元気ですか?
久しぶりに手紙を書きます。
初めて手紙を書いたのは恥ずかしいけど、ヌナ…君に告白をした時だったね。
いつもはヌナって呼んでるけど、手紙だから君って書きますね。
おかしいかな?(笑)
友達何人かと遊んだ時に一緒にいた君。
僕は初めて見た瞬間から君から目が離せなくなった。一目惚れってやつか…なんか悔しいな。
その日は恥ずかしくてほとんど話せず解散したね。
それでもよく笑う君の笑顔を忘れないでいたよ。
女子大だった君を学校の前でたくさん待ったんだ。君がいつ来るかもわからず早くから待機して。5時間くらい…だったかな(笑)
いろんな学生に不思議そうな目で見られたけど、君が来るかもしれないってゆうドキドキで全然気にならなかったよ。
今考えると怪しい人だよね(笑)
今は笑い話にできて良かったと思ってる。
僕は勇気がなくて君を前にすると、きっと何も言えないから想いを手紙に込めたんだ。
学校から出てくる君を呼び止め、手紙を差し出して無理やり君の手に押し込めて走って逃げた僕。
なんであの時逃げたのか…今でも後悔しているよ。。。
それからしばらくは君のことを忘れようとした。
なんの返事もなくて(連絡先も何も書いてなかったから当たり前だよね(笑))不安で辛くてその気持ちから逃れようとしたんだろう。
本能的に気持ちへの負荷を軽くしようとしたんだね。きっと。
だから、1週間後に君が僕のアルバイト先に現れた時は夢か現実か区別がつかなかったよ。
アイボリーのワンピースで入口に立っていた君は、本当に天使に見えたんだ。
ちょっと怯えながら、でもなんだか楽しそうに僕の名前を呼んだ。
そして手紙を渡したね。淡いクリーム色の封筒に花のデザインの封筒。
今でも大切に僕の引き出しに仕舞ってある。
君が忘れてても僕は絶対忘れられない。
だって、そこには僕が欲しかった言葉が書いてあったから!
笑顔で僕に手紙を渡してすぐ店を出て行った君。
ポカンとしていたけど、手紙が気になって開くといてもたってもいられなかったよ。
僕はアルバイトであることを忘れ、君を追った。
同僚が止めるのなんて耳に入らなかったんだ。
走って追いかけ、君の横を歩くと笑顔で君が手を繋いでくれたね。
僕は恥ずかしくて恥ずかしくて正面を見ることが精一杯だったんだ。
そのまま君の家まで送ったけど、正直今冷静に考えても何を話したのか全く覚えていない。
繋がれた左手に全神経が集中していたに違いないね(笑)
フワフワした気持ちで店に戻ると店長に怒られたよ。当たり前だよね。
でも、そんなことは痛くもかゆくもなかったんだよ。それくらい君との時間は僕にとって大きかったんだ。
それからは何回もデートをしたし、旅行にも行ったね。
映画、ランチ、買い物…何もかもが新鮮で僕は、毎回君に会う日が楽しみで楽しみでならなかった。
モノクロの世界が色鮮やかなカラーの世界になったという表現がいいのかな。それくらい刺激的で僕の景色も変わったんだ。
ほとんどケンカもしなかったね。
歳上の君は僕を理解してくれたし、僕も優しい君には何一つ不満はなかったよ。(あ、優し過ぎるところが不満だったか…(笑))
君にとって僕と過ごすことは楽しかったのかな。そうであってほしいな。
初めてキスした日を覚えてる?
確か、5回目のデートだったよね。夕飯を食べて君を家まで送った時。なぜかその日は特別、君と離れたくなくて、わざと繋いだ手を離さなかったんだ。
君は少し困ったような顔をしていたけど、何も言わずニコニコしてたね。そんな君を見ていたら抱き締めたい衝動に駆られ力任せに君を引き寄せた。
初めて抱き締めた君は思った以上に小さくて華奢で、守らなければと思ったよ。僕の腕の中でもニコニコしている君を僕だけの物にしたかった。だから、思わず君の唇を奪った。
抵抗されると一瞬思ったけど、君は僕を受け入れてくれたね。
あれほど心が満たされたことは人生で初めてかもしれないな。
それからは何度もキスしたね。
僕はその度にとても満たされて、こんなに幸せでいいのかと神様に感謝をしたよ。
でも、やはりそんな幸せは長くは続かないんだね。
神様は意地悪だよ。
突然だったもんね、君が僕の目の前からいなくなったのは…
ダメだね。
思い出したくないのにどんどん浮かんでくるよ。
あれから半年も経つのに今でも鮮明に覚えてる。半年間君を忘れた日は1度もない。それが君に対する気持ちの示し方だと思ってた。
でもそろそろ僕も前に進まなければいけないよね。
新しい出会いをしても良い?
君を忘れはしないから。
いつまでも僕の大切な人。
本当に愛してる。
レファン
そう綴った手紙を半分に折る。
広げて線に合わせて折る。また一折り。
出来上がった紙飛行機に一輪の小さな花を挟んで空高く放つ。
どうか天国の君へ届きますように。
fin