鼻整形の人の中には、だんご鼻を直したはずが数年後に戻る失敗があります。
その多くが耳介軟骨移植や鼻尖形成やストラット法による手術を行われています。
自分の鼻先を軽く押してみて、しっかり弾力があって押し返してくるか、それとも簡単に潰れるか。もし後者のタイプは、鼻中隔から鼻尖にかけての支持構造がもともと弱い可能性があります。
この状態で鼻尖形成の3D法やコルメラストラット法、耳介軟骨移植だけを行っても、土台そのものは強化されません。支える力が足りないまま、上に軟骨を乗せて形を作る。短期的にはきれいに出ますが、ただ長期で見ると、乗せた分の重みも加わって沈み込む方向に働きます。
鼻中隔延長術における使用軟骨の有意差
| 項目 | 耳介軟骨 | 鼻中隔軟骨 | 肋軟骨 |
|---|---|---|---|
| 形状 | もともと湾曲している | 平坦で直線的 | 大きく直線的に加工可能 |
| 強度 | 柔らかい | 中程度 | 高い |
| 支柱の強さ | 普通 | ややリスク | 高い |
| 長期の吸収・変形 | 比較的安定 | 比較的安定 | 曲がり(warping)に注意 |
| 採取の負担 | 軽い | 中程度 | 大きい |
どの材料も一長一短あるのですが、簡単に言えば、耳介軟骨は柔らかいので触感が一番自然、鼻中隔軟骨や肋軟骨は硬いです。鼻中隔軟骨は、土台をカットするので底が禁忌だと指摘する外科医もいますね。肋軟骨は再手術で用いることも多いです。
地雷を踏まないためのチェックリスト
1. SNSで症例ばかり流している医師
ビフォーアフターは撮り方でどうにでもなります。照明、角度、レンズの焦点距離。むしろ経過症例や合併症について語らない医師のほうが不自然です。
2. 画像診断を撮らずに手術計画を立てる
骨格の左右差、鼻中隔の彎曲、上顎の位置。これらは見た目だけでは分かりません。CTを撮らずに計画を立てるのは、地図を見ずに登山するようなものです。
3. 手術時間が異様に短い
鼻尖形成と軟骨移植で30分、という設定は正直しんどいです。丁寧な剥離、左右差の確認、止血の確認。時間を削れる工程ではありません。
4. JSAPS(日本美容外科学会)の資格がない
安さでも近さでもSNSの見栄えでもなく、JSAPS専門医・形成外科専門医としての基礎があり、鼻を専門領域として長く扱い、そして致命的な失敗例を出していない医師を、指名で選んでください。
5. 麻酔科専門医が不在
全身麻酔を扱うのに麻酔科医がいない体制は、合併症が起きたときに詰みます。
6. いわゆる直美である
研修を終えて即美容外科へ。切開の経験も、合併症対応の経験も、積む場所がありません。それでいて広告と単価は一人前です。この構造が一番の地雷だと私は考えています。
7. 感染対策が粗い
器具の管理、術野の清潔、スタッフの動線。見学できるなら見てください。
いって当日すぐに手術は辞めてください。それだと培養による細菌検査が出来ていないです。
8. 材料の扱いが雑
肋軟骨を使う場合、採取後に生理食塩水へ一定時間浸して、曲がる性質が出るかを確認してから加工するという手順が知られています。この工程を省く術者は、数年後の変形リスクを患者に押し付けていることになります。

