アマゾンプライムで見た。
アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート。
タイトルを見ただけで、内容は想像できるし、実際そのとおりだったのだが、ディテールが面白かったし、とても感動した。
主人公のウゲンは、ブータンの首都で現代的な生活をし、オーストラリアに行くことを夢見る教師。もう教師を辞めたいと思っていたのに、政府から、ブータンの中で最も僻地で、標高4800メートルにある村の学校に行くことを命じられる。
ウゲンは、迎えに来てくれた村人とともに、バスの停留所から数日歩かなければならない村に向かう途中も、スマホのヘッドホンで音楽を聴いている。赴任に不満で、周囲を遮断する象徴のようなヘッドホン。しかし、途中で充電が切れてやむなくヘッドホンをはずす。
先生を大歓迎する村人たち。しかし、粗末な建物の学校には黒板もノートもない。電気も通っていない。
すぐさま首都に帰りたいと告げたウゲンだが、子供たちや村人と触れ合ううちに、ウゲンの気持ちが変化していく。
ブータンについては「世界一しあわせな国」というキャッチフレーズが有名だが、映画の中でも、そのフレーズが、ブータン政府と村人から2回出てくる。
〇 政府の役人がウゲンに対し
「世界一幸せな国のために、僻地にも教育を提供しないといけないのよ」
〇 村長が、オーストラリアに行くつもりだというウゲンに対し
「世界一幸せな国なのに、若者はみな海外にあこがれて出ていくんだね」
それって、映画製作者の、国に対するギリギリの皮肉ととっていいのか? 王国ブータンにどれほどの言論の自由があるのかは知らないが。
仏教国だが、自然や動物(ヤクなど)に神を感じるところなど、日本と似ているな、と思った。