昨日は新宿ピカデリーで「ファーストボイス」を。
日本初のセクハラ裁判から着想を得た物語は、その出来事に向き合いながら、その心に寄り添いながら、生きる苦さや時に起こる軋轢の狭間で描かれて行く人間模様が抜群の面白さ。
2026年に至るまでの"現在"を的確に捉えていて、素晴らしい作品だった。
ポップにテンポ良く、時に重く苦さや痛みや悲しみや憤りを丁寧に滲ませながら描いて行く物語が抜群の面白さだったし、フィクションでありながら、とてもリアルにその物事に丁寧に寄り添いながら物語を描いていたのが素晴らしかった。
俳優陣の演技と存在感を存分に楽しめる映画だったし、時にリアルに生々しく描いて行く所はとても身近な所で描かれていたからこそ、釘付けにならずにはいられない素晴らしさが溢れていた。
蔑視ぶりが当たり前だった時代と片付ける事なく、2026年に確実にある物、現在進行形で起きている事を踏まえながら丁寧に物語を描いていたし、エンタメを踏まえながらとても考えさせられる素晴らしい作品だった。
あんな露骨に繰り広げられて行く数々の行いにはゾッとせずにはいられなかったし、自分は分かっていて大丈夫なつもりでも、結果としてその物事を理解していないからこその他人事ぶりが生み出す二次加害の無自覚ぶりの酷さとか、当事者になってようやく分かるその姿を描いて行く過程に釘付けにならずにはいられなかった。
物語を観て行く中で、綾瀬はるかのコメディエンヌぶりというか、ポップさと生々しい現実を魅せて行くその狭間で感じるその存在感の素晴らしさはたまらない物があったし、エンタメと現実の狭間で絶妙なバランスを取る役目も果たしていて。
綾瀬はるかの凄さに完全に魅了された。
途中、綾瀬はるか演じる弁護士が語る中で、その横にいるファーストサマーウイカ演じる上原さんの表情の素晴らしさを感じる瞬間があって、それがとても良かったなと。
物語で描かれていたセクハラの酷さも凄まじかったけど、ある種の劣等感を元にして、ここまで人を貶めて行く事の異常さを実感せずにはいられなかったし、その根底にある物は2026年に於ける差別の本質と繋がって行くんだなと実感せずにはいられなかった。
被害を受けた当事者だからこそ、言葉じゃない所での苦しみもしっかりと描いて行く中で、ある種被害者を無意識に偶像化しているように感じられるその行いや出来事にとても考えされる物があったし、人は完璧じゃないからこそという所での描き具合の素晴らしさに思わずグッと来るものがあった。
そんな中、松本穂香さん演じる弁護士さんで良いのかな?
あと綾瀬はるか演じる弁護士の旦那さんだったり、その物事を通して、人が心が変わって行く姿をとても丁寧に捉えながら描いていた映画だったなと。
物語が描かれて行く中での、希望と絶望の狭間で光を感じられる所がまた素晴らしかった。
人に寄り添う事の大切さと難しさを共に感じずにはいられなかったけど、人は完璧じゃないからという所で生まれる軋轢の中で揺れ動くその姿と、その信念を真っ直ぐに追求して行く姿には釘付けにならずにはいられない素晴らしさがそこにはあった。
法廷劇の面白さを存分に楽しむ事が出来たし、その攻防戦から滲む人間性の深さを実感せずにはいられなった。
醜悪さと良心をとても丁寧に滲ませながら、とても深くその物事を実感出来る物語の描き具合が素晴らしかった。
軋轢の中でその心の鬩ぎ合いが起こる中で、その信念を曲げずに真っ直ぐに自分を貫いて行くからこその姿には観ていて完全に打ちのめされたし、前例を作る事で未来へと引き継ぎして行こうとするその志を実感出来るあの場面は、もう本当に最高過ぎて。
結果が出てちゃんとその現実に向き合わせるからこその現在を実感出来るあの描き具合が見事だったし、リアルに寄り添いながらのエンタメの面白さが存分に発揮されている素晴らしい作品だった。
ポップにしなやかに気骨ある物語の面白さを存分に堪能する事が出来たし、その物事は2026年に至る今日までの社会の現在地を改めて実感する作品でもあったし、生きる苦さや痛みや遣る瀬無さと希望と光が絶妙な形で溶け合っていて、観ていてとても面白かったです。

