子供に勧められて、読み始めた。
著者は〝オックスフォード大学で博士号を得た〟事と〝プリンセスである〟事が、最大の誇りであることが、巻頭の写真の添え書きからよく分かった。
〝プリンセス〟は、父親が皇族であることにより自動的に得られたものであるが、そのことにより彼女にとって父親は絶対的価値を持つ存在であった。
だから、父親から離れた母親を許せず、蛇蝎の如く嫌っている。
この母親とは、麻生元首相の妹であり、財閥の娘でもあった。
彼女の未来は明るく、どれほど優秀でハンサムで知的で優しい男性も、伴侶に選び放題だったろうと思われる。
ところが、彼女がまだ高校生の時、変わり者(困り者?)と評判の殿下が「この娘と結婚する」と宣言してしまった。
これでもう、彼女に言い寄る男性や縁談を持ち込む者は、誰一人としていなくなった。
彼女の未来は、もうなくなったに等しかった。
さぞかし絶望したに違いない。
それでも、彼女は結婚した。(それ以外の道は、なかった)
ヤンチャな困ったちゃんは、「俺は、本当はこんなものじゃないんだ」と暴れ、アルコール中毒となるほど酒を飲み、妻にDVをふるったと聞く。
挙句「皇籍離脱するから、お前の実家企業の重役として迎えろ」と言い出し「それなら、離婚する」と返されて、実現しなかったようだ。
(そもそも、熾烈な実業界で皇族の名前だけで通用すると考える甘ちゃんなのか?)
お守り役に心が疲れた妻が療養に家を出ると、父親は自分を崇拝する娘を一層溺愛した。
父親目線で、母親を憎むようになる娘を想像するのは簡単だ。
その結果が、今なのであろう。
未婚の娘に、夫婦のことがどこまで理解できるのかは知らない。
〝プリンセスである〟事が、いまだに大きな誇りである娘には、父親は永久に偉大なのだと、週刊誌ネタから考えてみた。