先輩のご主人は、町中からそう遠くない特養に入所した。
明るい施設で(それでも20年以上前のものだと言う)部屋からは、緑の木々と池が見えた。
面会時間は30分で、一度に2人しか面会できず、これはコロナ以来できたルールらしい。
いままで先輩を送迎してきたA子が、まず最初に先輩一緒に入室する。
15分ばかりなので部屋の前で待とうとすると、1階ロビーで待つように言われた。
A子と交代で部屋に入ってみると、狭い割にこざっぱりとしている。
見れば、ベッドと洗面台があるのみで、物が少ないのだ。
かつて、親や親戚が入室していた○○や△△の施設は、もっと個室が広かった。
集会の場には、もっといろいろなものがあった。
個室はもっと広いし、洗面台にトイレもあり、面会者の椅子も入っている
特養は、回廊もさっぱりとしていて、展示物も飾りもなく、カレンダーの一枚も貼ってない。
入所者は、ほとんどが車いすで、言葉を発していないので静かである。
職員さんに伺うと、特養は〝生活する場〟で、療養の場ではない。
だから、リハビリやリクレーションと言ったものもない。
要介護3以上が入所の条件だから、自分でトイレに行ったり、歩いて移動したりできない人たちである。
(排せつや食事の介助をうけ、移動の車いすを押してもらう。)
入浴は週に3回行うと、胸を張って言われた。
(通常は、週に2回の施設が多いらしい)
費用を伺うと、6万円から最高の介護5の寝たきりの人で11万円と言う。
えっ!そんなに安いって!うそでしょ。
○○は16~18万円で、△△は20万円はくだらないと聞いている。
しかし、安い分職員数は少ないと言う。
それでも、年金額の少ない人にとっては、この低価格は魅力的だろう。
ネットで見たら、この施設の個室は、91人待ちだった。