『赤炎』 1ノ3
「なぁ」
西日が刺す木々の合間の影でした。
「シャムが好きだよ」
レイディンは少し驚いたような顔のシャムシアを抱き寄せ、額の稀泪石に口づけます。
抱き寄せられたシャムシアは、逞しくなった胸に頬を寄せてただ、黙ります。
十五歳になって、子供っぽさが消え急に大人びた面立ちに成長した少女は、初めて会ったときから、この黒髪黒眼の少年に惹かれていました。
大地から生命力を吸収しているかのように、日々、少年から青年へと成長を遂げていく姿に、まっすぐにその漆黒の瞳を見つめられなくなる事も少なくありませんでした。
「わたしも」
自分を抱き包む体温に、シャムシアはうっとり瞼を落としました。
シャムシアの父親は留守がちで、シャムシアは一人で居ることが多かったのですが、レイディンがいるから故郷と離れた山の中で何年も暮らしていけたのです。
強く抱きしめられる腕の力こそが、シャムシアの全てを支えていました。
湖の水に濡れた腕をレイディンの肩に起き、背中を抱かれ、そっと寄せられる口唇が温かくシャムシアを夢の世界へと導きます。
「愛してる」
と、言葉を交わしたのはつい先日のように思えるのに……。
「シェイ!!」
レイディンはある日、≪時守≫であるシェイヴィアに詰め寄りました。
「シャムはどこへ行ったんだ!?」
十六になったばかりの頃、初めてレイディンはシェイヴィアに対して怒りを覚えたのです。
何故か。
それは、シェイヴィアの言葉があまりにも冷徹だったからでした。
「護る戦士がまだ覚醒していないというのに、鍵だけが目覚めても仕方ない。あの娘はわたしが暫し預かることにする。そなたは戦士としての役割をちゃんと果たすことだ」
「……っ、だよ!戦士とか鍵とか!」
レイディンの漆黒の瞳がシェイヴィアを睨みます。
「いずれ分かること。今、説明する必要もなかろう」
そうして、レイディンはどこかに飛ばされました。
「今はその力を取り込むことに専念すればよい」
遠くに、シェイヴィアの声を聞いた気がしました。
『赤炎』2ノ1へ
********************************************************
いきなり、離別。 (°∀°)b


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私の勇気が出るボタン
西日が刺す木々の合間の影でした。
「シャムが好きだよ」
レイディンは少し驚いたような顔のシャムシアを抱き寄せ、額の稀泪石に口づけます。
抱き寄せられたシャムシアは、逞しくなった胸に頬を寄せてただ、黙ります。
十五歳になって、子供っぽさが消え急に大人びた面立ちに成長した少女は、初めて会ったときから、この黒髪黒眼の少年に惹かれていました。
大地から生命力を吸収しているかのように、日々、少年から青年へと成長を遂げていく姿に、まっすぐにその漆黒の瞳を見つめられなくなる事も少なくありませんでした。
「わたしも」
自分を抱き包む体温に、シャムシアはうっとり瞼を落としました。
シャムシアの父親は留守がちで、シャムシアは一人で居ることが多かったのですが、レイディンがいるから故郷と離れた山の中で何年も暮らしていけたのです。
強く抱きしめられる腕の力こそが、シャムシアの全てを支えていました。
湖の水に濡れた腕をレイディンの肩に起き、背中を抱かれ、そっと寄せられる口唇が温かくシャムシアを夢の世界へと導きます。
「愛してる」
と、言葉を交わしたのはつい先日のように思えるのに……。
「シェイ!!」
レイディンはある日、≪時守≫であるシェイヴィアに詰め寄りました。
「シャムはどこへ行ったんだ!?」
十六になったばかりの頃、初めてレイディンはシェイヴィアに対して怒りを覚えたのです。
何故か。
それは、シェイヴィアの言葉があまりにも冷徹だったからでした。
「護る戦士がまだ覚醒していないというのに、鍵だけが目覚めても仕方ない。あの娘はわたしが暫し預かることにする。そなたは戦士としての役割をちゃんと果たすことだ」
「……っ、だよ!戦士とか鍵とか!」
レイディンの漆黒の瞳がシェイヴィアを睨みます。
「いずれ分かること。今、説明する必要もなかろう」
そうして、レイディンはどこかに飛ばされました。
「今はその力を取り込むことに専念すればよい」
遠くに、シェイヴィアの声を聞いた気がしました。
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