最近、「100歳まで生きる時代の保険」とか、100歳ライフ前提のCMが、よく流れている。

 

私の年代の人は、100歳まで、と考えただけで気が遠くなると思う。

 

「長生きリスク」という言葉も、同時に心に浮かぶ。

 

 

ババモンも、CMに影響されたのかどうかはわからないが、

 

ババモン「今はみんな、100歳まで生きるらしいな。100歳までなんか、あっという間かなあ」

 

すっかり、100歳まで生きる気になっている。

 

「もうすぐ死ぬ」が口癖だが、死が怖くてたまらないババモンは、「寿命が延びた。やれやれ」というような気持ちのようだ。

 

また、80代後半のババモンにとっては、100歳なんていっても、すぐそこな気がするのか?

 

 

けど、私の方は、ババモンが100歳になるまで面倒を見る覚悟は、ない。

 

私も70代になるやん。

 

けど、その可能性がないことはないね。私の方が、先に死にます。はい。

自分の昔の実家のことを、我が家だと思い込む認知症老人の話を結構聞く。年をとって子どもに戻っていくと、心も実家に戻るのだろうか。

 

ババモンも、数年前から、実家のことばかり話すようになった。私も、3年ほど前はまだ、「長らく行っていない実家に、一度ババモンを連れて行ってあげようかな」と思っていた。

 

しかし、そのうち、実家に住むババモンの兄嫁の悪口がヒートアップしてきて、「電話して文句を言ってやった」なんてことも言うようになり、それどころではなくなった上に、ババモンの足腰がどんどん弱っていった。

 

 

そして、ここ数か月ほどは、実家についての被害妄想がひどく、おさまったかと思えば、またぶり返すことを繰り返しながら、ずっと続いている。

 

主に、嫌いな兄嫁がらみの妄想だ。もともとは、人の話を理解できなくて、作り上げた、自分の実家についての妄想話。

 

「何十年も前に出た実家が、そんなに大事なのか」と思うほどの、すさまじい執着だ。実家を美化し、他所から来た兄嫁をこきおろす。

 

若い時に、大好きな兄をとられた恨みや、一緒に暮らしたときの確執が、まだ残っているのか、と思う。

 

ババモンの兄弟はもう亡くなっている実家の話だから、めいの何人かを巻き込んでいる。めいに電話して、自分の妄想を語り、否定されると、「兄嫁が嘘を言った」と怒り、しばらくすると、否定されたことを忘れ、また「あの件(ババモンが作り上げた事件)はどうなった?」と電話する。

 

めい(私のいとこ)たちには、事情を説明して謝り、わかってくれているが、親戚とはいえ、他人を巻き込むと、精神的に非常に疲れる。これがいつまで続くのか、と、もうイヤになる。

 

ババモンは、自分の言うことを信じてもらえない気配を感じるのか、

 

ババモン「まるで私がうそついてるみたいやんか!」

 

と怒りが増している。自分が「おばちゃんも呆けはった」と親戚に思われているなんて、夢にも思っていないんだね。

 

 

 

 

図書館でこの本を手に取ったのは、筆者の一人が、以前読んだ

 

「薬のやめどき」

 

のお医者さんだったからだ。

 

 

冒頭の長尾氏の詩は泣ける。一部抜粋すると........

 

老いるということ

親が老いていくということ

それは、何度も同じ話をするということ

何度も同じことを訊いては、あなたを苛々させるということ

 

親が老いていくということ

それは、自信がなくなるということ

自信がなくなるけど、子どもにだけは強がっていたいということ

...............................................................................................................

 

親が老いていくということ

それは、もう生きているのは嫌 早く死にたいと言い出すということ

だけどあなたに迷惑をかけたくない気持ちと裏腹かもしれないこと

................................................................................................................

 

親が老いていくということ

それは、お別れの日は少しずつ近づいてきているということ

親がどんなお別れを望んでいるか察してあげること

.......................................................................................................................

 

親が老いていくということ

それは、命の仕舞い方を、あなたに教えてくれているということ

あなたもいつかこうなるのだと それは最後のプレゼント

 

 

次は、本文の中から。

 

「取り繕い」は周辺症状?

いいえ。

人間、誰でも取り繕う。

猫や犬でさえも取り繕う。

 

私自身も、自分が忘れたことを取り繕っているな、と最近気づくことがある。

 

 

人間誰しもが、

うまくいくときもあれば

うまくいかないときもある。

その変動の幅が

大きくなるのが認知症。

 

介護家族が悩まされるのは、この「まだらぼけ」状態で、いったいどっちが本当なんだろう、と悩むのだ。

 

また、さっき機嫌が良くても、しばらくすると、突然機嫌が悪くなる。その反対もあり、で、「もう最悪!」と「まあまあ平和」の繰り返しに悩まされる。

 

 

親の老いを受け入れられなくて、子どもがジタバタするのは確か。私もそうなのだろう。

 

冒頭の詩を読んだ直後は、ババモンの老いた姿を見ただけで、泣けそうになり、優しくできた。でも、しばらくだけだった。

 

この詩をコピーして、毎日読み直そうか、と思ったがやめた。

 

毎日だったら、感動は薄れるだろうし。

 

それに、呆けたババとの生活は、そんなに生易しくはない。