フェイスリフトを調べていると必ず出てくる言葉があります。
マンディビュラーリガメント
マセテリックリガメント
これらは靱帯の名称です。
SNSでは靱帯を強くする、靱帯を守る、靱帯を引き上げるなどいろいろな説明がありますが、実際の手術では少し違います。結論から言うと、フェイスリフトでは靱帯は多くの場合リリースされます。そして別の場所に支持構造を作ります。
顔の皮膚と脂肪は骨に直接くっついているわけではありません。SMASという組織とリガメントという靱帯で支えられています。この靱帯が脂肪の落下を止める防波堤の役割をしています。
| 靱帯 | 位置 | 役割 |
|---|---|---|
| マンディビュラーリガメント | 下顎ライン | ジョールを止める |
| マセテリックリガメント | 咬筋上 | 頬の固定 |
| パロティドリガメント | 耳前 | 下顔面の支持 |
若い頃はこの固定が強く、脂肪は高い位置にあります。
| 老化要因 | 起きる変化 |
|---|---|
| 脂肪移動 | 頬から口横へ落ちる |
| 靱帯弛緩 | 固定力低下 |
| 骨吸収 | 支持力低下 |
つまり顔の老化は皮膚ではなく構造の問題です。
フェイスリフトでは靱帯をどうするのか
ここが多くの人が誤解しているポイントです。
フェイスリフトでは靱帯を強化するわけではありません。
むしろ多くの場合はリリースします。
理由はシンプルです。
靱帯が残ったままだと組織が上に動かないからです。
手術の流れ
| 手術工程 | 内容 |
|---|---|
| リガメントリリース | 下顔面の固定解除 |
| SMAS牽引 | 頬を上方向へ移動 |
| 上方固定 | 側頭筋膜などに縫合 |
つまり靱帯を直す手術ではありません。
支持点を上に作り直す手術です。
靱帯はどこに固定されるのか
ここもよく誤解されます。
離断した靱帯を再縫合するわけではありません。
固定するのはSMASです。
| 固定先 | 理由 |
|---|---|
| 側頭筋膜 | 強い支持組織 |
| 深側頭筋膜 | 長期固定が可能 |
| 耳前筋膜 | 安定したアンカー |
SMASをここに固定して、新しい支持構造を作ります。
その後、治癒過程で線維癒着が形成され、新しい支持組織が出来上がります。
靱帯は1本ではない
マンディビュラーリガメントは1本の靱帯ではありません。
複数の線維束からなるリガメントコンプレックスです。
| 束 | 役割 |
|---|---|
| 前方束 | 口角固定 |
| 中央束 | ジョール境界 |
| 後方束 | 下顎角支持 |
そのためフェイスリフトでは
1本を切るのではなく
固定帯全体をリリースします。
なぜジョールが消えるのか
ジョールは脂肪が靱帯でせき止められてできる段差です。
リガメントを解除すると脂肪の移動が可能になります。
その状態でSMASを上に固定すると、頬全体が上に移動します。
結果として
| 変化 | 見た目 |
|---|---|
| 脂肪移動 | 頬が上がる |
| ジョール改善 | フェイスラインがシャープ |
| 影消失 | マリオネットライン改善 |
フェイスリフトは単純な皮膚引き上げではありません。
顔の支持構造を再設計する手術です。
そしてこの手術で最も重要なのは
靱帯をどこでリリースするか
どこに固定するか
どれだけ牽引するか
この判断です。
同じフェイスリフトでも医師によって結果は大きく変わります。
脂肪を取りすぎると老けます。
引き上げすぎても不自然になります。
靱帯の処理を間違えるとジョールは残ります。
美容医療は施術選びではなく、医師選びで結果が決まります。



