FAT BANKは詐欺?!脂肪の冷凍保存は意味がないという論文が出た件。
ファットバンク(FAT BANK)は、脂肪吸引で採取した脂肪を専用施設で脂肪由来幹細胞(ASC)として加工して化学反応が起きない-196℃の環境で、脂肪を凍結保存するものです。将来的に脂肪移植をする際に利用できるという事で、PRされていることがあります。
しかしながら、そのデメリット・リスク面についてはまだまだ懐疑的に感じているドクターが多く、積極的に治療がなされていないことがあります。そしてファットバンクのデメリットに関して、面白い論文が出てきました。
医学論文で、
Biological Properties and Therapeutic Value of Cryopreserved Fat Tissue
=凍結保存された脂肪組織の生物学的特性と治療的価値
といったものが、PRSに掲載されています。
これによると、採取した脂肪をマイナス196℃の条件で冷凍保存した結果、多くの部分がシんだ細胞になっていたという事です。
シんだ脂肪を注入した場合、一定の膨らみ感は出ますが、死んだ脂肪がオイル化する Oil cyst(オイルシスト)、または嚢胞(のうほう)と言った現象が生まれます。
これは石灰化を引き起こす原因となるので、もし検討されている方がいる様なら必ずセカンドオピニオンを取るべきと考えております。
尚、例えば脂肪注入での豊胸手術において、出来る限りしこりを作らせないためには、コールマン法に準じた脂肪注入の方法があります。
★乳腺下に注入しない
★0.2㏄ずつの小さな脂肪を少しずつ注入する
★注入する組織は乳房の脂肪層を主とする
といった基準で脂肪を注入することで、定着率を高めることができます。
無理やり2カップ以上とか大きなサイズアップを試みると、しこりを形成してしまう懸念があるので注意しておきましょう。
※コンデンスリッチ法やピュアグラフト法でもです。