細片軟骨と筋膜を用いた隆鼻術と鼻プロテーゼの比較をしていきましょう。
細片軟骨と筋膜を用いた隆鼻術はこれまでに数多くの症例が報告されており、学会などでも随時報告されています。高度な技術を必要として手間もかかる一方で意外と知られていないデメリットもあることが分かっています。
自家組織移植のデメリットまとめ▼
・mm単位のデザイン調整が困難
・つんとした高さを出せない
・修正がとても難しい
・経年的に吸収や変化が考えられる
・プロテーゼ挿入よりも高額
など
もし人工物に抵抗がある方の場合には、自家組織移植での隆鼻術は良い選択となります。
メリットもあって、
・レントゲンに写らない
・プロテーゼ後の修正方法として良い
・感染リスクは低め
など
一方で、プロテーゼ法は人工材料のシリコンを用いて鼻を高くする方法で、シリコンのタイプにはL型とI型があります。L型プロテーゼは鼻を簡単に高くでき、取り除くのも簡単なのがメリットです。ただし、L型は鼻先の皮膚に負担がかかるので、皮膚が破れる恐れがあります。そうなると、除去するか入れ替えなければなりません。
一方、I型の場合は鼻筋だけに挿入するもので、鼻先への負担が少ないのがメリットです。
但し、鼻先を高くできないので、鼻中隔延長術や鼻尖形成などの鼻先形成術がセットで必要となります。
インプラントによる隆鼻術には、人工物特有のリスクが伴います。人の身体は常に変化していますが、人工物は形や質感が変わりません。それ故、長い期間挿入していると皮膚が徐々に薄くなり、インプラントの形が浮き出てくる失敗例もあるので、高すぎるプロテーゼの挿入はNGです。
また、長期間体内に留まっているために、石灰化を起こすこともあります。そうなると挿入箇所が盛り上がってしまい、鼻の形が崩れてしまうことがあるわけです。経年劣化によって感染リスクが高まります。一度感染してしまうとインプラントを除去しなければ、炎症が広がってしまいます。