『赤炎』 2ノ1
2.
業火の中に居る自分を、夢の中に見ていました。
自分が自分でなくなってしまう夢。
漆黒の色彩が闇に飲まれるような、紅蓮に塗り替えられてしまった夢。
高熱に浮かされる。
体の細胞全部が組み替えられてしまいそうな嫌悪。
脳の神経全部が何者かに乗っ取られてしまうような、そんな感覚。
過去の記憶が希薄になってしまいそうになる、恐怖。
シャムシア……居なくなったシャムシアを、レイディンは探していました。
『八将』である本来の自分を受け止めてからでも、それからもずっとずと探しているのです。
……あつい、アツイ、熱い。
自分を組み替えていく何かに、レイディンは必死の抵抗を試みていました。
そうしなければ、再び自分を見た時、シャムシアが自分だと気づかない……そんな予感に胸を焦がしていたのです。
≪赤炎の戦士≫なんてなりたくてなったワケじゃない。
少年のその想いは、闇とも焔獄ともつかない炎に飲まれていきました。
うっすらと瞼を持ち上げたレイディンの漆黒の瞳には、見慣れぬ煉瓦色の天井が移っていました。
……あ、……?
なに、してたんだっ、け?
記憶が曖昧としない頭を抱えてベッドの上に起き上がると、全身を回る熱に浮かされて、枕に引き戻された。
「あっつぅ」
人間にはとても耐えられない体温をレイディンはその内に抱えて、ひたすら汗を流しています。
関節の節々が痛く、軋むようで、耐えきれません。
再びうつろになるレイディンの頬に、冷たい指が触れました。
その温度の差に、パシッとレイディンがその手を掴みます。
しかし、その感触は、シャムシアの手とはまるで違うことに気づき、すぐに放しました。
「ご……めん」
掠れ出る声で、朦朧とする頭の中、その誰かに謝ります。
でも、それが誰なのか、レイディンには分かりません。
アサリーは、苦笑を交えて少年の手をベッドに戻すと、寝室を後にしました。
薄く瞼を開いたまま、レイディンは煉瓦色の天井を眺めます。
オレは一体、何をしてたんだっけ……。
それきり、レイディンは再び意識を失ったのでした。
『赤炎』2ノ2へ
********************************************************
そして現実を見る。


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体の細胞全部が組み替えられてしまいそうな嫌悪。
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過去の記憶が希薄になってしまいそうになる、恐怖。
シャムシア……居なくなったシャムシアを、レイディンは探していました。
『八将』である本来の自分を受け止めてからでも、それからもずっとずと探しているのです。
……あつい、アツイ、熱い。
自分を組み替えていく何かに、レイディンは必死の抵抗を試みていました。
そうしなければ、再び自分を見た時、シャムシアが自分だと気づかない……そんな予感に胸を焦がしていたのです。
≪赤炎の戦士≫なんてなりたくてなったワケじゃない。
少年のその想いは、闇とも焔獄ともつかない炎に飲まれていきました。
うっすらと瞼を持ち上げたレイディンの漆黒の瞳には、見慣れぬ煉瓦色の天井が移っていました。
……あ、……?
なに、してたんだっ、け?
記憶が曖昧としない頭を抱えてベッドの上に起き上がると、全身を回る熱に浮かされて、枕に引き戻された。
「あっつぅ」
人間にはとても耐えられない体温をレイディンはその内に抱えて、ひたすら汗を流しています。
関節の節々が痛く、軋むようで、耐えきれません。
再びうつろになるレイディンの頬に、冷たい指が触れました。
その温度の差に、パシッとレイディンがその手を掴みます。
しかし、その感触は、シャムシアの手とはまるで違うことに気づき、すぐに放しました。
「ご……めん」
掠れ出る声で、朦朧とする頭の中、その誰かに謝ります。
でも、それが誰なのか、レイディンには分かりません。
アサリーは、苦笑を交えて少年の手をベッドに戻すと、寝室を後にしました。
薄く瞼を開いたまま、レイディンは煉瓦色の天井を眺めます。
オレは一体、何をしてたんだっけ……。
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