目尻切開は初手でやる人は少ないのですが、この変化が少ない手術をやるにあたって必ずチェックしてほしいことがあります。
それは白目の余白の伸びしろです。
指で目尻側を引っ張ったときに余白が無ければ目尻切開の延長がそもそも効かないので、効果がありません。結膜円蓋部と呼ばれるポケットの伸び代が1ミリ以下であれば、手術の適応は無いと考えたほうが良いです。
また、奥目の人は目尻の伸びしろを得づらいのですが、その理由は、目尻側が肉で隠れているケースです。皮膚がかぶさっていて目尻が隠れているのに目尻切開をしても意味がありません。
それから、目の上下方向の開きがあると変化を期待しやすいです。
上方向の開きは眼瞼下垂手術、下方向の開きは下眼瞼拡大術で大きくすれば相乗効果を得ることが出来ます。ただし、下眼瞼拡大術の手術の術式で、骨膜固定をするタイプの術式の場合、グラマラスライン形成で力を打ち消してしまうリスクがあるので、必ず執刀医の下で術式を確認されることを推奨いたします。
手術時間も一つの目安になるのですが、30分とかで終了する目尻切開の場合には、内部処理を端折っていたり、質の低い病院の可能性も高くなってきます。後戻りが少なくなる目尻切開は手術の丁寧な内部処理にかかっていて、皮膚と結膜がぴったり合っていなければ拘縮の原因になるし変化が無くなってしまう原因になりえます。
皮膚と結膜をピタッと縫い合わせることが出来ないと、二次治癒と言われる組織のズレや離解を伴う裂傷や切開で、あいだに組織の喪失が生じ、上皮の移動やコラーゲン線維の添加・収縮、組織の再構成などが大量に行われる現象です。
一次治癒に比べて治癒は遅く、瘢痕はよリ多く形成される。感染のリスクも高くなりますから基本的に下手な医者を避けてほしい訳です。