「LOVE SONGS」が出来るまで、についてあれこれ思い出してみた。 | バトルロイヤルブログ~LOVE LETTERS

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前回の春のツアーに参加された方はご存知かと思いますが。
今回の「LOVE SONGS」に収録されている曲のうちの何曲かは、馬場さんのデモを元にバンドでリハーサルをして、各ライブ会場を我々と一緒に旅して回り。そしてツアーが終わり東京に戻って、バンドメンバーで演奏して録音されたもの。

とはいえそれぞれに様々に、いろんな過程を経て出来上がった楽曲たちで。気が付けばこれほど多く、携わらせて頂いたCD、ということになりました。

まずは。
「思い出のレストラン」から。
この曲の、ツアー用のバンドアレンジに着手している時、リハスタでの化けっぷりはすごかった。
イントロは馬場さんだったか、五十嵐くんだったか。
「あのー、ドゥービーの…」の「ドゥ」の字を聞いたあたりでエレキのカッティングが生まれて。そこからあのピアノの神フレーズを五十嵐くんが弾き始め、そこに繋がる部分、リズムのフックが生まれていった。
「ベストヒットUSA」が始まりそうなやつ、って言ってた、五十嵐くん、たしか(笑)
何かが降りて来ている最中の、五十嵐くんの勢いはすごい。各メンバーの所を走り回り、譜面にフレーズを書き込んだりしていく。バンドメンバーもそのアイディアに呼応して応戦していく。

そしてツアーで、各会場でお披露目されたわけです。その間にもいろんなバージョンアップを施されながら。
そしていざレコーディング、となりまして、の「思い出のレストラン」。

ギタートラックに関しては、この曲はずいぶん多い方かも知れない。
スタジオでみんなとせーのでプレイしたもの、その後ダビングしたものに加え、僕が自宅でプラスして送った素材もある。
ここまで全部使われる、とは正直思っていなかったが(笑)絶妙のミックス具合で仕上げられています。

「ラストフライト」もそうやってバンド録音されたものだが。これはギター的には1発録り、に近い。
曲中でエフェクターを踏んで音色を変えながら録音した。そういう意味ではライブでの感じに近いと言えると思います。
たしか間奏のソロも一緒にせーので弾いたんじゃなかったかな。
エンディングは2本入っているから、これはダビングしたのでしょう。まあ正直、だいぶ記憶も曖昧です(笑)


「アイルビーバック」「はなればなれ」などは、全くの新曲として、僕らも初めてスタジオで合わせて演奏した曲。
「アイルビーバック」はデモが届いた段階でもう、大好きでした。歌詞もほぼ出来ていたかと思うんですが、一聴目からもう泣きましたね。引っ越しソングキター、と。KANさんもおっしゃってましたが「電線に並んでいる 鳥たちのお見送りサンキュー」は平成の引っ越しソングの中でも1、2を争う名フレーズだと思います。

「はなればなれ」は完全に馬場さんの中にこの、左右2本のエレキのイメージがあって。それを伝えてもらって弾きました。ボイシングを左右でちょっと変えて振り分けて、ヘッドフォンで聴くとちょっとこそばゆい感じがすると思いますが、こういうの大好きです(笑)

「今夜」のイントロに関しては。レコーディング時、馬場さんのこだわりが強かったように記憶しています。フレーズを何本も重ねて、オクターブ違いもいろいろ録って。最終的にどのように採用されているのかは僕にはわかりませんが(笑)力強い、素晴らしい楽曲に仕上がっていますね。

そしてやってしまいました、「金曜日の天使たち」まさかの要さんとのデュエット。ツアーの時から、その壮大な野望はMCで話されてましたし、きっと近々のライブのどこかでご登場!で、セッション!みたいなことになるんだろうな、楽しみだな、と思っていたら。サンプル盤を頂いて、聴いて初めてひっくり返りました。「トワイライト・アベニュー」というワードで要さんのボイスを引っぱり出す、という何という緻密な作戦、愛、そして勝利。
いやこれは楽しいです。あちこちに散りばめられた、昭和へのオマージュやまさかのモノマネを探すのもまた楽し。
そしてなんと、僕らバンドメンバーも僭越ながらコーラスに参加させて頂いており、CD盤上でのまさかの要さんとの共演が叶ってしまいました。嬉しすぎる。

というわけで、アルバムの中から抜粋、になってしまいましたが、最後に。

馬場さんも気に入って下さってるようですが「最後まで」のイントロは、近年の録音物の中でも出色の出来映えだなと思っております。五十嵐くんとのアイディアのやりとりが炸裂してベストテイク(笑・照)が生まれた瞬間はよく憶えています。今は機材の発達に伴ってレコーディングもどんどん便利になりますが。こういうミラクルは、レコーディングスタジオで顔突き合わせての作業じゃないと生まれないですね。

そしてあまりにも細かすぎて恐縮なのですがせっかくの機会なのでもう少しだけ。
曲が始まって0:24~0:26あたり、「道は明日へつづく」のところのギターがですね。
いわゆる、<sfz(クレッシェンドの後、強いアクセントで演奏する(参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/強弱法)になっているのが、自分的にはお気に入りポイントです。こういうのも打ち込みやPCでの作業ではなかなか出しづらい(じつは最早、楽々出せたりもするんですがw)
でもあちこちにこういう、関わった人のいろんな細かいこだわりや何かが含まれていることが。やはり音楽ですから、作品ですから。その数分の中で起こるパワーに繋がることも多いのだと思うのです。

ではでは、そんなことも少しだけ踏まえて頂きつつ(頂かなくても大丈夫です!)、

またまた「LOVE SONGS」の世界に浸ってみるのはいかがでしょう。



Kazuyoshi “BABI” baba