連作短編集。とても面白かった。
病院のそばの古びた建物で、患者や家族のよろず相談にのる、変わり者の医師と看護師。
現代医療に不信感をもって、あやしげなサプリや民間医療にはまる人たち。
この小説で描かれるのは、ハートフルな、小説でしか存在しないだろう素敵な診察室だ。
9人の医師作家による短篇集。
一編ごとに、色合いが違って面白かった。こんなに多く、現役の医師で小説を書く人がいるとは知らなかった。
以前読んだ本を再読した。2018年初版。
目を引くタイトルだが、暴露本とかでは全くなく、真面目な外科医が、真面目に患者の疑問に答え、寄り添おうとしている本。
患者も人それぞれだろうけど、誰もが、何とか病気を医者に治してほしいと、神様のようなことを求めてしまいがちだ。
けど、医者も人間だし、現代医療も万能ではない。
日本の医療にもさまざまな問題が山積みで、患者も医者も文句を言いたいことは多々あると思う。けれど、とりあえず国民皆保険で、”何かあったら医者・病院に行ける。救急車を呼べる”安心感のある日本は、世界の中では幸せな国ではないかと思う。