認知とのコミュニケーション | baabapapa2のブログ

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田舎の老夫婦の年金生活です。

先輩のご主人は、物知りで、どんな話題でも楽しく会話できる人であった。

 

特養でお会いすると、穏やかな表情ながら、言葉を失ってみえた。

 

先輩に「握手してあげて」と言われ、手をさし出すと、ご主人も手を出してくる。

「お久ぶりです。〝私〟です」と話しかけても、表情が変わらなく、焦点も何となく合わない。

先輩が「ほら、私ちゃんよ。家にも遊びに来てくれて、京都にも一緒に行ったわね」と話しても、理解しているのかどうか、わからない。

 

しかし、スリッパを出して「これでいい?こんなの好きでしょ」というと、視線をスリッパに移し、手を出して受け取る。

 

先輩が「気に入った?良かった」と手を握り、頬擦りをすると、少し表情が柔らかくなったようにみえる。

 

言葉を失くした人と、言葉を通さないコミュニケーションの方法が、ちょっと分かった気がした。

触って、撫ぜて、嗅いで等、いわゆる五感に頼ると、気持ちが通じると思った。

と同時に、ペットを可愛がるのと同じ方法のように思えて、少し悲しかった