使用中のオーブンが、いつの間にか切られていた。
レンジ機能を使おうと、夫が扉を開けたのだ。
スイッチが切れオーブンの中の膨らみかけたクッキーが、しぼんで隣とくっ付いたりしている。
いつもの4cm四方の板状でなく、豆状に一つ一つ丸めてグラニュー糖をまぶした労作だったので、思わず切れた。
私「オーブンの中の灯りが消えれば、スイッチが切れたと分かるでしょお、、、、」
夫「気付かんかった。大体、いつも俺が使う時間に焼くな。夜に焼けよ。」
私「ずーーーーーっと、忙しかったし、それでも真夜中に焼けって言うの!!!」
ここで「気付かないって、貴方ボケたの?」の禁句は言い留まった。
時々勘違いをするようになって、心配とプライドが夫の棘になっているのは気付いている。
しかし、私は気が収まらずに不機嫌に一人でブツクサと言っていた。
しばらくして、〝干しておいたから〟と夫が敷毛布と掛け毛布を私のベットに置いた。
(近頃一段と冷え込むようになり、毛布を足したかったところである)
夫なりの謝罪を、私は受け入れた。
まん丸ではないが、焼けたボールクッキーを夫と一緒に友人に届けると、美味しい昆布佃と里芋を頂き、わらしべ長者になりましたとさ。