仕事であうHさんは、シングルマザーである。
2人のお子さんは、立派に成長されて泣く子も黙る公務員である。
Hさんは、見た目も声も話し方もとてもチャーミングで、浮気した旦那の気が知れない。
二人は同じ大学であったそうだが、Hさんの学部の偏差値の方がうんと高かった。
元旦那は、発奮したのか、出世もして高給取りになった。
それで、ちょっと偉ぶるようになったらしい。
結婚後は専業主婦になっていたHさんだが、プライドと言うか、臆せずにものの言える性格が、うまくかみ合わなかったのかなあと勝手に想像している。
離婚後に家は手に入れたものの、仕事を転々としながら次第にステップアップしていったのは、ひとえにHさんの努力と負けん気の結果と思う。
だからか、Hさんはうんと実力もある反面、仕事にも人にも厳しいところがある。
ちょっとしたミスを話して私に同意を求めるが、「そうなんですね」以外は決して言わないようにしている。
人並み以上の苦労を搔い潜ってきた根性が、田舎育ノホホンおばはんである私にはちょっと怖いのである。