この前の「補助金申請に挑戦するぞ」という投稿から、少し間が空いてしまいました。
書きたいことはたくさんあったのですが、実際のところは、それどころではない日々でして。
というのも、あれからというもの、時間を見つけては補助金の申請書を書いているからです。


昼間はいつも通り、民宿の仕事。
掃除をして、布団を干して、買い出しに行き、夕食の準備をする。
お客様がいれば、食事の配膳や後片付けもあります。
そして夜になると、今度はパソコンの前に座る。
慣れないキーボードをぽちぽち叩きながら、申請書とにらめっこです。

正直に言えば、体は楽ではありません。
60代の体ですから、夜遅くまでパソコンに向かうのは、なかなか堪えます。
「若いころなら、もう少し楽だったのかな」
そんなことを思う夜もあります。
ですが、それでも少しずつ書き進めています。


ありがたいことに、フォレストさんの面談や添削サポートがありまして、
書いた申請書を見てもらうと、いろいろと具体的な指摘をいただけるのです。
「ここは目的をもう少し明確にしましょう」
「効果はできるだけ数字で示しましょう」
「この文章は、もう少し分かりやすく書きましょう」
最初は、
「そんなこと言われても、どう書けばいいんだろう」
と、正直途方に暮れました。


私はもともと、こういう書類を書く仕事をしてきたわけではありません。
どちらかと言えば、現場で体を動かしてきた人間です。
文章で事業の計画を説明するというのは、なかなか難しいものです。
最初に書いた申請書は、今思えばかなりひどいものでした。
「古くなってきたので直したい」
「広告を出してお客様を増やしたい」
そんな、ぼんやりした話ばかりだったのです。


ところが、添削を受けながら書き直していくうちに、
少しずつ内容が変わってきました。
例えば、省エネ改修。
最初はただ
「設備が古いので、新しくしたい」
と書いていました。
ですが、相談員の方に
「それで、どれくらい効果が出るのか考えてみましょう」
と言われまして。
改めて電気代やガス代を調べてみると、
意外と大きな金額になっていることに気づきました。
そこで、
「給湯設備を更新し、省エネ化を図ることで光熱費を〇%削減する」
というような形に書き直しました。


また、ホームページの話も同じです。
最初は
「ホームページを作りたい」
というだけでした。
ですが、よく考えてみると、
今は予約サイト経由の予約がほとんどで、
そのたびに手数料が引かれています。
そこで、
「自社ホームページを整備し、直予約の割合を増やす」
という目標を立てました。
すると、
「どれくらい直予約を増やすのか」
「それによって売上はどう変わるのか」
そんなことまで考える必要が出てきました。
文章を書き直しながら、
自分が何を目指しているのか、
少しずつ見えてきたのです。


民宿の老朽化も、ただの不安ではなく、
改善計画として整理できるようになってきました。
予約管理の煩雑さも、
ITを導入すれば、
もう少し効率よくできるかもしれない。
バリアフリー対応も、
高齢のお客様に安心して泊まってもらうための、
大事な取り組みだと気づきました。
書類を作るという作業は、
ただ文字を書くことではありませんでした。


これまで何となく感じていた課題を、一つ一つ言葉にして、
形にしていく作業だったのです。
民宿を長く続けてきましたが、
こんなふうに自分の宿の未来を考えたことは、
実はあまりなかったかもしれません。
日々の仕事に追われて、
とにかく今日を回すことだけで精一杯。
気がつけば、
設備も古くなり、
やりたいことだけが増えていました。


今回の申請書づくりは、
そんな状況を一度整理する、
いい機会になっている気がします。
もちろん、簡単な作業ではありません。
60代になって、新しいことに挑戦するのは、やはり怖いものです。
パソコンも得意とは言えませんし、
体力も若い頃とは違います。
ですが今は、少しだけ未来が明るく感じられます。


補助金申請というと、
お金をもらうための手続き、という印象がありました。
ですが実際にやってみると、
それだけではありませんでした。
自分の民宿の未来図を、改めて描く時間だったのです。
この宿を、これからどう続けていくのか。
どんなお客様に来てもらいたいのか。
どんな場所にしていきたいのか。
そういうことを、真剣に考えるきっかけになりました。
歳だからといって、
あきらめるには、まだ早い。
そう思えるようになったことが、
今回の挑戦でいちばん大きな変化かもしれません。


さて、申請書はまだ完成ではありません。
もう少し修正が必要だそうです。
今夜もまた、パソコンの前に座って、
少しずつ続きを書こうと思います。
民宿と同じで、一歩ずつ、ゆっくり進めばいいのだと思っています。