

 

どっとはらい。