失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件・山口 -11ページ目

失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件・山口

全国美容外科の医師選びを解説中。
①症例写真が綺麗=技術が高いは間違っている
②美容外科学会には2種類ある
③選んではいけない美容外科とは

鼻の自家組織移植、結局どれが正解か

プロテーゼではなく自家組織で鼻筋を作る。
安全性を重視する流れの中で選ばれる選択肢ですが、材料ごとに性格がまったく違います。高さを出したいのか、質感を自然にしたいのか、長期安定を取るのか。ここを外すと修正一直線です。

まず全体像を整理します。

材料 特徴 高さ 主なリスク 向いているケース
側頭筋膜 薄く柔らかい 低い ボリューム不足 ナチュラル志向、微調整
耳介軟骨 柔らかく加工しやすい 中等度 凸凹 軽度の高さ出し
側頭筋膜+耳介軟骨 被覆+芯材 中等度 手技難易度 デザイン重視
肋軟骨 硬く強度高い 高い ワーピング 明確な高さ希望
真皮移植 柔らかい ほぼ出ない 吸収 皮膚補強目的
脂肪移植 軟らかい 出にくい 吸収、しこり 微調整のみ

顔のアップ、鼻の美容整形、自家組織移植

側頭筋膜

耳の上から採取し筒状にして鼻筋へ。触感は自然ですが、単独では高さはほぼ出ません。被覆材としては優秀です。

耳介軟骨

加工しやすく扱いやすい反面、背側に置くと輪郭が浮きやすい。厚みの均一化と固定が甘いと段差になります。

ハイブリッド

耳介軟骨を芯にして側頭筋膜で包む方法。
耳介軟骨を短冊にするか細切片にするかで戦略が変わります。

短冊片
縦ラインの強度が出ます。直線的な鼻筋向きです。

細切片
自由度が高く、微妙なカーブが作りやすい。触感は柔らかい。

肋軟骨

高さを出すなら最有力。問題はワーピング。軟骨は時間経過で反ることがあります。
Gunterらの報告では、適切な削り方と中心部使用で変形率は抑えられるとされています。

真皮移植

ボリューム補填というより皮膚のカモフラージュ目的。高さ目的には不向きです。

脂肪移植

生着率が読みにくい。吸収、しこり、左右差。背側に明確な高さを作る用途には基本的に向きません。


学術的背景

・Gunter JP et al. Dorsal augmentation with autologous costal cartilage. PRS
 肋軟骨の安定性とワーピング対策について報告。

・Daniel RK. Rhinoplasty and dorsal graft techniques. Aesthetic Surgery Journal
 耳介軟骨と被覆材の使用戦略を解説。

・Erol OO. Diced cartilage grafts wrapped in fascia technique. PRS
 細切軟骨を筋膜で包む方法の長期成績。

これらから分かるのは、材料より設計と固定が結果を左右するという事実です。


名医選びのポイント~変形対策編

例えば、鼻整形でのワーピング対策は、材料より設計と加工精度で差が出ます。実務で評価される術者の条件を整理します。

実際に行われている具体策

・オブリークスライス法で応力分散
・中心軟骨のみ使用
・ダイスドカーティレッジを筋膜でラッピング
・Kワイヤーなどの内部補強を症例選択で使用
・生食浸漬で術中に初期反りを確認

 

GunterやDanielの報告でも、削り方と中心部使用が最重要とされています。Erolは細切軟骨+筋膜包埋で変形率低下を示しています。

名医の見分け方

・ワーピング発生率を数字で答えられる
・半年以上の長期症例を提示できる
・反り方向の説明を図でできる
・修正症例を隠さず提示する
・肋軟骨を年間相当数扱っている


ワーピング対策を理論で説明できない術者は避けるべきだと考えられます。

激安鼻フル病院とか、手術時間が異様に短い病院とかは限りなくグレー寄りの黒です。

 

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医師選びの相談フォーム

目の下のクマ治療、結局どれが正解なのか

目の下のふくらみや凹みは、原因を外すと結果が出ません。
鍵になるのは眼窩脂肪と眼輪筋、そして皮膚のたるみです。

 

まず術式の基本的な整理をしてみます↓

 

術式 何をするか 皮膚のたるみ除去 主な適応
下眼瞼脱脂 眼窩脂肪を減らす しない 脂肪突出が主因
裏ハムラ法 脂肪を下方へ移動 しない 凹みと膨らみ併存、皮膚弾力あり
表ハムラ法 脂肪移動+皮膚切除 する 凹み+たるみ+小じわ

目の下のクマ治療、美容整形の顔写真

表ハムラ法が向いている典型像

・ティアトラフの陥凹がはっきりある
・眼窩脂肪の突出も同時にある
・皮膚弛緩由来の細かいシワがある
・ある程度年齢が上で切開を許容できる

表ハムラは、突出と凹みとたるみを一度に処理できるのが強みです。単純脱脂では段差が悪化する症例には理論的に合っています。

ただしハムラにも弱点はある

・頬前面のボリュームが少ない症例
・青クマや赤クマなど色調主体の症例

色クマは血流や皮膚透過性が関与します。脂肪移動だけでは改善しません。
また頬の支持組織が弱い症例では、脂肪を移しても全体の立体感が不足します。

このような場合、皮膚眼輪筋間への脂肪注入が適応になることがあります。ボリューム補正と色調の緩和を同時に狙えるからです。


ハムラについての学術論文

・Hamra ST. Arcus marginalis release and orbital fat repositioning. Plastic and Reconstructive Surgery
 ハムラ法の原著。脂肪再配置の概念を確立。

・Rohrich RJ et al. Lower eyelid rejuvenation: fat repositioning vs. fat removal. PRS
 単純脱脂と再配置の長期結果比較。段差悪化リスクに言及。

・Hirmand H. Anatomy and pathophysiology of tear trough deformity. Aesthetic Surgery Journal
 ティアトラフ変形の解剖学的整理。凹みの本質を解説。

これらの報告からも、原因別アプローチが重要であることが示されています。


名医選びのポイント・判断軸枠組み

1 脂肪が出ているだけか
2 凹みと段差があるか
3 皮膚が余っているか
4 色調問題か構造問題か

 

これらを解剖学的に見極めないと術式を誤診します。形成専門医ではない医者、SNS美容外科医で○○法専門医とか脱脂しかやっていないとかハムラ法の達人とかを自称している医師は論外。

 

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医師選びの相談フォーム

今回は、25年前に主流だった豊胸バッグの問題点・トラブルや現在の入れ替え術式を整理してみたいと思います。

 

種類 主な内容 当時の問題点 長期経過で起こりやすいこと
シリコンジェル 低〜中粘度ジェル 破損時に漏出しやすい、被膜拘縮率が高め サイレントラプチャー、硬化、変形
生理食塩水 生食充填 触感が不自然、波打ちが出やすい 破損時に急激にしぼむ
ダブルルーメン 二重構造 構造が複雑で耐久性に課題 内外どちらかの破損で変形
スムース表面 表面が滑らか 被膜拘縮が起きやすい 硬化、位置ズレ
旧型テクスチャード 表面粗造 種類が少なく品質差が大きい 被膜肥厚、稀に炎症反応

 

実務的に一番多いトラブルは被膜拘縮と無症候性破損でした。
20年以上経過している場合は、症状がなくても画像検査で状態確認するケースが多いです。

 

157cm身長の女性、青いショートパンツ姿

 

では、現在入れ替えの手術でよく使用されている豊胸インプラントの材料を比較してみましょう。

 

製品名 メーカー 表面 ジェル 特徴 使用感
Motiva Ergonomix SilkSurface Establishment Labs SilkSurface ナノレベル微細加工 Ergonomix 柔らかいコヒーシブ 自然な動きと柔らかさ 現在最も多い選択肢の一つ
Mentor MemoryGel Xtra Mentor スムース 高粘度コヒーシブ 上胸に張りを出しやすい 張り重視症例
Allergan Natrelle Allergan 主にスムース コヒーシブ 実績が長い テクスチャードは現在ほぼ使用なし
Sebbin Sebbin スムース コヒーシブ 欧州製 一部で採用

 

選んではいけない外科医の特徴

 

症例写真が加工強め(SNSキラキラ美容外科医)
拘縮は体質で片付ける
どの患者にも同じサイズを勧める
カプセルを触らないで入れ替える
合併症説明が5分以内で終わる
他院修正を嫌がる

などなど

 

再手術は初回より難易度が高いですし、バッグより術者の解剖理解と再建設計能力が結果を決めます。ここを語れない美容クリニック医師は避けるのが賢明な判断です。

 

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